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50件
寄生獣
著者 岩明均 (著)
シンイチ…
『悪魔』というのを本で調べたが…
いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ…
他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。高校生・新一と、彼の右手に誤って寄生したミギーは互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物との戦いを始めた。
寄生獣(10)
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寄生獣 1 (アフタヌーンKC)
2003/01/10 06:16
岩明均とシャレ
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日、天からふってきたエイリアンのタマゴ。そこから生まれたのは、人間のからだをのっとり、しかも食料として人間を食べる「人食い」生物たちであった……。ところが、主人公の高校生・シンイチを襲ったエイリアンは脳を奪い取るのに失敗し、やむなく彼の右腕に居候する。かくして、シンイチとその右腕「ミギー」の、生存をかけた闘いが幕を開けるのであった。
知る人ぞ知る名作。
この岩明均という漫画家、シャレが好きである。「手動権(=主導権)をよこせ!」「後藤(=五頭)」みたいなダジャレに限らず、シンイチのガールフレンドを「こぉっ!」と叱りだす爺さんが突如出現したり、ぶっ切れた青春野郎が勝負を挑んできたり、と、どう反応していいのか分からないジョークのようなシーンもたびたび登場するのだ。いやいや、そればかりでない。キャラクター設定やストーリー展開すらも、シャレに左右されているフシがある。
もしかすると、シャレはこの人の創作における基本パターンなのかもしれない。そもそも、人間が体を乗っ取られて人間を食うバケモノになってしまうという設定そのものがシャレ的な思いつきではないか。
このイデオロギー色の強い作風にあって、シャレを多用するということは、一見、矛盾する行為のように思われる。しかし、事実はその逆のようだ。伝えたいメッセージがたくさんあるがために、しかもそれをどう伝えていいか考えるとかえって行き詰ってしまうがために、不如意としてのシャレの力に頼る必要があったのだ。
同じような役割をするシャレに、短歌の「かけことば」という技巧がある。ある情景に心情をかさね、それを風流に表現したいと強く望むゆえに、逆に、それ自体は風流でもなんでもないシャレをきっかけとして詩を呼び込む。詩想を導く起爆剤。天から降ってくることばを落とす避雷針。
岩明均は、その効用を知っており、キャラクター設定を、ストーリー展開を、シャレ、すなわち、瞬間的なひらめきに任せている。少なくとも、私にはそう感じられる。
余談になるが、「名前なんてどうだっていい」と言うミギーの考え方は、作者の理念であるように思われる。登場人物の服装は、わりと適当。その背景もわりと適当。主題以外はどうだっていいと言わんばかりのこの動物的な一途さが、そこに見え隠れする。そんなところにも、私は無条件で好感を持ってしまうのだ。
それにしても、ラストは非常にいい。強いメッセージを思いつきに委ねたからこそ生まれた予定調和なのだろう。美しさが、そこに感じられる。
2022/01/18 18:23
読まず嫌いでした
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あき - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋の商品棚でおすすめされていたり、友人の家の本棚やカフェやお好み焼き屋の本棚まで至る所にあるのを見かけていましたが絵が怖くて読むことはありませんでした。
ある日、入院することになり、差し入れとして友人からもらいました。暇を持て余していた私は、そこで初めて読みました。
気付くと続きを家族に頼み、全巻読んでいました。
一巻目からの引き付けがものすごく、勢いを感じます。
作画に目をつぶればお気に入りの作品になるでしょう。