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プラネテス(4)
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プラネテス 1 (モーニングKC)
2004/12/23 23:06
身近になってきた宇宙空間
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今、宇宙を身近にとらえるSF作品が増えてきたと思う。これまでは「宇宙に行く」という行為は、「不可能に挑戦する」と同義であった。もしくはファンタジーとして描かれていた。宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999を思い出してくれればまさにファンタジーだし、ハインラインや「星を継ぐもの」のジェームス・P・ホーガンら古典SFでは資本主義と科学技術の進歩が宗教のように盲目的に信仰されていた「あの拡大する感覚」いいかえれば、原子力を背負って戦闘する鉄腕アトムのようなパラダイス的な楽観主義だったと思う。
しかし、昨今のサブカルチャーに登場している作品は、ちょっとテイストが違う。例えば、NHKでアニメ化された幸村誠さん「プラネテス」や太田垣康男さん「ムーンライトマイル」は、近未来が舞台であり、現在の僕達の日常感覚の延長線上に作品世界と宇宙を描いている。その他マンガでは柳沼行「ふたつのスピカ」、小説では小川一水「第六大陸」なんかを思い出します。そこでは、科学が宗教のように信じられていないし、アストロノーツもやはり等身大の職業の一つであり、あいかわらず世界は戦争や競争に明け暮れている。そう現代世界そのままなんです。そういう意味では、サブカルチャーにこうした等身大のアストロノーツモノが出てくること自体が、一般的に宇宙が近くなっている(逆に遠くなってるのか?)証左なのでしょう。
この作品は、宇宙という舞台を通して、「働くこととは」「遠くに行くこととは」というような等身大かつ哲学的な問いを、うまくエンターテイメントとしてまとめています。個人的には、作中にも出てくるが宮沢賢治のテイストに非常に近い。僕はこの作品を読むと、無性に宮沢賢治が読みたくなるんです。
プラネテス 4 (モーニングKC)
2023/12/03 16:36
脇役のいない物語でした
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハチマキが自分の宇宙船を手に入れるために、トップのクルーを目指して、木星まで旅をするという物語が真ん中にあると思うのですが、それ以外にも同じ乗組員や家族など周りの人たちの物語もしっかり描かれていて、この物語は脇役となる人はいないんじゃないかなぁと思わせてくれました。
特にフィーの叔父さんの話はなんだか読んでいて辛い気持ちになりました。大なり小なり馴染めないで生きている人はいるわけで、何をもってしてメジャーマイナーと決めつけるのか…。
この話だけでもたくさん展開できそうな気がしますが、全4巻とコンパクトにまとまっていて、読み返すと新しい発見がある作品だと思います。
プラネテス 1 (モーニングKC)
2023/10/08 19:27
舞台は宇宙でありながらも遠くない話
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みー - この投稿者のレビュー一覧を見る
今はまだ遥か彼方に思える宇宙で働く人々を描くSFストーリーですが、そこにあるのは途方もない世界ではなく、今を生きる人とも繋がっているような悩みであったり、苦労であったり、笑顔であったりと、予備知識などなくとも存分に楽しめる作品です。
圧倒的な画力で衛星や宇宙船、月面世界が描かれていて、見たことのない世界なはずなのに設定にリアリティがあって、違和感なく読むことができます。
キャラクターもとっても魅力的で、掛け合いがいいテンポです。時がたって何度も読み直したくなる作品です。