- みんなの評価
150件
おおきく振りかぶって
著者 ひぐちアサ(著)
県外の高校に進学した卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉(みはし・れん)。見学するだけと訪れたものの強引に入部させられたのは、全員1年生(くせ者揃い)に女監督(コワイ)という創設まもない野球部だった! オレらのエースは暗くて卑屈。勝つために、弱気なエースのために。行け、オレら! 読むとためになり、しかも血沸き肉躍り涙する。絶対に面白い本格高校野球漫画!
おおきく振りかぶって(37)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
おおきく振りかぶって Vol.1 (アフタヌーンKC)
2004/04/26 19:10
こんなマンガがあの頃にあったなら、もっと野球が楽しくなったかもしれないと思うと悔しい。
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バイシクル和尚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文句なし、面白い。本格的野球マンガ。こういったら失礼なのかもしれないが、カバー絵の少女漫画風の雰囲気からは、想像できないような、ある意味硬派な野球マンガである。
一読してから、なぜ私の心をこんなにも揺さぶったのかを考えてみた。それは高校野球を題材にあくまで人間を中心をして描かれているからであろう。登場人物はみな表情豊かで、親近感に富み、そしてなにより登場人物がみなそれぞれの形で野球を愛している姿が率直に描かれているのが好印象。
精神的に未熟で、中学時代の特殊な十字架を背負う主人公の野球を愛する気持ちが、物語を展開していく。独自理論派のキャッチャー、女監督、シニアリーグの四番…あらすじはみなまで言うまい。
エースピッチャー心理、その女房役の正捕手の心理、監督の選手を育てよう、チームを強くしようという熱意、それらが変に捻じ曲げられることなく、のびのびと描かれている。ここで驚かされたのがそのような情緒面を大切にするコンセプトに立てば、自然、細かい野球技術や、理論はないがしろにされがちであるのに、その面もきっちりと抑えられているところである。絶妙のバランスとでも言うべきか、くどくもなく、さらりと選手の精神面と二人三脚で展開される野球理論の展開は、うならされた。
はっきりいってベタほめの書評(とよべるのか?)になってしまったが、すでに高校生という時代から、高校野球から遠ざかってしまった今読むと「あの頃」読みたかったような気持ちが湧き上がってきた。
くどくどは言いたくない、それほどに読めば分るストレートな面白さがこのマンガにはある。野球好きなら無論、そうでない人も十分に楽しめるはず。星が足りません。
おおきく振りかぶって Vol.1 (アフタヌーンKC)
2005/01/16 13:25
オレらのエースは暗くて卑屈。(裏表紙より)
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えび太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
埼玉県のとある公立高校。
今年新設されたばかりの硬式野球部が舞台の青春漫画。
野球漫画と聞いて想像するものを
端からなぎ倒していくような、新鮮なストーリー展開が読み手を掴んで離さない。
登場人物が非常にリアルな高校生達で
暗くて卑屈という意外性抜群の主人公ならば
彼の周りを取り巻くのは、心優しいチームメイトかと思いきや
普通にウザがられる入学当初(笑)
そりゃそうだ、こんなの居たら誰だってウザいと思う。
それが段々と変化していく過程にしっかりと「野球」が関わっている。
野球の説明的な部分も、未経験者に読み飛ばしをさせるような単調さは無く、逆に野球を勉強したくさせるパワーがある。
決して「野球」という題材を疎かにせずに
時に笑わせてくれながら
等身大の球児達を描いた新鋭野球漫画。
スポコンものが苦手な方にも是非読んで欲しい本です。
おおきく振りかぶって Vol.8 (アフタヌーンKC)
2007/05/31 02:15
夏への初戦で流した涙。
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:べっきあきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいると、涙が溢れてきてしかたなかった。ストーリーに引き込まれたことはもちろんだ。けれど、一番の理由は、桐青と西浦との対戦で、野球部の思い出が次から次へと浮かんできたせいだ。
諸事情により、今月あった試合の敗戦をもって、私の所属していた野球部はクラブとしての活動を終えることとなった。私が、野球部のマネージャーを始めたのは2年前。おお振りの登場人物にも負けない、個性豊かなメンバーとの活動は、楽しかったけれど、大変でもあった。週5日の練習、次から次へと出てくるマネージャーの仕事。学業とクラブとアルバイトとの両立。部員間での揉め事もないわけではなく、体力的にも精神的にも追い詰められ、逃げ出したいと思ったことも少なくない。
けれど、私はもっと野球部で活動したかった。練習の成果を発揮して、いきいきとプレーをする、選手たちが大好きで、もっと見ていたかった。西浦と桐青の試合に決着がついたあとのシーンで、最後の野球部の試合の後、封印していたその想いが改めて溢れてきた。だから、涙が止まらなかったのだ。
この漫画に惹かれるのは、主人公をはじめとする登場人物が、とにかく野球というスポーツにひたむきだからだと思う。一生懸命に取り組んで、野球を楽しんでいるから、私たちも感情移入する。野球というスポーツにも興味が湧く。
試合の駆け引きだとか、かなり詳細に書きながらも、作者がわかりやすいよう心がけているから、野球のルールを知らない人にだって読みやすいし、魅力が薄れることがない。私も、勉強させてもらっている。
まだまだ主人公たちの「夏」は始まったばかりだ。私の場合、残念なことに野球部ではもう活動できないけれど、どんな展開を向かえ、にしうらーぜが成長していくのか、これからも見ていきたいと思う。