さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
「心を開くって、どうするんだっけ…」28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった──自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。pixiv閲覧数480万超の話題作、全頁改稿・描き下ろしで書籍化。
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さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
2016/07/16 17:29
内的葛藤を赤裸々に描く
28人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平良 進 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題に期待して買う方はどういう人物かわからないけれど、この本は深い魂の発露の書である。私も心迫るものを感じた。著者は女性らしく禿を気にしていたり女らしいとされている格好をしないで生きていたりということを気に掛ける。かつてアダルトチルドレンとかいうコトバが流行ったが、いくらか通じるところもあるのかもしれない。
さりとて私は自分がそうでもなく筆者のようでもないことから、筆者のことをどれだけ理解しているだろうと思う。でもストレート趣味で極めて平凡な性的嗜好を持っている私でも自意識のどこかで「セックスしてくれるお母さん」を求めていないといえるだろうか?故あって短い結婚生活だった私には世間で数多くの、配偶者を持っている同性が羨ましいことがしばしばある。むろん離婚が増えセックスレスの時代であるとしても。
私はある縁でキリスト教とかかわりがある。しかし仏教はいざ知らず(仏教でもいけないかもしれないが)、大半のキリスト教派の教義を見るとこの著者の試みた自己解放の試みなどは「不品行」の一語で片付けられるかもしくは「病気」になってしまう。私は個人的にはそうは思わない。日本基督教団には同性愛の牧師が少なくとも今二人いる。就任にあたってはもちろん大激論になったが、実名と顔写真をあげて教団機関誌に載せたのは度量のあることだ。
こういう本が出版できることが民主主義の社会なのだと思う。今、放送人などに対して野田聖子大臣など政権政党から圧力がかかるなどしている。あってはならないことである。NHKも皆様の受信料で運営しているとか言いながら自民党に擦り寄った露骨な放送に傾いてしまう。
これを書く私はコミックの著者の年齢とははなはだ遠い。しかし現実の冷たさにめげないでこれからも続作を描いていただきたい。
さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
2016/08/23 03:51
「ふつう」の意味
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「普通の生活」ひとつとっても誰一人として根本的に同じものを挙げることは無い。
けれど、それほど多様であることは無視されている。
なぜって、皆自分が思う「ふつう」こそ、個々にとって最も普通なのだから。
広告がよく出てたのでたので、やはりタイトルの方が目立っていたのですが、
知れば知るほど違いました。
「さびしすぎて」というところが一番物語っています。
アダルトチルドレンといえばひとくくりですが、私には親もそんなに酷くはみえませんでした。
むしろ彼女のような人は、親もやはり真面目な人が多いので
親なりに接し方に迷いや戸惑いが見えます。
近年、確実に増えているタイプというのもこの作品のヒットポイントですよね。
例えば彼女がなんだかんだ気にしてきた性的経験値の低さ。
この方は若い方ですが、処女の平均年齢は上がってきているので、
共感する人も増えた時代になったと思います。
それに、処女/非処女をどうこういうのは時代遅れ感がスゴイですしね。
というわけで、男性と違って欲求に対して袋小路状態な現代女性の状況を、
レズ風俗の形を持って極端に描いているところが上手いと思ったくらいです。
「好きな男性芸能人がいない・アイドルが好きじゃない」「男性に惹かれない」
=レズとは限らないのも事実ですので、
消去法で志向を決めつけるのは注意ですよ、と思い当たる女性には伝えたいです。
(過半数は「それだけの情熱を傾けたい人に、まだ出会っていない」に当てはまるはずです)
いい子でいたいがために、自分らしい子供時代をやってこれなかったのかもしれないし、
身近な兄弟といった、小さな目標だとしても本気で切磋琢磨する相手が身近にいなかったのかもしれない。
彼女には、聞こえていなかったけれども、親だってあったかい言葉をかけていたかもしれない。
(「正社員じゃないんだから、家にお金入れなくてもいいんだよ」は親なりに
バイトと正規雇用の違いについて、他で恥をかかないようにと社会教育を兼ねた言葉だと思いました。
ホントの毒親なら、あらゆる理由をつけて通販もできないくらいにお金とってますよ…。
あまりの手放しの喜びっぷりと鬱から跳ね上がったテンションに、
生活・症状が前に戻るのではと不安になったのだと受けとれました。)
チクチクくる描き方が嫌味じゃなくて、リアルタイムでうまいです。
今回初めてPixivを知りましたが、面白くて、全く想定外の収穫にも感謝です。
作者さんには、かなり力を抜いて、自分を愛し抜いて欲しいです。
さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
2016/08/17 19:48
生きる力
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネットで話題になっていて、そこで初めてこの作品を知りました。
作者の方の人生が見たくて購入。
きっと漫画にしてくださったから、読むことができた。こんなに複雑な気持ちを整理して、更に他人が読んで分かるようにするのは、大変だっただろうと思います。
生きる事に前向きになれる、私にとってそういう一冊です。