くノ一忍法帖 山田風太郎忍法帖(5)
著者 山田風太郎 (著)
大坂夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はそのなかに秀頼の落とし胤を身籠る五人の女忍者を潜ませていた。それを知った家康は、「子が生まれる前に始末せ...
くノ一忍法帖 山田風太郎忍法帖(5)
商品説明
大坂夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はそのなかに秀頼の落とし胤を身籠る五人の女忍者を潜ませていた。それを知った家康は、「子が生まれる前に始末せよ」と密命を伊賀忍者に下す。子を宿しながら迎え討つ、くノ一、五人衆に危機迫る! 忍法帖ブームの頂点をなした傑作。
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エロティックくの一(女忍者)大活躍
2001/08/25 00:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山田岳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪城落城前夜、真田幸村がもちだした最後の秘策は、真田の女忍者「くの一」5人に豊臣秀頼のタネをはらませ、生まれてきた男の子を千姫の庇護のもとで育てるというもの。
徳川VS豊臣の戦いのなかで翻弄されてきた悲劇の女性、千姫は、それを承諾するほど、家康憎しでこりかたまっていた。
はたして、大阪城からたすけだされた千姫には5人の女房が。
この計画を察知した家康は、くの一抹殺のために5人の精鋭伊賀忍者をおくりこむ。
かくして真田くの一VS伊賀忍者の血で血をあらう戦いがはじまった。
しかし、この伊賀忍者、女には目がないというか、ただ殺してしまうのはもったいない、生きているうちにくの一のからだを味わってから片付けたいというスケベぞろい。
そこに真田くの一のつけいる隙があった。
伊賀忍者が、女の秘液をぬりたくることでその女になりすます、忍法「くの一化粧」でのりこむと、真田くの一は、忍法「天女貝」で伊賀忍者をくわえこみ、死んでもはなさない。
エロティックで荒唐無稽な忍法合戦。
相手の影にまきびしを投げつけると、影の持ち主が釘づけになってしまう伊賀忍法「百夜ぐるま」は、相手の武器の影がのびると自分が危ないというおまぬけぶりが笑える。
真田くの一たちの捨て身の忍法のまえには、さすがの精鋭伊賀忍者もなかなか手が出ない。
そこへ、燃えさかる大阪城から千姫を救いだし、彼女をわがものとしたい坂崎出羽守の横槍がはいり、大阪夏の陣の復讐に燃える長曾我部盛親の妻、丸橋が怪力と鎖鎌でからみ、徳川頼宣は父に反抗して千姫をたすけようとする。徳川家はもう大混乱。
一つひとつは短編でも、全体を通してひとつの長編小説になる手法は、当時の出版界の要請で山田風太郎があみだした、忍法「短編長編化の術」。
女をあらわす隠語「くの一」を、女忍者のイメージに固定してしまったのも、『くの一忍法帖』シリーズの功績でした。合掌。