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大菩薩峠(15)
著者 中里介山 (著)
代官の妾を伴い近江・美濃の国境へ到った竜之助は、女の口舌をよそに宿をでた。時を同じく、関ヶ原を一人さまようお銀様は、お角に託された米友に追いつかれる。尺八の音に誘われて、...
大菩薩峠(15)
大菩薩峠 15 (ちくま文庫)
商品説明
代官の妾を伴い近江・美濃の国境へ到った竜之助は、女の口舌をよそに宿をでた。時を同じく、関ヶ原を一人さまようお銀様は、お角に託された米友に追いつかれる。尺八の音に誘われて、二人は竜之助との劇的な邂逅を果たす。不破の関で語りあううち、お銀様は熱っぽく「理想の国」建設を説きはじめる。一方、関ヶ原合戦の模擬戦を企てた道庵は雲助を率いて悦に入っている。絵師白雲は奥の細道をたどりつつ飄々の旅を。そして駒井は再び仙台湾へ……。「不破の関の巻」「白雲の巻」を収録。
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紙の本
お銀様と竜之助、再会。
2002/07/01 20:26
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実に久しぶりにお銀様と竜之助が再会する。お銀様は「理想の国」建設に情熱を燃やし、熱っぽく語る。彼女の考えは今日の視点で見ると現代的であり、興味深い。
この作品全体を貫いているテーマに、「悪女論」があると思う。大菩薩峠に登場する女性は今日から考えれば悪女でもなんでもなく、普通ならば、わざわざ女性だけを取り上げて、悪女云々するという考えすら浮かばないと思う。それは今日の女性が悪女ばかりなのではなく、昔の女性が抑圧されていたということだ。大菩薩峠の女性たち全てが正しいというわけではなくとも、皆おのれの意思で動き、自立していて、その様子は非常に生き生きしている。
女性男性に関係なく、大菩薩峠に類型的な人物はいない。登場人物に深みと魅力があるから、これだけ長い作品も成立しえたのだと思う。逆に、登場人物が生き生きとしすぎて一人歩きしてしまったのかもしれないが、読んでいて苦にならない。