- みんなの評価
27件
蒼穹のアリアドネ
著者 八木教広(著)
八木教広、最新作!皇女と騎士の冒険譚!
『エンジェル伝説』『CLAYMORE(クレイモア)』の
八木教広 が新たに紡ぐ――皇女と騎士のジュブナイルファンタジー!!
人里離れた地で暮らす少年ラシル。彼は
『天空の飛行都市』という夢のような存在へ
憧れを抱いていた。ある日、家近くの森で
少女レアナと出会う。彼女は宙に浮く
性質を持ち、機械兵集団に狙われていた。
彼女はアリアドネ皇国の皇女だと言い、
その国家こそ、天空の飛行都市であった…
少年と少女が出会い、夢を追い求める冒険が始まる!
未知なる世界を翔るジュブナイルファンタジー!!
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2025年5月8日】蒼穹のアリアドネ 1
閲覧期限:2025/05/08 23:59
蒼穹のアリアドネ 22
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蒼穹のアリアドネ 22 (少年サンデーコミックス)
2023/03/25 14:37
ミノアの二の舞
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
年老いた親代わりの男と二人の妹と暮していた少年は、実在が噂されていた飛行都市の皇女と出会い、旅立ちを決意した。
人里離れた山奥に隠れ住むラシルは、廃棄処分が決まった兵器であり、発見されれば、命の保証は無いのだが、それでも、アリアドネ皇国の姫君の騎士になる。
宙に浮くレアナは、ラシルより、少しだけ、生まれが早かった。
近々、結婚するレアナが、独身時代に遣り残した事は、地上への旅である。
それに反対する者が、姫を連れ戻すべく、追っ手を差し向けたのだが、それを、独りで、撃退したのがラシルであった。
ラシルを含めると、十一人の少年少女が、兵器としての力を保有したまま、施設から脱出し、命を狙われていた。
その子等は、絆が強く、家族の様に団結して、追っ手と戦う。
ラシルは、レアナと旅をしながら、逃走途中に離れ離れとなった仲間と再会する。
戦争は奇縁の揺籃だ。
ラシルを育てたジークの人生も、波乱万丈であり、英雄から虜囚へと立場が一変し、目下、消息不明である。
彼の身を案じるラシルであったが、手掛かりが見付からず、蒼穹の騎士の任を全うするより他に、ジークの救出に繋がる糸口を見出せてはいない。
本作では、様々な種族の、家族の有様が描かれる。
ラシルには、実の兄がいた。
兄も兵器であった。
彼は、弟や仲間を守り、奮戦する。
旅の途中で、ヒト以外の種族とも知り合い、時には、彼らと寝食を共にし、苦楽を分かち合ったラシルには、山中で待つ老翁と幼い姉妹がいる。
レアナにも両親がいる。
父と母は別居中だが、健在で、二人の世の中に対する影響力は、絶大だ。
レアナは原初の光を探す。
飛行都市の成り立ちには、この光が、深く関わっており、彼女の一家が抱える問題とも、この光は無関係ではない。
原初の光は、時の流れに、作用する。
レアナがいなければ、ラシルは死んでいた。
ラシルがいなければ、世界は滅ぶ。
二人は出会うべくして出会ったのだ。
蒼穹のアリアドネ 21 (少年サンデーコミックス)
2023/02/24 00:50
混線する時局
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリアドネ皇国の内紛が激化した。
王宮付近で、武力衝突が発生し、王族の身辺は慌しくなる。
国を守るべき七剣と呼ばれる実力者の一部が、職務を放棄して、敵に加担する。
アリアドネ皇国では、近衛とは別に、四人の騎士が、王家に仕えているのだが、蒼穹の騎士であるラシルの例からも明らかなように、騎士と近衛と七剣は、中々、協力関係を築けず、騎士同士の連携に関しても、定かではなく、政情不安が解消されない。
内憂外患とは、アリアドネ皇国の歴史を端的に表す言葉であり、汚名を返上する事のないまま、この国は滅ぶ。
アリアドネ以外の飛行都市においても、各地で不穏な動きがあり、何者かによる破壊活動が多発する。
世界の崩壊が差し迫る中、地上で、旅を続ける皇女レアナとその一行は、ヒト以外の十二の種族に見えて、彼女の親族による暴行と諒奪の痕跡の数々を目の当たりにした。
ある事件の被害者が別の事件の加害者になる事を、容認する者が一人でもいれば、平和は維持されない。
また、平和の構築を掲げた集団が、個人の権利を、不当に、制限する事も、許してはならない。
許した結果が、アリアドネ皇国の騒乱だと言っても、過言ではない。
身内として、多少なりとも、責任を感じているからであろうか、レアナは国を出た。
原初の光を見つける事が、何故、世界の崩壊を食い止め、アリアドネ皇国に安寧を齎す事に繋がるのかは不明である。
だが、彼女が考える根本的な解決策を、ラシルが知った時、この疑問は氷解するであろう。
この世には、歪な仕組みが内包されており、それを支える種族が、いくつも存在する。
ヒトは、何も知らなくても、生きられる。
何も知らされないまま、臨終を迎える。
人でなしは禁を犯した。
天変地異が打ち続いているのに、人々は従前通りの暮らしを営み、巷間では、終末論は聞かれない。
蒼穹のアリアドネ 20 (少年サンデーコミックス)
2023/01/26 00:00
山河無き戦後
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリアドネ皇国や他の飛行都市の成立過程には不明な点が多い。
各飛行都市間には人的な交流があるものの、戦闘状態にある都市や、現状が把握しきれない都市もあり、各都市と地上の国々との外交的な結び付きに関しても、公にされてはおらず、住んでいる地域を問わず、誰しも、各国の実情を掴むのは、困難だ。
原初の光を求めるレアナの旅は、各国、各都市の思惑に翻弄される、命懸けの情報収集の作業だ、と言い換え得る。
ヒトと、それ以外の十二の種族は、都市部で混住する事もあるが、種族毎に別々の地域で暮す場合が、圧倒的に、多く、余所者は、それぞれの種族の伝統や風習に基づき、排除されるのが、一般的だ。
殊に、原初の光を探る者が、縄張りに入って来たら、問答無用で、攻撃するのが常道だ。
光のエネルギーに関しても、飛行都市の歴史と同様に、その発見や応用、管理等の技術的、並びに科学史的な点において、一般人が知り得る内容には限度があり、複数の種族が連携して、部外者に機密を漏らさず、その知識を独占している疑いがある。
天変地異の収束には、その在処を突き止める必要があるとされる原初の光の探索に、レアナは希望を託した。
レアナや彼女に付き従ったアリアドネの民は、この異変が各地に長期的な影響を及ぼす、と考えており、精力的に地上での活動を続けているのだが、地上では、予想外の出来事が相次ぎ、負傷者が後を絶たない。
空中と地上、或いは、地上の各地点で、各々が離れた場所にいる筈なのに、同時に、身体の不調を訴える現象が頻出する。
光のエネルギーは不可思議だ。
物質の存在要件に干渉し、時の流れを、阻害する。
アリアドネ皇国と大帝バルバロスとの間には、国家や種族の壁を越えた軋轢と因縁があり、その解消には時間が掛かる。
地上に厄災を齎した大帝は、空でも、牙を剥く。