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20件
新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論
著者 小林よしのり
戦後60余年の見えざる呪縛の鎖を断ち切る解放の書か? それとも戦争の悪夢を喚び起こす禁断の一冊か? 戦争とは何か? 国家とは何か? そして「個」とは? 384ページの傑作超大作!
平和をサービスと思う個人/若者のためにスケールのデカイ日本の戦争の説明/東京裁判洗脳されっ子の個人主義/南の島に雪が降る/特攻精神/公から離脱した個は人でなない/承認された暴力、されない暴力/他国の軍との残虐度を比較する/反戦平和のニセ写真を見抜け/「証言」というもの/置き去りにされた祖父/痛快な戦争体験/自己犠牲の戦争体験と正義/クニを護るための物語/軍部にだまされていたのか?/個と公 ほか
新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論3
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新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 2
2002/12/01 20:58
日本人の精神とは
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hdk4 - この投稿者のレビュー一覧を見る
教育の荒廃が叫ばれて久しいが、この本を教育者の立場から読んでみると、これが実にたくさんの示唆を与えてくれる。まずは、「公」の精神。この心を日本人が再び大事にするときは果たしてくるのだろうか、とむなしさも覚えてしまうのだが。それと靖国問題。教育の現場ではタブーとなっているように感じるが、この問題の本質を考えることは正しい歴史認識をする上で大変重要なのである。
戦争論、ではあるが、現代世界と日本、現在の日本人の精神の貧困さが圧倒的な迫力をもって伝わってくる稀に見る漫画である。
しかし、小林よしのりが描く左翼政治家って感じでてるよな。
新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 3
2003/10/10 19:19
僕たちは,死ぬまで日本人なんだ。
9人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
(1)大東亜戦争(太平洋戦争)の世界史的意義は,
有色人種=日本人がアジアで初めて白人の諸帝国
とりわけ米英に対して,緒戦に限定されるとはいえ,
勝利し,民族自決の意識を喚起したことにある。
(2)米国の世界攻略=「自由」「民主」の欺瞞と
マインドコントロール。(3)戦時中の日本人は「私」を捨て
「公」に就いた。
といった第二巻に底流してたテーマに加え,
第三巻では(4)アメリカの対イラク戦争を支持した保守派のサヨク性,
や,(5)ネオコンとは「過激なサヨクである」
というテーマが流れているように思われる。
第9章はなんだか小林の筆になるものではないような気もするが
(タッチの異質な漫画だけがね),
相変わらずブラックなユーモアもありながら,前2巻に比べ,
ギャグ的な要素が恐ろしく減っている。
「本書『戦争論3』の製作段階の苦悩は
かつてないものだった」(あとがき)事情を推察するに足る事実だ。
私は,小林のように,(たとえば勤勉さの点で)
日本人を世界的に異質だというふうに捉える見方に
俄かには同意できない。最近の日本は,
高度成長期とは違ってはっきりと世界と共通要素を帯びている。
キャッチーな言い方でいえば,国際化している。つぎに,
彼のように英米を一枚岩的なイメージで捉えることに
強い抵抗を感じるが,一枚岩的でなければ,
あそこまで単純化はできなかっただろうし,
読者のためにも無用な混乱を省けなかっただろう。
しかし,有色人種と白人人種との対立という単純化は
浮き彫りにされる。海外で生活した経験があれば,
人種差別がどの国でも消滅していないことは
縷々述べるまでもないだろう。
漫画だから議論は錯綜しているが,それなりに
(敵情も含めて)よく勉強している点はじゅうぶん推察できる。
厚生省を叩いてサヨクに歓迎されたあと,
大東亜戦争肯定論をぶちあげて「転向」したとか言われているが,
欧米諸国の帝国史を描き出す件は,その攻撃性において
左翼に“先祖帰り”しているかのよう(注1)。
20世紀前半までの帝国主義を批判しながら,
なぜ西洋のクラシック音楽を愛(め)で,
欧米に習うこと(倣うこと?)を公言してきた
(大学院まで出た)知識人たちよりは,
福岡大学という三流大卒の漫画家のほうが,
現在に歴史を学ぶ意義を訴える切実性がストレートに感じられる。
「趣味は?」と聞かれて「語学!」などと答える
ナイーブな層まで含めて,英語大好き少年少女たちに勧める。
世界で日本を語るつもりがあるんだったら,
過去の日本人をめぐる議論を避けては通るな。
貴方たちは,死ぬまで日本人なんだ。
(注1) 冗談だぜ。(^^)/ 俺に言わせりゃ,小林は右翼でも左翼でもない。頑固ジジイなだけだ。頑固さが抜きん出ている点では,僕のような凡人の比ではない。
新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 2
2001/11/13 22:24
お薦めです!
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近の小林よしのりは少し思い上がっている。漫画家風情で政治に首を突っ込みすぎだ。だいたい歴史もよー知らんで小泉首相を批判するとはケシからん!と思って思いっきり批判してやるつもりで本書を買い、あらを探してやろうと読んでみると「ムムッ、小林先生、歴史をよく勉強していますね。脱帽です。」ということになった次第。ホント、結構良く勉強しているよ。でもさ、なんか戦前の日本、特に軍部が全部アメリカと蒋介石、チャーチルの陰謀でやむにやまれぬ戦争に踏み切るよう仕向けられたというのは、やっぱ無理があるよね。だってさ、やっぱあの当時は世界は白人が支配していたわけで、その支配階級とナシをつけずに彼らの利権を脅かせば、返り討ちにあうのはアタリマエなんだからさ。持てる国と持たざる国論を認めたら、ビンラディンの主張も認めざるを得なくなるが、それはやっぱ無理がある。後から来た成り上がりは、既得権を持つ有力者の了解と祝福を得たうえで初めて権益を拡大できるというのが国内国外を問わぬ人間社会の基本原則。それを受け入れなければ既得権を持っていたアングロサクソンに滅多打ちされても仕方ないよ。戦後の日本はこの反省を踏まえ、アングロサクソンと仲直りして今日の繁栄を築くことが出来た。小林よ、このあたりもちゃんと勉強せいや。それであんたも初めて一人前や。