紙の本
追悼の意を込めて…
2022/02/01 18:44
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
樋口有介さん…デビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」をちょうど高校生の頃に読んで以来、「ユーモアが滲み出るハードボイルド」といった作風が大好きな作家です。昨秋の訃報を最近になって知り、未読の本シリーズを手に取りました。少しザラつきを残す結末も含めて樋口ワールド全開な作品でした。続編「笑う少年」も読んでみます。
紙の本
途中まではおもしろかったが、後味が悪い。
2015/09/10 10:00
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリー展開はおもしろかった。元不良で人を殺してしまったことがある女性が、今弁護士の裏調査員として働いている。調査はまともに地道に行っているかと思うと、いきなり拷問かというほどの荒っぽいものになったりもする。警察やまともな探偵ではこうはいかないというその破天荒っぷりがいい。
ただ、読後感はよくない。詳しくは書かないが、ある人間が非常な残酷さを秘めた人間なのに、それについては放置なのだ。現実的といえばそうかもしれないが、小説でこういう終わり方をされると後味が悪い…。
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大ファンである樋口有介の作品、最新作。
主人公は年齢32歳で美人かつ美脚、しかし殺人の前科があって、高校生の息子がいるという女性調査員。女性の一人称ハードボイルド口調というのは、私の読書歴の中でも初めてで、さすがに脳内イメージしにくかった。
しかも、物語のラストで明らかになる学歴もすごい。
なおかつ、この一作だけでは、主人公の過去の謎はまるで明らかにされない。
スマッシュヒットになった作者の小説「ピース」が女性に評判が悪いのは、女性にハードボイルドは受けないせいだ、と言い切った私だけに、女性読者がこの女性主人公一人語りのハードボイルド小説をどう評価するのか非常に興味深いところでもある。
私としても、今までの樋口有介作品のイメージが焼きついているだけに、語り口がどうしても男の声で耳に入ってきて困った。
物語の中盤ぐらいまでは、何度も何度も自分に「これは女性の声だ」と言い聞かせながら読み続けた。
難点といえば難点だが、樋口有介の小説なら、30年来の大ファンの私としてはページを捲る手を止めるわけにはいかない。
主人公、風町サエ。
小学生時代からタイ料理店を経営していた元ムエタイのチャンピオンだったノラビットさんに習ったというムエタイの習熟者で、格闘にも強い。
美女ながら男も簡単にのしてしまうというのは、私のイメージではバイオハザードのミラ・ジョジョビッチである。彼女が日本人になり美女に化けたという雰囲気。
理由ありの息子の父親が誰かは、随所でそれとなく読者に想像させるが、最後まで明らかにはされない。
これはシリーズ化させる予定なのだろう。
新宿2丁目にあるバーの場面で、彼の代表作の主人公であるルポライター柚木草平と思わしき男性がちらっと登場するのはご愛嬌か。
おお樋口さん、洒落っ気があるじゃないかと思わず唸ってしまった。
内容は、プロ野球選手とモデルの離婚話の仲裁(?)依頼から始まり、別の殺人事件で容疑者に仕立てられそうになった男の調査をしているうちに、その男も殺され、さて事件の裏には何が? 犯人は誰か?
というものだが、相変わらず登場人物のそれぞれのキャラは魅力的で、そこそこ楽しめる。
だが読み終えたあと、さすがに女性のハードボイルド語りは厳しいものがあるなあ、というのが率直な感想だ。
やはり樋口さん、男性主人公のハードボイルド小説を書いて欲しいというのが本音です。
ところで、彼は昨年休筆活動に入ったのではなかったか?
この作品は今年の1月から「Web小説中公」に連載されたものらしいが、休筆は撤回されたのだろうか?
だとすれば、私のようなファンにとっては嬉しい限りであり、次作も心待ちにしたい。
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久々の新作。
本屋で見つけて感激!
印象は…、女版・柚木草平?
