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63件
とりぱん
著者 とりのなん子(著)
少し変わってて、少しクールで、割と背が高い、北の町に住んでるイトコからの手紙――そんなような漫画です。東北の某ベッドタウン在住の作者(30代・独身・女)が、野鳥、ネコ、風物、方言、地元料理など“日常”のすべてをネタに綴る「身の丈ワイルドライフ」。読む者の自然観をへにゃりと揺るがすモーニングの人気連載作。かわぐちかいじ・さだやす圭、両審査員が激賞した第17回MANGA OPEN大賞作品も完全収録!
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とりぱん(34)
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とりぱん 1 (ワイドKCモーニング)
2006/08/15 21:56
早く2巻を!
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:胡柚子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ビーケーワンの100冊・2006」で、本書のことをはじめて知りました。なるほど、面白い!これは掘り出し物でした。
野鳥たちの面白い行動や、やけに人間っぽい生態に、どんどんひきこまれます。人間が思ってるよりずっと利口だったり、オマヌケだったり。猫や羊やヤギまで登場し、ページをめくるたび笑えます。
作者ご自身はのんびりマイペース型みたいに描かれてますが、なかなかどうして、実にしっかり観察してるなぁと感心しました。
野鳥好きはもちろん、鳥はみな同じに見えてしまう私のような「鳥オンチ」でも、おもいきり楽しめるコミックでした。
2巻が待ち遠しいです。
とりぱん 11 (ワイドKCモーニング)
2011/06/26 00:19
「あの日」のこと
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
「野鳥・家庭菜園・猫・方言から、わんこそばやカマキリや夕焼けやガスタンクまで、“日常”のすべてをネタに綴られる北東北ベッドタウン・身の丈ワイルドライフ!」(HPより)
いつもは、身の回りの(どうでもいいような)事をネタにしているが、「“日常”のすべてをネタに」しているからこそ、今回は、3/11の「あの日」の事も書かれている。
・・・というより書かない訳にはいかなかったのだろう。
印象に残ったのは、
「私には少しも壊れていない家があり、家族・友人も皆、無事で、ガスも水も食料も暖かな布団もある。
なのに怖い。
快適な文明生活なんて、うすっぺらい金魚鉢のようなものだと気付いてしまったことが怖い」
という部分。
大雪が降っただけで、東京の交通網がマヒするのだから、それよりスゴイ事が起きたら、どうなるかぐらい、想像できてもよかったのだが、そんな事は起きるわけないと、どこかで思い込んでいたのかもしれない。
東日本大震災が起きた後や、その後の計画停電で、いかに電気に頼りきった生活をしているのか、と思い知った。
その時、感じたのが「夜の暗さ」と「月の明るさ」(計画停電があった時のうち、1回は満月だったので)「機械の動く音のしない家の静けさ」だった。
作品中の言葉を借りれば「快適な文明生活」を築いたのではなく「別世界に閉じこもった」だけなのかもしれない。
作者は、それでも日常を取り戻そうと自分の役割を務める人々を見て、自分もまた「普通の日常」を描いていこう、と決心する。それが自分の「役割」だから。
今回は「あの日」の事が描かれていたので、そこのみの感想を書いてしまったので、深刻な話ばかりの印象を与えてしまったかもしれないが、実は震災の話は、ごく一部のみ。
99%は、いつもの「とりぱん」である。
とりぱん 12 (ワイドKCモーニング)
2011/12/29 22:56
チビカモ性格診断
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の身の回りの事をマンガにしたコミックエッセイ。「身の丈ワイルドライフ」を標榜している。
とりのなん子ワールドは健在だが、合わない人には何が面白いかわからないだろう。
今回、印象に残ったのはカルガモ親子のエピソード。
個人的に鳥に興味を持つようになったきっかけがカルガモ親子の姿を見た事だったので、その話にはどうしても反応してしまう。
当初、ひたすら親の後をついて回っていたチビカモ達が2,3週間もすると、親そっちのけで、あちこち駆け回るようになり、親がグワグワ鳴きながらチビカモ達の後を追いかける、という光景を何度か目にした。
おそらく親はカルガモ語で「待ちなさい」と言っていたのだろう。
それでも比較的、親につきまとうチビカモや、すぐあさっての方向に行こうとするチビカモなどがいた。
作品中でもチビカモ達の性格の違いはありそう、とチビカモ達を観察するシーンがあり、当時の事を思い出した。
おそらく他の人でも似たような事を考えて、カルガモ親子を眺めるのだろう。
ところで、詳細は公開されていないが、作者は盛岡市在住。
11巻で大震災の日以降の事が描かれ、今回の12巻では、すっかり震災に関する事は息を潜めたように見えるが、一箇所だけ触れている部分があった。
「春先(3/11以降)二ヶ月ほどの記憶が薄い」そうだ。
やはり、まだ影を落としている。
影が完全になくなる事はないだろうが、それがいい方向に昇華されて欲しいと思う。