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魔法使いの弟子 完結
著者 石ノ森章太郎(著)
ある世界に一人の老魔法使いがいた。その魔法使いには三人の弟子がおり、卒業の日を迎えていた。その日に引退表明もした老魔法使いは、弟子達に其々一点、好きな物を与えると言った。天才少年カリ・ベンジャミンは、世界を素早く見回る為に「空飛ぶ船」。金持ち商人の娘ジョシンダ・イセイは、快楽を追求する為に「全てのクスリの処方箋」。しかし、他の弟子の倍以上も留年したナウマン・ボウは、特に欲しい物が無くて……!?
魔法使いの弟子(1)
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2019/02/23 22:50
石森の『魔法使いの弟子』は、今時の若者でした
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
1982年、雑誌『プレイコミック』に連載されたもの。
リアルタイムではないけれど、文庫本化(当時はマンガ文庫が流行っていて、文庫でいきなり刊行というのがあったのだ)された時には読んでいたはず。でも、ストーリーはすっかり忘れていたなあ。
「魔法使いの弟子」と言えばディズニーの名作アニメを思い出すし、石森が描くいているとなると当然ディズニーへのオマージュになるのかと思ったけれど、どうもそうではない。というか、まったく関係ない。ただ、主人公が魔法使いだというだけのことだ。
舞台はアトランティス大陸らしいが、1980年代の日本の世相をなぞったようなエピソードが次から次へと出て来るのが、この当時から以降の石森のよくやる手だったように思う。
そして、掲載雑誌の性格上、女性の裸などがたびたび出て来るのもまあやむを得ないか。
などと、いろいろと思い出したり、思い返したりすることはあったのだけれど、よくよく読んでいると、これは若者の自立の話のようにも思えた。
絵のタッチも70年代のいかにも劇画にシフトしましたといった頃のものから、少しマンガよりに戻ってきた、若い頃とはまた違った意味できれいなタッチになっていた頃だったのだなあ。