江戸の検屍官
現代の捜査では常識ともいえる『検屍』 しかし江戸時代すでにこの考え方は実施されていた。当時、検屍のバイブルといわれた「無冤録述」という書物がある。これを片手にどんな死体であっても詳細に調べ、殺人の真相を語らせるという北町奉行所の天才同心 北沢彦太郎。検屍の技術では及ぶ者なく、好んで現場に出かけ、淡ーと死骸を調べる北沢を変わりものとそしるものも少なくはなかった。そんな北沢を助けるのは検屍と女が大好きな医者・玄海、そして女絵師お月。三人は玄海の見立てと、大きく損傷した死体から生前の顔姿を見通して似顔を描くお月の技量によって難事件を解決する腕利きチームだ。さて、今回は井戸の底で見つかった自殺とおぼしき死体が、このチームの検屍で意外な真実を語り始めた。井戸の死体の無念の声とは?北沢は真犯人をつきとめられるのか?江戸川乱歩賞受賞の川田弥一郎の小説を高瀬理恵が華麗な筆で描く。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2016/02/06 10:05
江戸の検屍官1
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「検死」ではなく「検屍」なんですね。
中国で成立した世界最古と言われる法医学書。それを日本で訳された書を元に屍の最後を探る検屍官。
「科学」と言う強い見方がある現代と違って、当時の見立はこうだったんだろうなぁ...ってのが描かれています。
読み応えのある作品です。
2012/02/10 21:34
江戸の凄艶さ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プチトマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸物としても秀逸。
「百日紅」や「江戸釣百景ぶらり百竿」ファンなら
細部にも手抜きのない考証の正確さには気付くはず。
それよりも評価したいのは推理物としての秀逸さ。
キャラクターが薄いコミック、小説が多い中、
人間の豪の深さや、歪んだ性的倒錯のリアルな描写は一読に値する。
業が結果として凄惨な被害者となり、
仕事熱心な定町廻り同心の主人公北沢の勤勉さはネクロフィリアと紙一重であり、
そこをからかう監察医玄海は房事マニア。
北沢を手伝う絵師お月は無惨絵嗜好。
リアルにはうぶで「男」には警戒感も興味もなかったのだろうが、
その分一気に目覚めた展開は読み手を悶えさせる。
数々の事件を解決できたのは、どうみてもお月の人相絵のおかげだから
お月が迫れば北沢は窮地に。
それが巻末の好対照な困惑顔と得意顔か。
早くどろどろの続きが読みたい。
2022/07/10 12:04
相変わらずできが良い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミックは目で見て感じることができるだけに、原作以上に登場人物の魅力に取りつかれやすい。ヒロインの魅力にすっかり参ってしまった。相変わらず推理ものとしてもできが良く読んでいてワクワクする。原作とはやや異なる点もあるが、それはそれでこちらの方もなかなか良い。
2022/07/10 11:53
素晴らしい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代を舞台とした作品の中でも出色の出来である。まず、推理モノとして本格推理小説に負けないぐらいストーリー展開が実に巧妙に組み立てられている。コミックは特に時代考証がいい加減な作品が多いなか、この作品は時代考証がしっかりしている。そして何より登場人物が見な魅力的である。ヒロインの「本気ですから」というセリフにはすっかりやられてしまった。
2018/06/10 14:08
最終巻です…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:syk - この投稿者のレビュー一覧を見る
北沢彦太郎の妻、お園が第二子を懐妊! 喜びに浮かれる彦太郎だが、検死した男の連れの娘、おいねをしばらく引き取ることに…。
行方不明のおいねの姉、お袖はいったい何処へ行ったのか? お園懐妊の報を受けたお月の心中や如何に…!?
時代劇と医療ミステリーを精緻な筆致で表現し続けた傑作、ここに完結!!
もっと続いて欲しい作品でした…。
でも巻数が少ないので、揃えるのにはちょうど良いかもしれません。
時代劇が好き、推理小説が好き、死体の状態説明を詳しく知りたい……そんな方々は、ぜひ一巻から一気読みしてみてください。
2019/02/02 15:35
検死
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
完全犯罪が出来る検死官。
と、とあるドラマで言っていたのを思い出しました。
見立てが間違えば本当の解決も遠退く重要な検死。
科学の力がない江戸の検死。
おもしろいですね。