虚空遍歴(上)
著者 山本周五郎 (著)
旗本の次男、中藤冲也が余技として作る端唄は、独得のふしまわしで江戸市中のみならず遠国でももてはやされた。しかし冲也はそれに満足せず、人を真に感動させる本格的な浄瑠璃を作り...
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商品説明
旗本の次男、中藤冲也が余技として作る端唄は、独得のふしまわしで江戸市中のみならず遠国でももてはやされた。しかし冲也はそれに満足せず、人を真に感動させる本格的な浄瑠璃を作りたいと願い、端唄と縁を切り、侍の身分をも棄てて芸人の世界に生きようとする。冲也の第一作は中村座で好評を博するが、すぐに行き詰り、妻も友をも信じられぬ懐疑の中にとじこめられてしまう。
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痛々しいまでに。
2002/07/31 21:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
旗本の次男・中藤冲也は余技として端唄を作っていた。彼の作る端唄は独特の節回しで江戸だけでなく遠国でも持て囃されていた。しかし冲也は端唄ではなく本格的な浄瑠璃を作って人を感動させたいと思うようになり、端唄も身分も棄てて芸人となる。最初のうちこそ成功するがすぐに行き詰まり、次第に彼は妻も友も信じられぬ懐疑の中に閉じ込められてしまう──。
山本周五郎は、元々自己犠牲の物語を多く書く作家だが、それにしても中藤冲也の苦境は凄まじい。作者による苛めではないかとまで思え、読むのが苦しいほどだ。だが、そこには山本周五郎の深い信念がある。