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9件
公家侍秘録
著者 高瀬理恵
【京には秘められた武技があるーー公家の侍にして名刀を守る《刀守り》の時代活劇、ここに見参!】古より公家には、名物・名宝を愛でる心から《もの守り》をする者を置くと云われている――。時は江戸、かつては天皇のそば近くに仕えた名門・日野西も今や無役の貧乏公家…。心優しき当主・晴季と食いしん坊姫・薫子に仕えるは、見目麗しき公家侍の天野守武。だが守武には公家侍とは別に、日野西家に代々伝わる宝刀『粟田口久国』を守る《刀守り》の役目も仰せつかっていた。その家宝を狙い悪だくみを目論む武家が、薫子誘拐を企てていると知り――。そのほか、公家荒らしの魔の手が名刀『久国』に迫る「公家荒らし」、おてんば姫・薫子が妖しき茶会に誘われる「京の花闇」、守武そっくりの若宮に秘められた母子の愛「びんぶく」、友との再会と主従の憂う恋が咲く「古筆守り」、幼き日の守武に繋がる怪事件「幻術」を収録。
公家侍秘録(7)
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2022/07/16 12:07
時代考証がしっかりしている
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者の作品は皆、時代考証がしっかりとしていて細部までしっかりと描きこまれている。この巻には屏風がテーマの話もあるが、円山応挙の猫っぽいトラの屏風が出てきたのにはとても感心した。精密写生画で有名な応挙はトラを見たことがないので猫をスケッチして代用した という有名な話がこんなところで生きているとは思わなかった。
2022/07/15 08:52
連作短編集
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーの舞台は、江戸時代中期の京都 公家ざむらいが主人公 という珍しいものなのでそれだけでも興味を惹かれる。連作短編集であり次々と興味深いテーマを取り上げるせいか、第4巻になってもまだまだ飽きてこない。とは言うものの連作短編集ならば各巻に一話ぐらいずつは共通するテーマを取り上げて各巻の関連性を持たせるとよりいっそう面白くなると思う。粟田口久国 を繰り返し取り上げるのはどうだろうか?
2022/07/14 15:40
徳川中期の京都侍
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
徳川中期の京都侍という珍しいテーマを取り上げているせいか、作中で紹介される様々なトピックス 有職故実だけでも随分と面白い。姫様がギャグっぽい役割を果たしているが、過度にふざけたりもせず適度なところでとどまっているところもよい。ただこのまま巻を重ねてゆくとマンネリ気味になる。そこのところをどうするのだろうか?
絵柄も相変わらずしっかりしている。