紙の本
今村彩氏のデビュー作で、旧家の謎とそこで繰り広げられる事件を中心とした物語です!
2020/09/17 10:22
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『ブラディ・ローズ』、『通りゃんせ殺人事件』、『金雀枝荘の殺人』などの話題作で知られる今村彩氏のデビュー作です。同書は、旧家が秘めた謎とそこで起こる事件を中心に物語が進んでいく物語です。荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れます。実は、その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館で、住人も老婆を頂点とした二つの家族に分かれ、微妙な関係を保っていたのです。匠はこの家との訣別を宣言するために戻ってきたのですが、次々に怪死事件が起こっていきます。そして、謎にみちた邸がおこす惨劇は、思いがけない展開をみせます。今村彩氏のデビュー作で、代表作でもあるこの一冊をぜひ、読んでみてください。
紙の本
今邑さんデビュー作がついに復刊!!期待値は下げてから読みましょう(笑)。
2012/01/10 11:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のデビュー作がついに復刊。
このところじわじわ来ていた波が
ついにデビュー作まで届いたか。
ずっと絶版だった短編集『盗まれて』も復刊したし
ファンとしては嬉しい限り。
本書の初刊は2011年10月25日となっているけれど、
本作が初めて世に出たのは1989年のこと。
バブルのころかな。
それともバブルがはじけた頃か。
当時まだ幼かったわたしの記憶は曖昧。
1989年の作品なので
今読めば古臭いところは否めない。
でもそれは仕方のないこと。
時代とは移ろい行くものなのだ。
ジャンルとしてはサスペンス。
「火サス」っぽい。
「卍」の形をした館で次々と起る怪死事件。
「卍」という形状が巧く生かされている。
さらにその事件の奥に隠された犯人の企み。
いかにも今邑さんが好みそうな設定だ。
デビュー作だからかどんでん返しは控えめで
ここから後にあぁいう風に成長してしまったのね…と
少し冷めた目で読んでしまった。
(わたしは今邑さんのやりすぎたどんでん返しが苦手なのです)
作中、「幼児期の養子縁組」について云々が出てくるのだけれど、
ここはもっと厳格に言葉を突き詰めたほうがよかったのでは?と
思ってしまった。
ちょっと詰めが甘い。
ま、それは今もなんだけれど。
期待値を下げて読んだせいか
十二分に楽しむことができました。
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デビュー作とのことで期待薄ではあったものの、予想はつくけど飽きさせない持って行きかたはいつもの通り。
どう展開してもなぜか大丈夫的な安心感がある。
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うーん、デビュー作なのでどんでん返し感が少ない。
だんだんと匠の本性が見え隠れする怖さや、最初のモノローグがゾクゾクしたけれど、それ程でもないかな。
卍の館ということで出てくる人物の特徴的(金田一耕助のような)な設定が個人的に好みだったけれど、あまりその謎めいた絡み合う人間関係も描かれ切っていない気がして、星3つ。
デビュー作の改訂版とかではなくて、早く新作読みたいな。
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久し振りの今邑作品。
ちょっとダークな雰囲気漂うストーリーが多いですが、やっぱり面白いです。
タイトルから話の展開が予想出来てしまいましたが、もちろん予想外だった部分も多くて しっかり楽しめました。
今邑さんの本を読むと、人は表の顔だけじゃないって、しみじみ感じてしまいます。(笑)
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今邑さんの本はいつも途中で犯人がわかるんだけど
べつにイヤじゃないしね。
最後まで読むとスッキリするし。
今回は間取り図が出てきたので
綾辻行人さんの館シリーズを思い出した。
読まなきゃ!館シリーズw
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今邑彩のデビュー作ということで期待して読んだ。
この作家の小説はいつも最初から最後まで引き付けられて一気に読んでしまうが、これは途中すこしダレてしまった。
話し自体はミステリーでよくある「館で起る殺人」で、特に新鮮さはない。
途中まではお約束通り殺人が起こり、犯人が判明するものの…という展開。ここまでは正直退屈だった。
しかし物語の主人公である亮子が一人で東京に戻ってから真相が次々に明るみになるのが面白く、今までの退屈さが嘘だったかのようにグイグイ読めてしまった。
なんとなく真相は予想出来ていたものの、やはりこの作者の小説の醍醐味はラストのどんでん返しだなぁと改めて感じた。
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話の展開とかトリックは普通だけど、舞台となる館がすごく魅力的。見取り図も、本格好きにとってはたまらない。でも、せっかくの後半のどんでん返しとその後が雑なのが、惜しい。
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前回「ルームメイト」がおもしろかったんでつい買った。
今回も手の凝った、それでいて「ありそうでなさそう」なちょっと強引かというほどの世界観でのミステリーを楽しめた。最もミステリーってそーゆーモンなんでしょうね。
まぁ注文をつけるとすれば、家系図と屋敷の図は切り離せるようにしたらもっともっと読みやすく、楽しめたんじゃないか、と。付録にするとか。でもそれは文庫に対しての冒涜ですかね。
とにかく読み応えはありました。
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この作者のデビュー作ということで若干の古さは否めないが、相変わらず安定した内容でさくさくと読めました。途中で犯人はわかったのですが、トリックは見抜けず本格ミステリーとしてもなかなかです。この作者の作品
すごく読みやすいのですが、短編だとすごく傑作感が漂うのに、長編になると途端にすごく話が軽く感じてしまうのが不思議。軽いからこそ長編でも飽きずに読めるのですが。
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卍型の館で起こる殺人
何重かの仕掛け(殺人のトリック+α)が 用意されていて
「ミステリはこうでなくちゃね♪」と思い出させてくれて 個人的には面白かった^^
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トリックなどは楽しめたけれど、視点人物が「私」であることや冒頭などから、途中で犯人が容易に推測できたのは残念。
これで終わったと見せかけて、もう一回返してくれたのはおもしろかった。
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その邸はふたつの長い棟が卍形に組み合っていた。住人も建物同様にふたつの家族に分かれて、微妙な関係を保つ。亮子はこの邸を恋人の安東と共に訪れた。だが第一夜に早くも惨劇が起きた。続いてまた事件が。
今邑彩のデビュー作というので読んでみた。本格推理というのかもしれないが、「推理小説を書くためだけが目的の」あり得ない極端すぎる設定、人物造形に感情移入できなかった。筆力の確かさは感じられたが、それだけだった。
(C)
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再読。
訃報を知り思わず手に取りました。
今邑さんのデビュー作です。
タイトルにもある卍の形の屋敷を舞台にした館モノ。
物語の舞台は88年頃ということで、一昔前の昭和を感じさせます。
伏線も分かりやすく犯人は結構直ぐに分かってしまうのですが、卍形の屋敷の構造を活かしたトリックはなかなか面白いです。
文体の読みやすさや余白を残した終わり方はデビュー作からだったのかと改めて思います。
正直なところ本格ミステリとしては荒削りで詰めが甘い部分もあるにはあるのですが、後の今邑さんらしさの片鱗が伺え、ここがスタートで次第に昇華されていったのだと感慨にふけってしまいます。
ご冥福を心からお祈りします。
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再読。卍型をした奇妙な屋敷で起こる連続殺人。奇妙な執着に囚われたかのような一族の雰囲気も、実に奇々怪々です。しかし嫌だなあ、こんな家庭は。
とにかく人間関係のどろどろとした醜さがこれでもか、というほどに描かれて、事件はそれほど派手でもないのに禍々しさがいっぱい。そして最後の最後に明かされる真相がまた悪辣ったらありゃしない。……はい、こういう雰囲気大好きです。