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5件
有賀リエ連作集 工場夜景
著者 有賀リエ(著)
工場地帯の近くに住む幼馴染の高校生、碧と貴臣。2人はお互い惹かれ合いつつも、ただなんとなく日々を過ごしていた。「高校最後の夏休み、2人きりで工場夜景を見に行こう――」そう約束して、始まるかに見えた恋。しかしその関係は、ある事件をきっかけに、抗えない運命に翻弄されていく…。車いすの男性との恋を描き、累計200万部を突破した大ヒット作『パーフェクトワールド』有賀リエが、不条理に満ちた世界で、それでも想い合う2人を描く社会派ラブストーリー第一弾。
有賀リエ連作集 工場夜景(1)
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工場夜景 有賀リエ連作集 (モーニング)
2022/09/03 15:40
恐怖を感じながら、夜道を息絶え絶え走った記憶が蘇る
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:masuky - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういった作品を、しかも青年誌であるモーニングで描いて下さったことにまずは感謝したい、そう思います。
舞台は工場城下町の地方都市。この町の人々は、その工場と関連した仕事をされている人がほとんど。この作品ではそういった町が持つ空気を、うまく表現しています。
そんな町で事件が起これば、噂はそれはもうあっという間に広がります。
この作品では、レイプ被害に遭った人はたまたま身近に専門知識のある方がいたおかげで犯人を逮捕できましたが……現実は、特に日本ではそのハードルはかなり高い。
しかも、会社で重用されている人物の気を損ねたりすると影響範囲があまりに大きいため、例えば二人きりになるような場面も、応じざるを得ないのです。
閉鎖的な町の中で、犯罪被害者と犯罪加害者の子供が、何を言われるか。想像に難くないがそれでも辛い。
子供たちはしなくてもよい辛い思いをたくさんしています。
心無いセカンドレイプ。それがどれだけ被害者や周りの人を傷つけているか。
言わないのは当然として、周りの人たちの発言を、自分が制止する、咎める知識をつける、そういった勇気をもっていきたい。そう思います。
連載中から一話一話、胸が締め付けられる思いで読んでいました。
たくさんの方に読まれてほしい、そう思いました。
工場夜景 有賀リエ連作集 (モーニング)
2022/08/14 22:01
親と子は違う
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちゃんおつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
親と子は違うものたが、人は気になってしまうもの。
日本は2世、コネとかあるらしいが、アメリカはないらしい。
本当だろうか??
でも、本当にそうで、親が良いからといって子も良いとは限らない。親が悪いからといって、子も悪いとは限らない。
人間という、生き物の性質が見えている。
人間は、悲しい生き物だな
工場夜景 有賀リエ連作集 (モーニング)
2022/09/10 08:25
工1
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うーよー - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきに「以前から心にあったテーマを形にした」とあった。作者にとってこの作品のテーマは何だったのだろう。
性犯罪の抑止?性犯罪は、被害者と被害者加害者双方の家族の心と生活を壊す。この罪の重さは犯罪予備軍には響くかもしれない。
でもそんな直接的な事ではなく、心にあったデーマの原型と、それが生まれた背景を知りたいと思った。「パーフェクトワールド」しかり、有賀さんが描く作品には問題提起がある。問題を提起するに至る根本的な心の有様がとても知りたい。
工場夜景の美しさ、それは壁が無くありのままの姿だから。…秀逸だ。