- 販売開始日: 2012/03/30
- 出版社: 小学館
- ISBN:978-4-09-677217-1
永遠の詩07 萩原朔太郎
著者 萩原朔太郎 (著) , 高橋順子 (選・鑑賞解説)
言葉を超えたことばを追及、近現代詩の巨人。萩原朔太郎は1886年(明治19)、群馬・前橋の医家の長男として生まれた。文学や音楽の才能に恵まれながらも学業では中退を繰り返し...
永遠の詩07 萩原朔太郎
商品説明
言葉を超えたことばを追及、近現代詩の巨人。
萩原朔太郎は1886年(明治19)、群馬・前橋の医家の長男として生まれた。文学や音楽の才能に恵まれながらも学業では中退を繰り返し、多感な青年時代を過ごす。そして1917年、第一詩集『月に吠える』を発表、以後も数々の名詩集を世に出し、日本の近代詩が現代詩へと変貌する、その原動力となった。朔太郎は、詩のことばを、意味やリズムに仕えるだけのものだとは考えなかった。誰も表現することのできない、たとえば「こころ」などといったものを表現できる、それこそが「詩のことば」なのだと考えた。そのため、彼の詩のことばは、今まで誰も考えなかったような比喩に満ちあふれ、真理を追求しようとする彼の真摯な態度は私たち読者のこころを突き動かす。ページを繰れば、その豊穣なことばの世界に圧倒されるはずだ。結婚生活は収録した58篇すべてに、詩人・高橋順子による鑑賞解説付き。
永遠の詩シリーズは、今日的に意義のある詩人をとりあげ、代表作を厳選しました。わかりやすい解説で、詩があなたにもっと近くなります。
著者紹介
萩原朔太郎 (著)
- 略歴
- 1886~1942年。群馬県生まれ。30歳で「月に吠える」を刊行、詩の言葉の相貌を一新し、詩壇の寵児となる。以後、近現代詩史に刻まれる詩集を次々と世に出す。
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十代の頃に読みたかった詩集
2010/08/20 08:31
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「永遠の詩」全八巻の七巻めは、萩原朔太郎。五十八篇の詩が収められている。
巻末のエッセイは、詩人のアーサー・ビナードが担当している。
十代の頃に朔太郎の詩に出会いそこねた。二十代も朔太郎は横目で通りすぎた。三十代、四十代はもう朔太郎とは縁がないものとあきらめた。私にとっての萩原朔太郎はそんな詩人であった。
それなのに、こうして人生の半ばを過ぎて、朔太郎の詩を読むことができたが、十代で読んでいたらどう感じただろうと思うことしきりだった。
近代詩の旗手のようであった朔太郎の詩にちっとも心がふるえないのは、朔太郎の詩の感性があまりにも若すぎるからかもしれない。もはやそういった言の葉では何も語れないことを、私は知ってしまったのだろうか。
朔太郎の第二詩集『青猫』に収められた「薄暮の部屋」という詩。「恋びとよ」と繰り返されるこの詩の熱情に、もし十代の私であれば打ちのめされたかもしれない。
「恋びとよ/すえた菊のにおいを嗅ぐように/私は嗅ぐ お前のあやしい情熱を その青ざめた信仰を」と詠う詩人に心奪われたかもしれない。しかし、悔しいが、私はすっかり年を重ねた。
朔太郎の鋭い感性も日本語の美しさも、五十代の私にはとおい。
詩はだれのものか。
おおげさにいえば、詩は若いひとたちのものだ。
ちなみに、表紙の「ふらんすへ行きたしと思えども/ふらんすはあまりに遠し」は「旅上」という詩の一節である。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。