電子書籍
よろずや平四郎活人剣(上)
著者 藤沢周平 (著)
神名(かんな)平四郎は、知行千石の旗本の子弟。しかし実質は、祝福されざる冷や飯食いで、妾腹の子である。思い屈して実家を出奔、友人たちと剣の腕を生かして道場を立ち上げようと...
よろずや平四郎活人剣(上)
よろずや平四郎活人剣(上)
よろずや平四郎活人剣 新装版 上 (文春文庫)
商品説明
神名(かんな)平四郎は、知行千石の旗本の子弟。しかし実質は、祝福されざる冷や飯食いで、妾腹の子である。思い屈して実家を出奔、友人たちと剣の腕を生かして道場を立ち上げようとするが、資金持ち逃げにあい、結局、裏店に棲みつく。暮らしに窮して、思案のあげく、やがて平四郎は奇妙な看板を掲げる。……喧嘩五十文、口論二十文、とりもどし物百文、よろずもめごと仲裁つかまつり候。世間知らずの平四郎の奇妙な商売、果たして依頼主はいるのだろうか?
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
武士がよろずもめごとを仲裁するほのぼのユーモア時代小説
2009/12/13 19:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
<あらすじ>
神名家の末弟で冷や飯食いの平四郎は、同じ道場通っている明石半太夫と北見十蔵たちと道場を始めることになった。
しかし、これから門下を集めて道場を開こうかという矢先、家族と共に移り住んでいた明石は、妻子ともども行方を眩ましてしまった。
持ち逃げされた五両を取り戻すべく明石を捜したがいっこうに見つからない。
まずは食べていくために平四郎は、仕事を思いついて北見に看板を書いてもらった。『よろずもめごと仲裁つかまつり候』
平四郎は裏店でさまざまなもめ事を仲裁し、手間料をとる仕事を始めた。
<感想>
全体的にほのぼのとした雰囲気とユーモアに包まれている。
各話ごとに起こるもめごとのほとんどが市井のもので、それを武士が仲裁を行うという異質な面白さと、平四郎の弁舌とはったり、楽天的な性格がほのぼのとした絶妙なおかしさを纏った雰囲気を作っている。
しかしほのぼのとしてユーモアがあるだけではなく、平四郎の気持ちの良い剣闘シーン、目付である兄・監物が関わる政争、平四郎が婿養子に入るはずだった塚原家の娘・早苗との再会、北見や金を持ち逃げした明石との交友など、各話を通した共通の話によって、安定した世界が作り込まれている。
また、作品を通して何かを伝えようという作者の押しつけがましい意図は感じられず、単純に読者に楽しんでもらおうというサービス精神が感じられ、気負いなく読めるのもうれしい。
ハッピーエンドで締めくくられる気持ちのいい作品。
紙の本
大好きな本です。
2019/04/21 17:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずいぶん前に読んだのですが、筋や雰囲気をころっと失念していて、今回久々に再読しました。
岡本さとるさんの『取次屋栄三』をちらりと思い出すストーリーですが、藤沢周平さんの美しい文章、ときにユーモアのある文章が、また素晴らしいです。
これから下巻にかかります、また楽しみです。