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44件
バーナード嬢曰く。
著者 著者:施川 ユウキ
読むとなんだか読書欲が高まる“名著礼賛”ギャグ! 本を読まずに読んだコトにしたいグータラ読書家“バーナード嬢”と、読書好きな友人たちが図書室で過ごすブンガクな日々──。 『聖書』『平家物語』『銃・病原菌・鉄』『夏への扉』『舟を編む』『フェルマーの最終定理』……古今東西あらゆる本への愛と、「読書家あるある」に満ちた“名著礼賛”ギャグがここに誕生!!
バーナード嬢曰く。(7)
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バーナード嬢曰く。
2014/01/09 18:17
積読書家にささぐ
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:redbeni - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書家による読書家のための読書家たちの漫画
読書家のあるあるネタにあふれた一冊。
作者の施川ユウキは『がんばれ! 酢飯疑獄』『サナギさん』など、シュールギャグ漫画の名手。
かねてから彼のギャグセンスはかなり独特だなあと思っていたけれど、この作品に触れ、作者周りの情報を集めてみたら、職業作家が舌を巻くほどの読書家であることが判明した。彼がこれまでの作品で人の心理の核心を突きながら、ちょっとずらした笑いを提供できるのは、その圧倒的な読書量に支えられているのかもしれない。
作者がデビューしたての頃は、ひねりが効きすぎていて何が面白いのか説明に苦慮するようなネタが多かったが、作品を重ねるにつれて人が社会生活で共有するおかしみを重視した、いわゆる「あるあるネタ」を得意にしてゆく。
本作は、彼の磨き抜かれた「あるあるネタのセンス」を読書に関している。
本に触れる人なら、とくに読書を趣味にする人なら、「あるある(笑)」と笑えたり、少しドキッとしたりするかもしれない。
主人公の少女は「本を読むこと」にステータスを感じ、読書家ぶる普通の少女。
彼女の周りには、図書館に入り浸る主人公に好意を寄せる少年、その少年が好きだけど思いを言い出せない図書委員、やたらSFに詳しい少女など、書籍をテーマにする漫画として隙のないキャラクターが配置される。
登場する書籍はすべて実在の作品で、主人公たちはそれら実在の作品を狂言回しに読書に関するあるあるネタを繰り広げる。
作品は読書に関するあるあるネタに終始しているため、ファンになる人は限られると思う。
まったく読書をしない人には共感を得られないだろうし、碩学にはゆるすぎるだろう。
この漫画に含まれた笑いや毒は、私のような中途半端な読書家ほどよく効くに違いない。
バーナード嬢曰く。
2015/09/28 22:20
読むと2,30冊読破したっぽい雰囲気になる。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
見る人によっては「あるある」っていう人や、読書苦手な人は「こういうもんなんだ」っていう世界。
「説教されている気分になるところにカジュアルな態度で本と向き合う読書マンガがあっていい」と作者。
読書せずして読んだ雰囲気重視という主人公のスタイルは、読書家ならではの「上から目線」、時には「通」ぶりたい虚栄や本音を指摘しています。
で、最後に参考文献見たら、すげー勉強量なんですね。ホントに本が好きっていう熱意・愛情が伝わります。
バーナード嬢曰く。 5
2020/05/19 20:18
本の整理
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
「読書漫画」第5弾。
読書好きの仲間たちが、今回もたくさんの「読書あるある」を語らいます。「駅構内にある小さな本屋は、店は狭いが今話題の本なのかを限られたスペースに凝縮している感じがあって、これはこれで知見を深められる」「他にも読みたい本がたくさんあったから後回しにしている内に、読むタイミングを逃した」「読まなきゃいけない本が溜まっているのに、新たに読みたい本が増える現象」「ミステリ読んでて翻弄されまくったあげく、最終的に滅茶苦茶なオチで本を壁に叩きつけてしまった」等々。やはり読書は最高です。
本巻で最も共感したのは、本の整理についてです。「増えすぎた本を整理して処分しなければならない。でも明確に要らない本は1冊もない。中身を吟味しようと読み始めて夢中になってしまったり、途中で挫折した本も後から読もうと除外したりして、結局全く処分できない」という話。まさに私です。旬な季節が過ぎ去った本も多数あるのですが、本を開くと処分できなくなってしまう。そして積読本が増えていく…。本棚に入りきれなくなり、段ボールが増えていく…。でも、段ボールの中をじっと見つめる時間が至福の時間だったりするのです。