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フイチン再見! 完結新着
著者 村上もとか
漫画家・上田としこ。1917年(大正六)生まれ、2008年(平成二〇)没。 これは、まだ誰も歩いたことがなかった「女流漫画家」という道を拓いた 一人の実在した「女」を主人公とした物語である。 上田としこという一人の素っ頓狂な少女が、 戦前の満州ハルピンの高く広い空に、想像の絵を思いうかべた時から、 日本の、女の、「漫画の歴史」ははじまったともいえる。 村上もとかが渾身の力を込めて描く、漫画の青い青い春。 待望の単行本第1集!
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2024年5月16日】フイチン再見! 1
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フイチン再見! 1
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電子書籍フイチン再見! 10
2020/10/14 21:43
昭和が終わる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
知っている漫画家さんたちがどんどん出てきて、いろんな方がなくなっていく。すばらしい戦後漫画史で、昭和史でした。作者さまに感謝。
2019/06/27 17:20
この痛みを我々は伝えていかなければいけない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうとうテレビアニメの時代になってきた。
自分が幼い頃から親しんできた、いまや大家のマンガ家達が次々登場する。
そして、駆け足で進んで、後半には、次々死んでゆく。
実在の人物に基づくマンガだから、しかたないけど、寂寥感に包まれる。
苦悩する時期の手塚治虫が言う。
「これから先、世の中の流行がどう変わろうと……たとえ殺されても、ひるがえせないボクの主義は……「戦争はご免だ!」ということです。」
それがあの時代を経験した漫画家としての務めだと言った手塚の言葉にとしこは
「この痛みを我々は伝えていかなければいけない」と思う。
このへんが10巻に及ぶこのマンガの芯だと思うのだけど、いつものように、さらりと流れる。
さいごまでさらりと行った作品だった。
その、さらりは、美点である。
若い読者は、このさらりに魅せられて、時代背景に興味を持ち、いろんな作品を読んでほしい。
そして、さらりではすまない、暗くて重くてやりきれない部分にもしっかり出合ってほしい。
この作品は、そこへ導く誘導灯になる。
電子書籍フイチン再見! 1
2021/02/16 08:25
激動の時代と漫画家たちの黎明
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:gonta - この投稿者のレビュー一覧を見る
フイチンさんという漫画を知らなかったのですが、戦前戦後をパワフルにかけた上田トシコさんの物語が本当に面白かった!
現在へとつながる漫画家たちも登場し、特に長谷川町子さんとの出会いのシーンは胸に迫る。
電子書籍フイチン再見! 9
2020/10/14 21:39
マネージメントできる人がいれば
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家もプロモートもスケジュール管理も全部一人ってのは辛い。誰か、信頼できて意見してくれる人がいれば、辛さも軽減できたんだろうなと。できれば、康子お姉さんみたいな人が。歳を取るって、結構残酷。でも、人はだれでも通る道。
電子書籍フイチン再見! 8
2020/10/14 21:35
フイチンさん
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
流産、そして新作マンガ。満洲からの引き揚げがいろんな方面に影を落とす。売れても、売れなくても芸術家は辛いのね。としこの強さも弱さも愛おしい。
電子書籍フイチン再見! 7
2020/10/14 21:31
小泉さん再登場!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
うれしいなあ。そして、わたなべまさこさん!!!子供のときに、わくわくさせていただきました。結婚生活は、まあ、そうなんだろうなという。悪い人じゃないけれど、九州男児って地雷な気がする(偏見)。
電子書籍フイチン再見! 6
2020/10/13 23:57
姉妹が強い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
とし子も強いけど、お姉さんも何気に強い。戦後の東京で2人で働いて家を買えるなんて、ちょっと今では考えられないな。
電子書籍フイチン再見! 5
2020/10/13 23:55
満洲からの帰国
