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53件
先生の白い嘘
著者 鳥飼茜(著)
「このマンガがすごい! オンナ編」2014に第9位を獲得した、注目作家鳥飼茜の青年誌最新作、登場! 原美鈴は24歳の高校教師。生徒を教師の高みから観察する平穏な毎日は、友人・美奈子の婚約者、早藤の登場により揺らぎ始める。二人の間に、いったい何があったのか?――男と女の間に横たわる性の不平等をえぐる問題作、登場!
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2025年5月6日】先生の白い嘘(1)
閲覧期限:2025/05/06 23:59
先生の白い嘘(8)
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2018/12/02 18:04
感情の渦を巻き起こす ネタバレ有
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
萩尾望都さんが作品紹介文で「暴力的なのに品が良い」と称していましたが、
まさにそういった印象を受けます。
どう感じるかはともかく、受け手の内部を抉ってくる。
静かなシーンでも、鬼気迫るものを感じる頁が多々。
レビューを見ても賛否が分かれておりますが、
個人的にこの作品は賛否分かれてこそだと思います。良し悪しではなく、強いので。
主人公がずっと否定的に捉えていた、暴力的でグロテスクな「性」に対して、
「その性によって生まれてきた自分達の生を素敵なものと思えるように」肯定し始めるのは、
個人的にはとても良かったです。
あくまで主人公にとっての答えでしかなく、人の数だけ解釈できるものでしょうし、
必ず肯定する必要がある訳でもないんですが、
この漫画のストーリーとして、放り投げるのではなく(主人公なりの)結論を出して読者に見せた事がとても素晴らしい。
暴力的で強い作品なので、(正しい間違ってるは別として)落としどころを見つけないと読者をサンドバッグにするだけで終わりになってしまうんですよね。
昨今はセンセーショナルでグロテスクな作品が多いけれど、読者を好き放題にただ殴って終了だとどこか薄っぺらく感じるんです。
鳥飼さんは「おやすみプンプン」の浅野いにおさんとご結婚されたそうで、
それによる化学反応が今後の作品でみられるのではないかと。楽しみです。
2018/05/29 18:09
それぞれの救い。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うさぎ庵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
それぞれの登場人物が、最後には皆それなりに救われていて、ほっとしました。特に、初めは「自己中で軽薄だな」と思っていた、和田島や美奈子が見せた度量の深さに感じ入りました。実際、周囲にもこういったタイプの人はいますが、自分は気が合わないし、作品中ほど言動や印象が変わることもないだろうとは思いますが、もしかしたらこういうタイプの人も、実際に付き合ってみたり状況によってはいろいろな面が見えてくるのかも知れない、と思わされました。
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2024年7月25日】先生の白い嘘(2)
2024/07/25 06:24
辛いのは、作品ではなく、これが現実だということ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:本が好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
2巻もショッキングというか不快感を持たせるシーンが続く。しかしもっと不快なのは、漫画用に凝縮されているとはいえ、これは現実だということ。巻末の萩尾望都の後書きを是非読んで欲しい。
状況や行動が間違っていると認知していても、何がどう間違っているか、またはどうして間違いを正せないかわからないことがあるという話は身につまされる。当事者にしか感じられない圧力なりしがらみなり目に見えない権力に吸い取らていく流れは、読んでいて辛い。
ストーリーだけでなく、台詞もよく練られていると思う。なかでも、下ネタ系恋バナで、話について来れているかとの問いに対し、純粋無垢を装うミサカナに「ん、多分」と言わせるのは絶妙。本当の奥手なら、大人ぶって言い返すなり、本当はわからないと白状するなり、別の反応があるはずだ。同性をも騙すあざとさだ。