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BECK(34)
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BECK Volume1 (KCDX)
2007/08/31 20:52
胸騒ぎの口もと
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
「もう14歳にして先は見えてしまった」という主人公、出席番号14番田中幸雄くん。彼が、ある男と出会い、歌を口ずさみ、ギターを手にして…。バンド結成、プロデビュー、挫折、ロックフェスでの集客合戦、地方のライブハウス回り、そして謎のギター存在。恋模様もあり。そして世界へ彼は。何年か前深夜アニメ化もされ。ビートクルセイダーズの歌う主題歌も好評を博した、あの「ゴリラーマン」のハロルド作石先生の月刊少年マガジン連載中の人気作品である。
ロックバンドを扱うマンガも、やっと一つのフォーマットを確立したと言えるだろう。これまで。恐らくは40年近く。ロックを正面から取り扱おうと、数々の力量あるマンガ家たちが試みてきた。リアルタイムで、「バンドをやってる友達」から薦められ、立ち読みしてはまったのが、「気分はグルービー」(佐藤正之先生:80年代中盤「週刊少年チャンピオン」)、それと前後して、「ラグタイムブルース」(石渡治先生:「週刊少年サンデー増刊)。ともに、バンドのメンバー同士の人間模様、そして「好きなことをやる:アマチュア」OR「生活をかける:プロ」という能力あるミュージシャンなら、少なくとも頭の片隅にはある問題に、しっかり向き合った名作だった。しかし。あたり前の話だが、マンガでは音は伝えられない。それぞれのマンガが全力を込めて挑んだのが演奏シーンであったのは想像に難くない。
「ダッシュ勝平」で人気作家の地位を確立した六田登先生も「その名もあがろう」(週刊少年サンデー)という作品でロックのマンガ化に、そのころ、真剣に取り組んでいた。登場する歌詞も今思うと、ブルーハーツの先駆けともいえる、よく練られた、エネルギッシュなものであった。そしてクライマックスのステージで主人公「あがろう」がふわふわと浮き上がっていくコマは今も思い出せる。無論「TOY」(上條淳士先生:週刊少年サンデー)も無視できないが…。いい意味であれはロックとは言いづらい。
しかし。実はここまで挙げた名作の中で。「マカロニほうれん荘」(鴨川つばめ先生:70年代後半「週刊少年チャンピオン」)以上にロックの「音」を感じさせるものはなかったといっていい。相当マイナーな海外の実在ミュージシャンが登場したり。クマ先生(50歳代の英語教師)が「机をステージに」、一月に一回は「狂熱のライブ」を繰り広げる、コマから聞こえてくる、あの「音」は空前絶後だった。
しかし、実際のロックどころか「パンク」もお亡くなりになってから久しい。
本作品において、ハロルド作石先生は、なかなか主人公幸雄に歌わせない。彼の最初の歌声は第1巻の終わり近く。というより最後から2番目のページ。それも後姿。月刊誌連載ということを考慮に入れるとものすごいタメだ。そして学園生活。地味なギター練習の日々。ギターそのものを守るための戦いなど、そして「ロマンス」を描きつつ。
読み違えてなければ、第5巻の中盤、ボーカルマイクのコマをめくった、次の見開きで初めて観客は彼の「歌声」を聞くことができる。過剰な記号化をへたそれまでのマンガの「口」ではない。そこに描かれているのは身体全体の筋肉としっかり繋がった「口もと」→「口」→「ページいっぱいの闇といくつかの灯」である。
無論、80年代以降の「ロッキングオン」をはじめとする、音楽雑誌のビジュアル化、ライブアーティスト写真の質の向上を無視はできない。しかし。マンガとしてこのコマを達成するために費やされた、ハロルド作石先生と先人たちの努力は物凄いものだったはずだ。
この勢いで是非「ゴリラーマン」の完全文庫化を。サウナで読みたいマンガNO.1です。「たとりつけば、いつも」
BECK Volume11 (KCDX)
2002/06/05 17:10
鳥肌もの
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こんばやし - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻は,全米ソロデビューを断った主人公コユキがBECK再結成を踏み切る…と言う内容。
この作者は見せ方がうまい。
映画的というか,セリフに頼らず,絵でその主人公等の心情を描いている。
サクと別れる時の雪の降るシーン・コユキがメンバーと再会するシーンなど,読んでいて思わず鳥肌が立ってしまった。
ちなみにこの作者は私の高校のOBだったりする。すごいOBがいたもんだ。
2020/04/21 20:54
最高の一作
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やな - この投稿者のレビュー一覧を見る
1巻を試しに読んでみたところ引き込まれて、
全巻セット買い。
夜を徹して読み込んでしまった。
ブルージャイアントほど、音楽が漫画の外には出てこないが
爽快感のある一作。