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機動旅団八福神
著者 著者:福島 聡
「僕はこれから、戦争に行く――」戦時下にある、架空の日本。国を占領され、家族を失い、友も、故郷も、自我も、平穏も、恋も、夢も。すべてを失った8名の少年少女兵士たちは、「福神(ふくじん)」と名付けられた戦闘兵器に乗り込み、戦場へと出撃する!! 『少年少女』で手塚治虫文化賞にノミネートされた実力派・福島聡が描き出す傑作シリーズ第一巻。ついに電子化!
機動旅団八福神 10巻
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機動旅団八福神 1巻 (Beam comix)
2005/01/27 11:45
この巻は登場人物の紹介にすぎないので、とりあえずの“期待”。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎が謎を呼び、更なる謎に翻弄され、ついには最後まで謎は解明されない。TV放映時の『エヴァンゲリオン』がそうだった。2002年頃から大人気となったライトノベルといわれるジャンルには、似たような内容の作品が多い。謎云々ではなく、努力してもなかなか報われることがないという、いわゆるダウナー系としてだ。
2004年の大晦日、気の置けない友人達と馬鹿話に興じながら年を越した。その際、年末に終了したアニメ『蒼穹のファフナー』が話題に上った。かなり乱暴に有り体に言ってしまえば、報われない努力を続ける少年少女達の物語だ。アニメやマンガに詳しい友人が脚本家が代わっただのなんだと話しながら、「二番煎じはもうたくさんだ。エヴァンゲリオン世代の多くの人は、映画でのアノ結末を見たことで、既に終わっているはずなんだ」とも言っていた。確かに、と頷けるものがあった。
前置きが長くなったが、本書の物語も謎だらけなのである。日本や中国やアメリカは互いに戦争に似た状況にあり、そんな中集められた少年兵達。“福神”とよばれる奇妙な兵器を駆使し、闘いに挑む。
物語開始早々既に戦時下なので、なぜそうした状況になったのかは分からない。しかもこの第1巻では、全エピソードが登場人物の紹介になっている。所々で大人達の思惑が顔を覗かせるものの、今後どういった展開を見せてくれるのかまったく予想できない。きっと登場人物が揃えば、物語は大きく動くのだろう。
二番煎じと言われようと何だろうと、中身がまだハッキリ見えないこの物語。どこまで淡々と進められるのか、どうやって盛り上げていくのか、期待はしていたい。