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近代人にとっても追い求めたい理想の姿ではないか
2023/04/23 17:17
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
武蔵は実在の人物ではあるが謎も多い。吉川武蔵は「ほとんど創作」であると言われる。では、どうしてこのような姿で描いたのか。創作だからこそそこには吉川の意図があるはずだ。悩み、停滞し、時に道を捨てそうになりながらも剣の道に生きる。その求道的姿が吉川武蔵の特徴であろう。「武士道一つにて、他に求むることあるべからず」との『葉隠』の一文をそのまま体現しようとしたかのような存在。剣以外に何ものも求めず、どこまでも、いつまでも。それは理想の武士の姿であるだけでなく、近代人にとっても追い求めたい理想の姿ではないか。
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三国志は仲間とはを教えられ、武蔵には個人とはを教えられました。巌流島での戦いが一般的ですが、私的には武蔵の心の葛藤がたまらなくいいんです(笑)
武蔵の神様に対する「神を尊び神に頼らず」、、、 凡人にはとても言えません。 お通さんも理想の女性だったなあ。
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最終巻。最後に集まった者達をみれば、今まで武蔵が歩んできた道に満開の花々が咲いているようである。巌流佐々木小次郎との試合。心して読むべし。宮本武蔵を読み終えた。この書物は心のバイブルだ。いかに人間が自分と戦っていくか。その苦悩を如実に描いている。この本を読む事で心の修行になるに違いない。
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~内容(「BOOK」データベースより)~
当初、二百回ぐらいの約束で新聞連載が開始されたが、作者の意気込み、読者・新聞社の熱望で、五年がかり、千余回の大作に発展した。一度スタートした構成を途中から変えることは至難だが、さすがは新聞小説の名手。ただし、構成は幾変転しようと、巌流島の対決で終局を飾ることは、不動の構想であった。作者が結びの筆をおいたとき、十二貫の痩身は、十貫台に―文字通り、鏤骨の名作。
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長々、と八巻目。
本巻は、いよいよその展開が、速度を上げる。
正直に言うと、登場人物の名前とか、、だいぶ追いついて無い@@
行き着くところは、やはり巌流島。
諸説あるも、吉川英治で描かれるのは、努力人間 対 天才。
結末は、果たして。
個人的には、吉川宮本武蔵は、前半がハラハラドキドキしたなぁ。
さて。本当の武蔵を知るべく、五輪書を手に取ってみようかなぁ。
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一巻~八巻全部の感想
コミック「バガボンド」を二十巻ぐらい読んでから、この本を手にとりました。コミックで、ある程度人物をイメージできてたので、長いなが~い長編でしたがサクサク読めました。
武蔵、お通、又八、城太郎、吉岡、お杉婆、朱美、佐々木小次郎もろもろ、それぞれの視点からのストーリーも描かれおりよかったですね。
お通の武蔵を想う恋、武蔵に異常な執念を燃やすお杉婆、武蔵と親友であった又八の裏切り、嫉妬・・・
コミックと違い(原作だからそれはそうか(笑))、佐々木小次郎は高慢で憎らしいキャラクターでいかにも悪者という感じでした。さすが、最後のラストボス(笑)武蔵と最後の闘いは、あっさりでしたが、あっぱれな敵でしたね。
「小次郎、負けたりっ」の言葉は有名!読めば凄さがわかります!!
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宿命の二人・武蔵と小次郎は遂に船島にての決戦に臨む。今まで出会った人の恩を受け、そこにいる二人。再び彼らに会うのはいずれか―。
武蔵と小次郎の果し合いで幕を閉じます。試合に出る前の、お通との別れが特に心にきました。その後故郷に戻り、二人して幸せに暮らしたことでしょう。
又八が父親として還俗していくのも良かったです。今までさんざん不甲斐ないところばっか見ていたので(笑)、感激もひとしおでした。
長編ですが新聞小説なのでさくさく読めます。お勧めします。
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遂に最終巻、又八、もばばもお通も、色々な人々が巌流島の戦いに向かって収束してゆく。「小次郎の信じていたのは、技や力の剣であり、武蔵の信じていたものは精神の剣であった。それだけの差でしかなかった。」
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剣豪という言葉からイメージしていた武蔵と違い、思慮深さ、人間性、武士道を追求する姿勢は興味深い。一通り読み終わってみると、吉川英治の他の小説を読み終わった時と同じく、史実が知りたくなってしまう。史実がこの通りであって欲しいと思ってしまうあたり、小説に魅入られた証拠だと思う。
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戦前の新聞連載小説.
水村美苗さんが「手紙,栞を添えて」の中で「宮本武蔵は,私にとっては実に懐かしい本なのです.なにしろハイスクール時代,年に一度は儀式のように読み返したのです.」と書いているのを読んで以来,いつか読もうと思っていた.
これだけの長い物語が,少しも流れが滞らず,最後の船島での試合にまで導かれるのには驚くばかり.読むのが遅い私でもそれほど時間をかけずに読み終えた.
しかし,この本を読んで私が興味を持った人物は,宮本武蔵ではなく,本阿弥光悦や沢庵和尚だから,私はこの本のよい読者ではないのだろう.
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宮本武蔵という人物を中心に据えた人間形成,鍛錬の物語です.
幼馴染みの又八が心の弱さを,佐々木小次郎が強さと傲慢を,武蔵が高潔を,それぞれ担当しているように見えます.
その他にも,色々な登場人物が人間の色々な性質を担当していて,作品世界が一つの人間の心の中で起こる鬩ぎ合いと重なって見えました.
一気に読むよりも,毎日少しずつ読むことで,毎日読者自身を叱咤激励できる作品であると感じました.
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『宮本武蔵』では多くの決闘や多彩な登場人物との関わりが書かれています。良かれ悪かれ登場人物の「信念」に触れる中で、武蔵は人間性を磨いていきます。有名な佐々木小次郎との決闘も、勝敗を分けたのは「技や力の剣か精神の剣の差」と著者は綴っています。『宮本武蔵』は人間の成長の物語です。
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己が主体であり、影法師が対象であるように、
己の心が主体であり、現世日常への感覚は対象なのだ。
現世日常の憂い・煩悩に煩わされ、己の心を取り乱しながら生きる人間のなんと多いことよ、
という教訓を僧侶は無言で武蔵に悟らしめた。
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行方の知らないあの人この人、蔭からおいで祭りや祭り、船島の決斗ぞいつぞいな。もはや馴染みに近い感覚すら持つサブストーリーの主人公たちが覚り、寄り添い武蔵を見送る時点で既に物語は大団円を迎えていると思う。
あ、やっぱり櫂なんだとか、鉢巻なんだとか。それは一つの物語を区切るアイコンでしかなかった。
愚堂和尚いみじくも記すところ、元来仏法無多子 喫飯喫茶又着衣。
宮本武蔵 全八巻了
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武蔵と小次郎の決着
綺麗な終わり方だな、と思った
技術的なことはほとんど省かれて、精神だけが強調されている