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
無事に帰ってこれたとし子たち。父との別れはつらいけど、いろんな幸運のおかげでとにかく無事に帰ってこれた幸運。噛みしめて読んでいます。
電子書籍フイチン再見! 2
2020/10/08 11:38
戦争中の豊かさ
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
物質的に豊かなこともそうだけど、海外の文化に触れて自分の好きなことをやり続けられるだけの実家の豊かさ。以前、友達のお母さん(満洲育ちの)に聞いたけど、やっぱり会社お嬢さんたちは豊かな暮らしをしていたらしいから。
電子書籍フイチン再見! 1
2020/10/03 11:31
ずっと気になっていた
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画なので手に取りました。期待通り、おもしろかった。この作者の漫画は実は初めてなのですが、続きもまったり読みたいです。
2019/06/27 17:00
「自分らしく」する、というのは、しばしばわがままになる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分らしく生きる、自分を通す、というのは、弱小な存在である場合は、努力目標として、とてもいい。
けれど、年齢を重ね、地位も得て、立場が強くなってから「自分らしく」する、というのは、しばしばわがままになる。
上田としこにそういうふるまいが増えるのは、(本人の中にどれだけ葛藤があったとしても)残念。
ただ、作品に励まされる読者が多いということは、本質には弱者の立場に立って応援する姿勢があるということだ。
つまりは、人間関係の築き方がうまく出来るかどうか。
そういう意味で、この人は苦労してるね。
強い自分を保とうとするからかね。
時代はさらりと流されてゆくが、私たち世代が楽しんで読んだマンガ家達が「新人」「若手」として、次々に登場してくるのが楽しい。
2019/06/26 22:40
フイチンさん、ついに登場
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
フイチンさん、ついに登場。
やはりこれは、作者上田としこ本人がかなり投影されているか。
妊娠、そして流産という過程の中にも、「満洲」からの引き揚げの苛酷な体験が影を落とす。
体験の明るい面がフイチンさんに結晶したのかも知れない。
自分らしくありたい、と願うとしこ。
その思いが、マンガへの熱情につながりもし、周囲への傲慢にも見える態度にもつながる。
強く見えるとしこの、弱点であろう。
2019/06/26 22:09
世の中なんて……クソくらえ!
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年代に突入。
としこにも結婚という大きな転機が。
いい加減な男に見える健の、海への思いは、深くて暗い。
でも、それには触れるが、掘り下げはしない。
そこが惜しい。
小泉さん、再登場。
この人の強さもすごい。
「世の中なんて……クソくらえ!」
痛快である。
このあたりから、戦後マンガ史の流れが見えてきて、その面白さも出て来た。
2019/06/26 21:51
姉の康子の強さが際立ってきたね
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後復興期の東京。
戦後の歴史も、背景にちゃんと描かれてゆく。
フィクションのマンガには邪魔かも知れないけど、特に若い読者には絶対必要な説明だ。
GHQの関係機関で働くことになったとしこ。
なんという恵まれた職場。
ここの上役、ベイカー女子がすごい存在感。
としこと渡り合うところが面白い。
「日本人は戦争には負けたけど、人間として負けたわけじゃありません!
まして女は……なーんにも負けちゃあいない!!」というタンカはさすが。
このあたりから、としこの強さもだけど、姉の康子の強さが際立ってきたね。
2019/06/26 20:47
ほんの少しの幸運がなかったばかりに
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻では、敗戦後の大陸に取り残された棄民のありさまがよくわかる。
父との別れは本人にはとても大きいのだが、本人達の引き揚げは、苦難に満ちているが、描き方は、明るい。
いや、明るいなんて言えない状況が続くのだ。
でも、キャラとしてのとしこは明るい。
その明るさの根源は、としこが恵まれていること。
年齢もほどよい若さ、体格にも体力にも恵まれ、大人ばかりの家族。
ある程度の財力もある。
そしてなにより、幸運に恵まれている。
大きな時代の流れは不運だが、そのなかにある少しずつの幸運。
ほんの少しの幸運がなかったばかりに死んでいった人たちがどれだけ多いことか。
作者は、この巻では、そのあたりは丁寧に描いている。
チエちゃんのモチーフとなったと思われる、少女の写真、見たことがあります。