内容はなかなか面白かったけれど、最後の最後がなんとも腑に落ちたとは言い難いかな…。
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例によって美女がやたらと出てくるハードボイルド。ハードボイルドといえばお酒ということで、お酒を飲む場面が多いのですが、この本を読んでいるとお酒が飲みたくなります。実は今日もこの本を読んで、紹興酒を飲んじゃいました。
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弁護士の女性調査員。
2つの事件がリンクしてくるのかな?とおもったら、ただ未消化な感じになった。
結末が、こじんまりしている作品。
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+++
殺人罪で服役8年、独身、16歳不登校の息子あり。職業:弁護士事務所の美脚調査員風町サエ32歳。ついでに命じられた殺人事件の調査。歪んだ愛の発端は34年前に遡る―口は悪いが情に厚い。著者渾身の長編ハードボイルド。
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美人で美脚の前科持ちシングルウーマンの主人公で、それが弁護士事務所の裏仕事を請け負う調査員だなんて、すぐにでもドラマになりそうな設定である。かなりきわどい調査もこなす主人公・風町サエであるが、息子・聖也に向ける愛情は半端ではない。無理難題をこなしながらもいつも聖也の元に早く帰りたいと思い、一緒に食べる夕食のことを考えるのである。ハードボイルド一辺倒ではない、甘々の母の顔がそこここに覗くギャップもまた魅力なのである。ぜひシリーズにしてほしい一冊である。二丁目のうらぶれたバーの片隅にいた草介さんは、もしかするとあの柚木草介だろうか。
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樋口さんらしいハードボイルド。
でも主人公は32歳の女性美脚調査員!
同い年やん。まさか申年ってことかしら?
カレーとか餃子とかすき焼きとか。お腹鳴る。
そういえば樋口さん一気読みが途中で止まっている。再開しなきゃ。
何かの続編やったらどうしよ思たけど、違いました。
サエも聖也も魅力的なので、シリーズ化して欲しい!
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この作家、大好きだったんだが新作が出なくて、もう廃業したのかと思ってた。
図書館で見つけた時は、久しぶりで嬉しかった。
読んでて、楽しかったです。
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7月-6。3.0点。
未婚の母の探偵。柚木とは違うが、似たタッチ。
離婚問題と、ある女性編集者の殺人事件を同時に扱う。
軽快なタッチだが、何故か時間がかかった。
まあまあかな。
ラストは、唐突感が大きかった。
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なんかのシリーズなのかと思ったけど、別にそういうわけでもないようで。
なんだろう?女性のハードボイルドな小説という印象でしょうか。
話としてつまらないわけでもないんですが、なんとなく主人公の考えというか行動というかに共感ができなくていまいち楽しめませんでした。「自分をつらぬく」という手段と目的が入れ替わっているような。何かをなすために自分をつらぬくというのではなく、ただ我を張って生きているだけに見えてしまったというか。
事件の構造というか真相についても「こんなものか」くらいにしか思わなかったし。。うーん。
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図書館の本 読了
内容(「BOOK」データベースより)
殺人罪で服役8年、独身、16歳不登校の息子あり。職業:弁護士事務所の美脚調査員風町サエ32歳。ついでに命じられた殺人事件の調査。歪んだ愛の発端は34年前に遡る―口は悪いが情に厚い。著者渾身の長編ハードボイルド。
やさしさが透けて見える気の強さは、この著者の特徴かもしれない主人公。
なんか続編ありそうだぞ?という人間関係の中途半端さがある。事件もどうなるの?だしね。
正義の行いはなされるのか?ってところで終わるのが、らしいといえばこの作者らしい。
というか、サエらしい。
「裸の猿」はわたしも影響受けたけど、そうかんがえればいいのね。
息子君もどうなるのやら、続編あるといいなぁ。
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弁護士事務所に勤める女性が、所長から調査を命じられた二つの案件。
野球選手が芸能人の妻との離婚問題で慰謝料3億円を請求され、その減額のための妻の素行調査。
女性が殺され第一発見者となった男の、罪の有無。
調査の過程であらわれてくる事実は興味深い。
ただ、調査員の女性のイメージがはっきりしない。この女性の内面がもっと書き込まれていれば良かったのに。
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女性主人公はもしかして初?
シリーズにしてもいいぐらいにキャラが立っててきっちり面白いです。
つってもお話はいつもの樋口節(それもここ10年ぐらいで増えたバッドテイストがちょっと入った方の)だったりするんだけれども、まこれはこれでみたいな。
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女性が主人公でありながら、なかなかのハードボイルド。樋口作品を読むのは初めてですが、テンポ良い文章で、キャラ造りも良く、最後まで面白く読めた。ちょっと難ありだけど、サエみたいな強い女性キャラ、好きかも。ただ、最後の落としどころは、多少モヤモヤ感が残るかな。まぁ、サエ自体が素人調査員だし、きっちり裁定を下す必要はないのかもしれないけど。
このメンバーで何かまた読みたいなと思ったら、続編があるみたいなので嬉しい。シリーズ化して欲しいです。