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55件
BILLY BAT
1949年、アメリカ。『スーパーマン』『ワンダーウーマン』と並ぶヒットシリーズ『ビリーバット』を描く日系人気漫画家ケヴィン・ヤマガタ。彼の前に、以前同じキャラクターを日本で見たという人物が現れる。ケヴィンは、真偽を確かめるため、戦争の傷癒えぬ日本へと向かう……!?
コウモリが歴史の深淵を照らし出す……縦横無尽のSF歴史大河!!
(ストーリー共同制作/長崎尚志)
BILLY BAT(20)<完>
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BILLY BAT 1 (モーニングKC)
2009/06/28 23:21
先入観からかもしれないが、「モーニング」らしい仕上がりになっているように見える
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンガ家が特定の出版社の専属のようになってしまって久しい。かつての手塚治虫のように、超大御所ともなればあちらの出版社の雑誌、こちらの出版社の本というように作品を発表することができたのだろうが、今ではそんなマンガ家は極めて少ないように思う。
そんな中であの浦沢直樹の作品が小学館の雑誌ではなく、講談社の雑誌に載ったのだ。最初その話を聞いた時には耳を疑った。連載開始の雑誌を本屋で見た時には、タッチを変えたマンガだったので、「それもありか」と思った。
だが、こうしてまとまって読んでみると、やはり浦沢直樹だ。浦沢直樹も、超大御所の仲間入りをしたんだなあ。
などと思いながら読み進めてみると、これまでの作品と多少異なっているようにも思えてきた。
「サンデー」と「マガジン」を取り出してみるまでもなく、小学館と講談社のマンガにはそれぞれ特徴というか雰囲気がある。小学館系は基本的に絵柄は大人しくきれいで、ストーリーも明朗なものが多いように思う。対して講談社系はタッチも多少荒々しくマンガと言うよりは劇画であり、ストーリーも波瀾万丈のものが多いように思う。
そして、これまでの浦沢作品はやはり小学館系につらなるところにあったと思う。
これに対して本作は、絵柄こそ『20世紀少年』や『MONSTER』と変わらないが、全体的に良くも悪くも荒々しさがみられる。ストーリーはまだ1巻だけなので何とも言えないが、それでも実際の出来事を組み込んだところなどはやはりこれまでと違っていると言ってもいいのではないだろうか。
講談社系の雑誌で描くことが先にあったのか、このような話だから小学館系より講談社系が良いと判断したのか、浦沢とストーリー共同制作の長崎の意図したところはわからないが、確かにこれなら「スピリッツ」や「オリジナル」よりは「モーニング」かなと思えてくるから不思議だ。
太平洋戦争後の社会的な事件である下山事件がカギになっているストーリーで、どこまで楽しませてくれるのか。期待をこめて星5つとしたい。
BILLY BAT 2 (モーニングKC)
2009/11/23 18:28
あまりの壮大過ぎて、どう理屈をつけていいのかわからない
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
その昔、石ノ森章太郎の『マンガ家入門』だったかで、雑誌連載の時には連載の1回ずつに見せ場がなくてはいけなくて、特に最後は続きを読ませたいという気持ちにさせるような終わり方をしなくてはならないというようなことを読んだように思う。そんなことをこの第2巻を読んで思い出してしまった。
以前からその傾向はあって、それが時に批判的にも言われているのだけれど、浦沢直樹の作品は基本的に雑誌連載をベースにしているので、1話ごとに見せ場や決めのコマなどがある。それが大きな物語全体として伏線になったり、サイドストーリーになったりするのだから、そのような物語を作り出し描くことができる浦沢直樹はやっぱりすごいと思う。
だけど、いくらなんでもこれはないでしょう。
1冊の中に、敢えて言えば4つも物語を詰め込んでしまっているのだ。
どこまで書くとネタバレになるのかわからないので、帯にある文章をそのままのせると、その4つの物語がある程度わかるだろうか。
六十年前、戦後最大の闇の中を跋扈し、
二千年前、救世主と信じられた男の運命を紡ぐ……。
そして五十年前のニューヨークでは、恋人たちに光をもたらす……。
はたして謎の漫画・ビリーバットの正体は!?
人類にとって、その存在の理由は!?
そうか、これだけ読むと4番目の物語が何かわからないか。
4番目は何と戦国時代なんだな、これが。
もちろん、浦沢マンガなので、これらはすべて伏線であるだろうとは思うけれど、どうやって収拾していくのか今から心配になってしまう。
まあ、そんな心配も杞憂なんでしょうけれど。
BILLY BAT 17 (モーニングKC)
2015/09/07 02:54
時代はどこまでつながる
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:団長 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類史上数々の偶然とも言える幾つかの”定められた事件”によって、この世界は方向づけられてきた、歴史は必然的だったというのは、あながち虚説ではなく、全くもって在り得る話では...そんな思いを起こさせるのに充分なストーリーの”つながり”が今号でも続いています。時は14年前まで迫ってきて、もうすぐ現代に追いつく。その時何が起こるのかというラストシーンに、大いに期待してしまう展開になっています。