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脳を活かす仕事術
著者 茂木 健一郎 (著)
著者は、大学院時、最初の論文がなかなか書けなかった。また、大学院修了時には3月になっても就職先が決まっていなかった。挫折を乗り越えて、第一線の脳科学者になりえた仕事術を初...
脳を活かす仕事術
脳を活かす仕事術 「わかる」を「できる」に変える
商品説明
著者は、大学院時、最初の論文がなかなか書けなかった。また、大学院修了時には3月になっても就職先が決まっていなかった。挫折を乗り越えて、第一線の脳科学者になりえた仕事術を初公開! 著者は、実際に生でスポーツでも音楽でも見聞きすることで、脳の感覚系を鍛え、アウトプットを繰り返すことで脳の運動系を鍛えているのである。また、生命力を輝かせ、優れた仕事を行うための「自律性」と「自発性」は、意識や意欲を司る前頭葉が中心になって形づくられている。前頭葉を活性化させるための五つの行動についても明らかにする。 「わかってはいるのにできない」を実際の行動に変えて「できる!」に変える一冊!
著者紹介
茂木 健一郎 (著)
- 略歴
- 1962年東京生まれ。脳科学者。著書に「脳とクオリア」など多数。
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紙の本
生命の輝き
2008/10/20 19:21
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにごとも経験しないとわからないということはままある。未経験なことは情報という機能で埋めていくしかないのだが、その情報に偏りがあると間違った判断をしてしまう。会社を辞めて「無所属の時間」を生活するようになって、どうも最初の感覚との違和感を持つようになった。それは「無所属の時間」など人間にはありえないのではないかというものである。会社を辞めることはいい。しかし、それはあくまでも<会社>という組織から「無所属」になるだけであり、<会社>に変わる所属先を求めないと生きるという意味においてかなり淋しいものになってしまうということだ。人間は思った以上に関係性を希求する生物である。だから、仕事を辞めるということは、言葉を正確に使うならば、「会社という組織から無所属になって、新たに人もしくは組織と関係性を持つ(所属)こと」となる。そして、そのことは中途退職だけでなく定年時の円満退職であってもそうだということを想定しておかなければならない。よく趣味を持ちなさいということをいう人があるが、あれは趣味があれば新たな関係性を持ちやすいということだろう。それを理解することは、会社を辞めようかどうしようか迷っている人には重要な点である。
日本語に翻訳されにくい外国語というものがあるが、最近よく耳にする「キャリア」もそのひとつである。なんとなく「職歴・経歴」を意味する言葉として捉えがちであるが、あえてそれが外国語のままであるというのは、それをも含んだもう少し広い概念だということである。つまり「キャリア」というのは単に職業に関する言葉ではなく、「人生を構成する一連のできごと」を指す。だから、そこには報酬の有無は関係がない。そして、顕在潜在の差こそあれ、人には自分が目指したい「キャリア」があるものである。そうであるなら、「キャリア」こそ「自分自身」そのものかもしれない。
脳科学者茂木健一郎氏の『脳を活かす仕事術』で教えられることはたくさんある。脳科学の本であるというより、人生論的な側面が強い本だといえる。この本の中にこんな文章がある。「脳は何のために存在するのでしょうか。それは<生きる>ためです。(中略)<生きる>とは、仕事を含めて、自分の人生を通して<生命の輝き>を放つことなのです」(8頁)。もしかすると、「キャリア」というのは茂木氏のいう「生命の輝き」を構成するものともいえる。そして、茂木氏はその「生命の輝き」を放つための五つの行動について本書で解説しているのだが、その五つの行動とは、クリエイティビティ(創造性)をもっていること、セレンディピティ(偶然の幸福に出会う力)があること、オプティミスト(楽天家)であること、ダイナミックレンジ(情報の受信範囲)が広いこと、イノベーション(改革・革新)を忘れないこと、としている。それぞれの詳細をここに書くつもりはないが、本書に先立つ『脳を活かす勉強法』が現代版「知的生産の技術」であるなら、本書は現代版「幸福論」といえるかもしれない。
もし、会社を辞めることに意義があるとすれば、<会社>という組織から<無所属>になることで、惰性ではなく、本来自分が目指していた「キャリア」と向き合うことができるということかもしれない。案外に人は臆病であり、そのことすら億劫になる。そして、それは茂木氏のいう「生命の輝き」を自ら捨てることでもある。本書の最後で茂木氏はこう書いている。「それまで何の仕事をしてきたか。どんな行動をとってきたか。どれに成功して、何に失敗したかは関係ないのです。今、この瞬間から<変わる>ことができるのです」(212頁)。勇気をくれる一冊である。
紙の本
エッセイ集のようですね
2008/12/09 21:45
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきはじめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事術と言っても具体的なHOW・TO本ではなくてエッセイ集のようですね。仕事に向う心構えや考え方とそれにまつわる脳科学的分析が書かれています。
副題として刷られている「わかる」を「できる」に変えるというのは「インプット」を「アウトプット」につなげることを意味していて「感覚系」の知識・感情を「運動系」で行動・表現することのようです、と書くと何だか難しそうに聞こえますが本文では脳の特性との関係を踏まえてとてもわかり易く説明されていますので抵抗無く頭に入って来ます。
脳を「活かす」も「眠らす」もちょっとした「勇気」でしょうか。生理学的裏付けには何だか説得力があります。