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攻殻機動隊
西暦2029年。通信ネットワークに覆われ、膨大な情報が世界を駆け巡っている超高度情報化社会。しかし国家や民族、そして犯罪は依然として存在していた。より複雑化していく犯罪に対抗すべく結成された特殊部隊……公安9課に所属するその組織の名は、『攻殻機動隊』! 1989年より「ヤングマガジン海賊版」に連載され、緻密な物語構成と卓越した画力、そして膨大な情報量で大ヒットとなった士郎正宗作品!! 電子版は、欄外の注を読みやすくまとめたデジタルならではの仕様で登場!
攻殻機動隊(2)MANMACHINE INTERFACE
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攻殻機動隊 1 (ヤングマガジンKCDX)
2006/02/14 13:58
日本アニメ電脳ものの始まり
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白かえる - この投稿者のレビュー一覧を見る
押井氏の映画ばかりが アニメーションや映画世界で評価されていて
もどかしいのだが この本がなければ何も始まらなかった
「ゴースト・イン・ザ・シェル」「イノセンス」も結局は此の本と続きである
「攻殻機動隊2」と「攻殻機動隊1・5」の助けがなくば あのような奥深い作品にはならなかったのに どうも「原作」本としての認識や評価が足りなくてファンとしては口惜しい限り
順番としたら攻殻機動隊を読み「ゴースト……」を観て攻殻機動隊2と攻殻機動隊1・5を読んで「イノ……」を観て最後にTVシリーズへ流れて欲しい
発刊された当時表紙の素子のイラストと背景 背表紙に使われたコンピューターの素材や 裏表紙のビスが生々しくて少佐の「乙女で猛獣な荒っぽい性格」を良く現わしていると思う
そして映画とは違った 素子とバトーのコンビの空気は とても漢らしいと感じる
トグサがしょっちゅう落ち込んでいるのが 若々しくて笑えた(でも、唯一の妻帯者……)
士郎正宗氏の作品中でも お勧めものの逸品
攻殻機動隊 1 (ヤングマガジンKCDX)
2005/04/10 23:54
踏みとどまる体制派
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
押井守監督作品「GHOST IN THE SHELL」の原作。押井守監督がジャパニメーションを世界に知らしめた作品として有名だが、それ以前に士郎正宗さんは、知る人ぞ知る有名な方。
マンガはアニメとは違ったテーマを追っているような気がする。士郎さんは『ドミニオン』なんか典型的だけど、『踊る大捜査線』『機動警察パトレイバー』と似てる。腐った世の中やりきれない管理社会の中で、馬鹿な反体制派になることもなく、正義面して流されたて汚職に手を染める体制派になるでもなく、ギリギリのところで正道を歩もうとする話が描かれている。この人の作品って警察官や公安と一貫して『体制派』の組織の人間を描いているんですよね。大体において、体制派=権力を使う悪者なんだけど、そこをギリギリ踏みとどまって正義の味方をやっちゃうところに、この人の作品のスカッとした部分があると思う。BSマンガ夜話で、岡田斗司夫さんの受け売りですが(笑)。あーそうそう!と思ったんです。
あと永野護『ファイブスター物語』と似て、欄外の膨大な説明がある。普通のマンガの文脈から言えば、欄外で説明するのは邪道だが、それが魅力をより一層高めている稀有な例。深すぎる世界観を何度も読んで散策するSF 好きの僕にはたまりません。
基本的僕は、何度も何度も読み返す『読み方』をします。同じくBSマンガ夜話言っていましたが、ビデオで何度も巻き戻すように、そのコマの意味や格闘技の複雑な動きをトレースしていると、「あっそーいうふうに繋がっているのかぁ!!」と感動する瞬間があります。
攻殻機動隊 2 (KCデラックス)
2004/03/14 23:58
未来予想図の描き方
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:羅美唖 - この投稿者のレビュー一覧を見る
未来とはどうなるのか。流れるようなデザインの車が宙を舞い、歩道は全自動、ロボットがあちらこちらで人間の為に働いており、レーザービームがビュンビュン飛び交う世界。
若干の偏見があったが、多くの大人たちが子どもの頃に描いていた夢のような世界とはこのようなものだったのではなかろうか。
しかし今は21世紀。昔、夢に描いていた世界には微塵も届かない。『21世紀になったらもう少しかっこいい世の中になるのでは』などと言う甘い世界は無残にも打破されてしまっている。
明るみになっていく政府や警察の不正、アナーキスト(無政府主義者)によるテロ、若年化傾向の青少年の犯罪、国家のいがみ合いによる戦争。
日の当たらない影の部分を見ると、こんなにも汚れている。すこしもかっこよくないではないか。
無論、日の光のあたる場所、表面側の発展も目まぐるしい。
携帯電話の普及、ネットの拡大、医療技術の進歩、等と例を挙げたらきりがないぐらいに数多くのものを生み出してきた。
だが、これらの技術は大人たちの描いていた未来予想図には、あまり繋がってはいない。現実に造られているものと空想の産物は、あまりにも似て否になるものばかりである。これは未来の描き方を間違えてきたからではないだろうか。
そうゆうことを考えさせられるのがこの『攻殻機動隊』。士郎正宗氏によって描かれる情報がすべてを握る2030年の世界。これは、行き過ぎた夢を描くのではなく現実的に未来を考えろ、と言っているようでやまない。この作品に出会ったことで、現実の厳しさを痛切に思い知らされた。そんな作品だ。是非とも前の1巻と共に読んでみて、夢の描き方を考え直してはいかがだろうか。