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思春期ルネサンス!ダビデ君
著者 黒木雄心(著者)
世界的美術作品な外見(ルックス)のダビデ君は、パンチラ1C(ワンチャン)あれば必死に狙うレベルで思春期こじらせ中の高校生! 悲しき性が災いし女神(アイドル)ヴィーナスさんへの恋は前途多難で!? かの巨匠(ミケランジェロ)も吃驚仰天!な思春期コメディ始まるよ!! (幻の投稿作・「メガトンパンチラー吉田」も収録!!)
思春期ルネサンス!ダビデ君 4
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思春期ルネサンス!ダビデ君 1 (ジャンプコミックス)
2019/01/05 16:51
ポストルネサンス
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダビデ像は裸である。
ダビデ君は高校の制服を着ている。
しかし、時々、裸になる。
ダビデ像の股間は開陳されているが、ダビデ君の一物は公にならない。
厳密に言うと、あるマークで性器が隠される。
小便小僧は裸である。
小便小僧くんも裸である。
そして、どちらも小水を放つ。
西洋美術や神話を題材にしたキャラクターが数多く登場する本作では、ヒロインのヌードが作中で描かれていても不思議ではないが、第一巻ではダビデ君の妄想の中においてのみ、ヒロインの愛欲の女神は裸にされるものの、現実的にダビデ君が目にするのは、海水浴での水着姿に止まる。
本作は、堅苦しい美術談義を、たとえ漫画であったとしても読みたくない人でも、第一巻を笑いながら読むだけで、ルネサンス期の精髄のごく一部を、手軽に身につけられる作品である。
また他の時期の美術品についても知る事が出来る。
イタリア語についても詳しくなれる。
ダビデ像に似た高校生の男子が抱える悩みの数は一つではなく、誰もが一度は経験する学校での失敗や家庭における問題、恋や友情についての懸案の、ギャグならではの解決策を査定しつつ、読者は他人事のように笑い飛ばせる。
思春期ルネサンス!ダビデ君 4 (ジャンプコミックス)
2019/07/05 17:31
ユマニストの系譜
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルネサンスは、イタリアでのみ生じた運動ではなく、北方の地においても、同様に活発に展開された。小便小僧くんは、ダビデ君の親友であり、フランドル地方の出身者である。
本作は、ダビデ君の思春期の克服が話の本筋であるが、実は、小便小僧くんの思春期の葛藤についても、随所で、採り上げられており、特に、最終巻である第四巻では、二人の友情と絆の強さが強調されると共に、小便小僧くんの心境の変化が描かれる。
友人が少なく、内気で、女の子に告白する勇気のない、大理石像のような高校生のダビデ君が、小便小僧くんの助力を得て、男女を問わず、多くの級友や在校生との仲を深めるのに成功し、皆と休日を過ごせるようになったのは、正しく、ルネサンスの成果である。
それでは、親友に対して、一方的に、肩入れしているように思われる小便小僧くんは、ルネサンスの恩恵に浴したのだろうか、との疑問を抱く読者が現れるかもしれないが、ダビデ君と小便小僧くんが出会った時点から、既に、両者のルネサンスは同時に始まっていたのだと、単行本を全巻読めば納得し、両者の成長した姿を確認して、胸が熱くなるであろう。
ダビデ君、小便小僧くん、ゴリアテ、ヴィーナスさん、モナさん、ラフミちゃん等の、主要な登場人物は、全員、ルネサンスの申し子であり、それ以外の人物の身の上にも、ルネサンスの影響が、多かれ少なかれ、現れる。
第三巻と第四巻には、書き下ろされた話が計三話、収録されており、本編では描かれてはいないゴリアテとラフミの奇妙な仲や、モナさんと小便小僧くんの腐れ縁、ダビデ君の将来等について、読者は具体的に知る事が出来る。
作中で重要なモチーフとなった美術品に関しては、本巻の末尾で、作者の寸評とともに、一括して展示されており、各作品が、単なる話の添え物ではなかった、と読者が分かる仕掛けが、その他の場所にも、施されている。
思春期ルネサンス!ダビデ君 3 (ジャンプコミックス)
2019/06/08 14:50
乙女の標本
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダビデ君が通うルブール高校には、美少女の生徒が二人いる。
女神のようなヴィーナスさんと貴婦人のようなモナさんだ。
ダビデ君はヴィーナスさんに惚れており、モナさんはダビデ君に心が惹かれている。
三人の間には三角関係が成立する。
ルブール高校の一年生であるラフミは才媛だが、ダビデ君のライバルであるゴリアテの舎弟であり、何かにつけてゴリアテと一緒にダビデ君に勝負を挑む。
しかし、ラフミは、ゴリアテに夢中である。
ルブール高校の女性教師の中には、自由の女神のようなマリアンヌ先生がいる。
彼女は、現役のルブール高校の男性教師である真実の口先生の元教え子であり、長年、恩師を慕っている。
ダビデ君の妹のレダちゃんは、白鳥のぬいぐるみのゼウスを、肌身離さず、持ち歩き、ゼウスを無くすと、性格が豹変する程に、そのぬいぐるみを気に入っているのだが、実はお兄ちゃんの事が大好きだ。
読者が恋の話を楽しむのに、西洋美術史に関する知識の有無やその量の多寡は、不問である。
東洋美術史の履修も不要だ。
ダビデ君は懐が深い。