自意識過剰な本好きのために
2001/08/04 00:40
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投稿者:きのした - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「自伝的大河小説」第二巻。一巻はこちら
本をたくさん読むことが、ある特権意識に結びつくことがある。「こんなにたくさんの本が好きな俺は、他のやつらとは違う、特別な存在なんだ」といったものだ。この本の主人公も、同じように考えている。彼が好きなのは、80年代のサブカルチャー。彼は教室では浮いた存在だが、彼はクラスメートたちを「くだらないバカ話ばっかりしやがって、この俗物どもめ」とか思っているのだ!
ぼくもそんなふうに思ってたことがある。だから、この本は、とっても気恥ずかしいのだ。自分は特別なんだから、自分は何か特別なことができるはずだ。でも本当に? 「おまえは自分が特別なんだと思っているけど、何のことはない、何もできないじゃないか」 そういわれてみると、それはわかっていたはずのことなのに、でもやはりショックを受けてしまう。
もちろん主人公も、今のままではだめだとか、自分たちは井の中の蛙だとか悟り、新しいことをいろいろとやろうとする。しかし、「やろうとする」気持ちだけが空回りして、なかなかうまくいかず、とてももどかしい。
シリーズ第二巻だが、彼のダメッぷりはさらに加速している。救いようはあるのか? 第三巻(たぶん完結編)に期待している。
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
マイナーな音楽と映画を偏愛して、自分を特別な存在だと思い込む男子高校生に共感できます。憧れのクラスメートに一歩先を行かれて、置いてきぼりを喰らってしまう展開がほろ苦いです。
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そしてチョコ、と続くわけです。
シリーズの中では一番面白いかも!
校内のアイドル的存在、美香子はグミ編で既に女優になる為に『つまらない人達』の塊である高校を退学!(しかも退学理由がヌードで雑誌に載ったからという。笑)
美香子もサブカルチャー、マニアックな映画や書物が好きな
内面は風変わりな女子高生で賢三と同じだった。『つまんない』。これが彼らの合い言葉のようなものでその『つまんない』世界から逸早く脱していったのは美香子。
チョコ編で一番好きなシーンは、学校を去っていく美香子を賢三が自転車で追い掛けていくシーン、そのあと美香子に追い付き美香子に『なんだ、賢三君私に告白しにきたのかと思ったのに!』(だっけかなぁ…;)って風な事をいうシーン。実際賢三は美香子に告白出来ずに終わるのだけど。
舞台になっているのは練馬なんですよ。オーケン自身練馬で学生していた人だからかな?って思います。ぶっちゃけ私、練馬区みんなのでこのシーンの情景は凄く鮮明に、リアルに浮かぶんです。豊島園のあたりの坂道とか。笑。
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この作品ではバンド活動に向けて動き始めた主人公を含む4人の掛け合いの合間に女優としてキャリアを積み始めたヒロインの物語が挟まれるという体裁を取っている。女優になったことにより注目を集めアイドルと付き合うというようになったヒロインによって映画マニアの主人公は銀幕の向こう側へ行った同級生に対して今まで同じ学生生活をしていた人間という事での焼け付くような焦燥感と羨望、嫉妬が混ざり、恋愛感情もあるゆえにのた打ち回ることになる。その中でバンド活動に希望を見出すも貢献できる部分が無いという現実で、主人公は壊れていくことになる
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これはグミ編の続編。どんどん泥沼へと落ちていく主人公。相反して世界が変わっていくことによって成長し続ける美甘子。その対比がいい。そしてケンゾー、君の明日はどっちだ!?
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「自分の中にはほかの人とは違う何かがあるにちがいない。それを試してみたい」という気持ちはきっとどんな青春にもつきものなんだろうなあと思い出しました。自分の中の可能性にドキドキする気持ちと、もしかして、自分は馬鹿にする低俗なその他大勢なんじゃないのか、という不安。かつて、私のささやかでこじんまりとした青春にもそういう気持ちがあったことを思い出します。広い世界を求め、漕ぎ出していくほど、自分のちっぽけさを知る日々は甘酸っぱく、かけがえのないものです。
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誰でも知っているが、人があまり行かないところってある。そこにあえて行ってしまおう、と。しかも色々な手法で楽しんでしまおう、と。
にゃるほどにゃるほど。そういう考え方もありね♪そりゃ楽しいわーね♪の本。
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いよいよケンゾーたちが動き出すチョコ編。様々なバンドの描写が面白くて、素敵。最後が非常に辛い。どうなるんだケンゾー! 絶対にパイン編を読まないではいられないです。
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グミチョコレートパイン 第二弾
おれたちはなにかやってやるぞ」って,
「おれたちは人とはちがうんだ」って
思って駆け出してみたものの,チョキの出し方が分からず悩み始めるケンゾー!!
「実はおれ、まわりのヤツに比べてホント駄目なんじゃないか」って自分を駄目人間に思ったことのある人なら共感できる一冊.
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美甘子と 映画のマニアックな話 とか
カワボン・タクオ・山之上と ノイズバンド結成 とか
まさに チ・ョ・コ・レ・ー・ト なわくわくの展開
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あとがきを読んで、こうゆう考えでかいてるのかってわかった。
このあとがきを踏まえてパイン編を読もう。さーブックオフへいってこよーっと。たのしみだよー。
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チョコ編も相変わらずのオーケン節炸裂。山口美甘子は高校を去り、ついに芸能界へ。ケンゾーは美甘子に追いつくことができるのか―?
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もう痛いし苦しいし気持ちがわかるんだよおおおという小説。グミ編読んでないんですが十分楽しめました。大槻さんの文章好きです。辛くない。だけど描かれてることが辛い。自分は他と違うと思ってたのに、ただのダメ人間だった、なんて、もうどっかで聞いたことがあるというか、身に覚えがあるというか。もうそうなったらエロに走るしかないというか。あーあーわかるわかっちゃうよこの気持ち!と地団駄踏んでしまうこの感じ、この人にしかかけねぇなぁと思いました。すごく面白い。グミ編もパイン編も買いだな。自分的に大当たり小説でした。
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賢三たちと自分たちが被って軽くびびりました。やべえよ、やってること一緒だよ!と焦る焦る。結局私は「つまんない人」で終わってしまったけど、彼らには是非翔んで欲しいな。物凄く共感できましたよ。出てくる人みんな面白いしね。パイン編も買います。
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1作目ほどのスピード感はないけど前作でのアレコレを深めていってる雰囲気。少年の決意や悩みより少女の成長がポイント占めてるかな。ちょっと哀れな気もするけどひっくるめて青春時代ということで。
やっぱりこれは高校生のときに読んでいただきたい。