キヤノンとカネボウ(新潮新書)
著者 横田好太郎
戦前、日本最大の民間複合企業として君臨し、その後凋落していったカネボウ。町工場から出発して日本を代表する企業に成長、経団連会長まで出したキヤノン。「感性」で勝負する文系企...
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商品説明
戦前、日本最大の民間複合企業として君臨し、その後凋落していったカネボウ。町工場から出発して日本を代表する企業に成長、経団連会長まで出したキヤノン。「感性」で勝負する文系企業と、「知性」による研究開発で発展してきた理系企業。全く対照的な両社に勤めたサラリーマンが、「内側から見た企業文化」を描き出す。繊維業界の風習や、発展の原動力となった「キヤノンの常識」など、貴重な証言も満載。
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これは面白い!!企業内部からの眼で比較!
2006/05/11 08:25
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
両社に所属していた著者が企業内部から見た会社について
記載している。
こう言う場合、当然後に勤めている会社の評価、もしくは
現在の段階で業績の良い会社の評価が高くなるのは致し方な
いかもしれない。しかし、そういう心情的な部分を除いても
両社には大きな差があるのだろう。
筆者が両社について述べる自慢は、己の勤めてきた会社と
いプライドもあるのだろう、ややオーバーリアクションであ
る感が否めない。しかし現在の状況はどうあれ、両者は過去
から現在にかけての日本の代表的な企業には間違いない。筆
者が危機感を感じているが、そこにある歴史的な財産や文化
財については、きちんと保護されるべきであろう。今回の分
社、そして花王への買収により散在しないことを日本国民と
して願う次第である。
本書のように、企業に勤務していたものが内側よりえぐる
ということが今までにもあったのかは不勉強のため分からな
いが、これだけ大胆に両社を比較するという切り口は面白く
読ませてもらった。またかつての日本の優良企業の実態とは
こういうものか、という事を理解する上でも楽しく読めた。
お奨めです!