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4件
水域
著者 漆原友紀(著)
日照り続きで、給水制限中の街。酷暑にあてられて意識を失った川村千波(かわむら・ちなみ)は、豊かな水にあふれる村で、少年と老人に出会う夢を見る。祖母に夢の話を聞かせた千波は、意外な言葉を聞く。「それ……ばあちゃんの昔の家じゃないかねぇ」また行きたい──そう願った千波が目を覚ましたのは、夢だと思っていたあの村。そして再会した少年・スミオから、この村では雨が降り止まないことを知らされる。『蟲師』漆原友紀が描く、人々の想いと忘れえぬ記憶の物語。
水域(下)
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2016/06/23 18:23
郷愁誘う幻想譚
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
この類の異界訪問譚はめっきらもっきらどーんどんやトムは真夜中の庭でから連なる僕の読書遍歴の原点とも言えるジャンルなのでもう無条件で大好きだ
水域 上 (アフタヌーンKC)
2011/11/09 13:54
夢で見た水のあるその場所は?漆原友紀「水域」がいい。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメや映画にもなった「蟲師」の作者漆原友紀のコミック「水域」
を読んだ。読み応えたっぷりの上下2巻だ。漆原の絵はそれほどうまさ
は感じないのだが、独特のタッチでその叙情的な作風に良くマッチして
いる。味わい深く、特に風景の描写がいい。
この物語の主人公千波は真夏のある日、学校のグラウンドで急に倒れ
意識を失う。その時に一瞬、冷たい水のある場所にいる自分を感じる。
彼女は、さらにその後、家でウトウトとするうちに、その場所を訪れる。
近くに住むおばあちゃんにその話をすると、思いがけない返事が返って
来て驚く千波。それは、夢なのかそれとも…。彼女はその後も幾度とな
くその村を訪れることになる。そして、澄夫という男の子とその父親と
出会うのだが…。
気持ちのいい川と大きな滝のあるそこはいったいどこなのか?彼らの
正体は?物語は、おばあちゃんや母親の話をからめながら夢の村へと近
づいていく。作者は、彼女たちの回想と千波の夢、現実の世界の出来事
をうまく絡めながら話を進めていく。このあたりの構成が漆原友紀はな
かなか巧い。長い年月の中で失われていったその場所のこと、そこで生
まれ死んでいった人々、伝説の龍神と謎の玉、ラストで描かれる三つの
世代に渡り受け継がれていく「水域」への思いは感動的でさえある。幾
度となく読み返したくなる傑作コミックだ。
2016/02/23 21:47
大変良いお話でした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒケシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
実は私のいた村もダムで沈んでいるので、随分様子が違うなあとは思いましたが、故郷に対する思いがしみじみと伝わってきて、いい話だなあと思いました。
ただ、話の中で疑問があるのは、澄夫くんの遺体です。最後に出てくるのかと思ったらそうでもなかった。
後、千波ちゃんもなにか悪い病気を抱えていて、意識を失ってしまうのかと思ったらそうでもなかった。そこが少ししっくりこなかったかな。