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四次元半 襖の下張り
著者 石ノ森章太郎(著)
漫画家・石森章太郎の元に、20数年前に行方不明になった友人・雨宮雄二から奇妙な手紙が届いた。そこには、かつて彼が下宿していた部屋の、襖の下張りを見てくれと書かれていた。指示通り旧家の屋敷を訪ねた石森は、四畳半の“きりの間”で、襖にびっしりと貼られた手記を発見する。雨宮が、あけるなと警告した襖を開けると…“そこ”は、異次元への入り口だった! 1978年に連載がスタートした石ノ森の青春SF決定版!!
四次元半 襖の下張り(5)
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2017/01/01 19:12
青年マンガ雑誌に載ったファンタジー
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
1978年に雑誌『プレイコミック』に掲載されたもの。
序章で石森/石ノ森自身とおぼしき人が登場するが、もちろん主人公ではない。主人公は石森の古い友人である(という設定らしい)雨宮雄二なる人物であり、その雨宮が1950年代に借りた部屋の襖の下張りにして隠した文章をなぞっていくというのがこのマンガの主題となっている。
襖の下張りにされていた原稿用紙に書かれていたのは、異次元世界のさまざまな出来事とそこに関わることになった主人公の姿であり、一種のファンタジーのようにも読める。
主人公の姿は石森自身の姿とも重なるように思える。石森/石ノ森はさまざまなジャンルのマンガを描いたが、きっと一番描きたかったのはファンタジーとしか言いようのないものだったのだろう。これまでにも色々なところでその心情が吐露されているが、このマンガもそうした心情を強く反映したもののように思える。
この第1巻には火竜の住む星(?)の人間たちの話、クローン人間だけが残った島の話、恐竜絶滅の話などが収められている。一つ一つの話はショート・ショートのようでもあり、これらの話と主人公が異次元世界という形でどう関わっていくのかが今後の展開になっていくわけだろう。
なんだか不思議な雰囲気を漂わせる、石森の自伝とも思えるマンガだ。