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番長惑星 完結
著者 石ノ森章太郎(著)
等々力リュウは、ケンカでは負け知らず。だが、余りにも多勢に無勢の状況に追い込まれ、身を隠すことに。逃げ込んだ稲荷の大木の穴に隠れようとするが、思いのほか深かった。慌てて這い上がったリュウだったが、外の様子がおかしい。落ちた時は昼だったのに、這い上がってみると夜になっていた。違和感を覚えながらも、取り敢えず家路に着くリュウ。だが、その途上で警察官が酔っ払いを射殺する現場を目撃してしまい……!?
番長惑星(1)
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電子書籍【期間限定 無料】番長惑星(1)
2017/02/19 22:54
「リュウの3部作」現代編のはじまり、はじまり
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
1975年に雑誌『週刊少年チャンピオン』に掲載されたSF作品。
70年代の石森を代表する「リュウの3部作」と呼ばれている3作品の最終作(?)に位置づけられることになるのだろう。なので、もちろんリュウという名の特異な能力を持つ少年が主人公であるという点では共通しているのだが、今回改めて読んでみて(まだ最後まで読んではいないが)それ以外に何をもって「3部作」と名付けているのか、少々疑問を持ってしまった。
『リュウの道』では地球・人類の未来を、『原始少年リュウ』では太古の地球・人類と特殊種族の文明とのことを、そしてこの『番長惑星』では現代を描いているという点では、過去・現在・未来を見据えて人間の姿を描こうとしていると思えなくもない。しかしこの『番長惑星』は、現代と言ってもパラレル・ワールドを舞台にしているので少し趣が違うようにも見える。これは現代と言いながら、現代ではない異質な世界としか言いようがない。ロボットが闊歩していたり、姿かたちの異なる犬がいたり、何より殺人が合法化されていたり、これはどうみても現に私たちが生きている現代(これが描かれた70年代の日本)とは言えないだろう。まあ、作品中にも両方の世界が「そういわれると……そんなようなもんだって気もするが……」(p.44)と似ているような言い方をしているので、実際の世界をデフォルメしたものということでパラレル・ワールドを描こうとしたのかもしれないが。
さらに、時代の流れもあったのだろうが、いわゆる長編マンガとは言え、雑誌連載中はエピソディックにまとめられており、物語全体がどこへ向かっていくのか今ひとつわかりにくいところがある。特にこの第1巻ではパラレル・ワールドの世界を描こうとしたためか、エピソードごとの前後のつながりが薄いようにも思えた。
こうしたことを石森自身も自覚していたのだろうか。だからタイトルに「リュウ」と入れなかったのだろうか。