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青い春
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青い春 松本大洋短編集 (Big spirits comics special)
2003/05/28 23:04
松本大洋の原点はこの短編集にある
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:今野裕一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏が……。俺達の夏がよ……。終わらねぇんだ。
キャッチャーのカーブのサインに首を振ってエースはストレートを打たれた。それで甲子園行きはふいになった。高校野球の放送を聞きながらワンマンのエースとセンターとキャッチャーとサードは卓を囲んで延々と麻雀をし続けた。昼も夜も。甲子園の優勝校が決まる時まで。エースのパイを握る右手には包帯が巻かれている。エースは負けて手首を切ったのだ。
野球不良少年たちの夏。終われる役をあがるまでパイを引き続けるエース。
1973年、夏の甲子園、2回戦、延長12回の裏、雨の降りしきるなか作新学院の江川卓はマウンドに野手を集めた。1死満塁、カウント2ー3。ワンマンの江川がはじめてみんなに聞いた。何を投げる? 江川卓の投げたストレートは大きく外れ押し出しのサヨナラ負け。江川卓は夏はそこで終わる。
おそらく江川はそこで夏を終えることができたのだ。終わらなかったエースは呟く。
もし取り返しのつかない一球があるとして……それを取りかえす事が……
そう、取りかえすことは絶対にできないのだ。そんなことは分かっている。麻雀で取り返すことはできないのだ。
しかし、松本は取り返しのつかないはずの結論に……結論を書く。
『ピンポン』でペコがスマイルに勝つのは何故か。『夏でポン』のラストでそれが分かる気がする。
松本大洋は不良のヒーローを待望しているのだ。そして松本はそっとそれを見守っる男の子なのだ。松本大洋の青春ブルースは徹底して湘南している。
豊田利晃が俺しか映像化できないと豪語して撮った『しあわせなら手をたたこう』を含む『青い春』には松本大洋作品のエスキースに充ちている。多くの松本作品がこの短編集の作品をベースにしている。
2021/05/25 23:22
無為な青春
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
スポーツに汗を流すことなく、恋愛のトキメキもない男子たちの鬱屈が伝わってきます。命懸けのゲームを描く、「しあわせなら手をたたこう」に痺れました。
2018/05/05 22:59
実写映画を見て購入しました
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぐっさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画「青い春」を見て、非常に良い映画であったため、原作となる本作も購入いたしました。
映画とは方向性がだいぶ違うと感じましたが、非常に楽しめました。
原作である本作は短編集となっており、映画では短編の話をいくつか繋げて補完したような内容となっていました。
短編の一要素だけを映像化していた部分もあり、原作を読んで映画を見るとまた違った面白さがあると感じます。