バンパイラ 完結
著者 石ノ森章太郎(著)
東ヨーロッパにあるカルパチア山脈。そのうちの一つ、ガルシュ山。その山頂に「ドラキュラ城」は無気味に聳えていた。しかし、寄る年波と相次ぐ“正常”人種との闘争に疲れたドラキュラ伯爵は、一族の滅亡を恐れていた。その為、伯爵は自分の娘や息子達による“新しい血族”拡張作戦を開始する事にした。そして、子供達は世界各地に旅立ち、娘の一人・パイラは日本に降り立った。果たして、伯爵の思惑通りに事は運ぶのか……!?
バンパイラ(1)
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2019/03/16 18:06
パイラは可愛いのだけれど、何となく中途半端な大人のギャグマンガ
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑誌『プレイコミック』に連載された1975年の作品。
吸血鬼の娘が、吸血鬼の血を絶やさぬように子どもを宿すために男を巡っていくというのが当初の話だったようだ。
石ノ森の別の作品『009ノ1』に関係した石ノ森自身の文章に、青年マンガの初めとして『佐武と市』『9ノ1』とこの『バンパイラ』の3作品を描き、それぞれのテーマとしてこの『バンパイラ』はオトナのギャグマンガといった位置づけだったということが書かれていた。
確かにPart9まではギャグマンガの雰囲気が強い。様々な男性のセックスをメインとしたあり方を描いて、パイラはあっちへ行きこっちへ行きという話になっている。ところがPart10から様子が違ってくる。根来なる刑事が登場し、ホモの狼男も登場して、パイラとの3人の駆け引きというか、もっとセックス主体の話になってしまっている。
石森の描きたいものが変わったのか、よくある話として人気がないので路線変更を迫られたのかわからないけれども、話の雰囲気が変わることによって一貫性に欠けるところが出てきたのは残念だ。純粋にオトナのギャグマンガで迫っても良かったのではないか。