童話文学の先駆的人物であった17世紀のフランス人詩人シャルル・ペロー氏の作品です!
2020/07/08 10:18
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、17世紀にフランスで活躍した詩人シャルル・ペロー氏の作品です。同氏は『ペロー童話集』の作者として非常に有名です。同書によれば、「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくて荒々しく、セクシャルで残酷な民話だったそうです。同氏の童話はその血なまぐささという味わいを残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓に満ち、童話文学の先駆的作品となりました。同書の構成は、「猫の親方あるいは長靴をはいた猫」、「赤頭巾ちゃん」、「仙女たち」、「サンドリヨンあるいは小さなガラスの上靴」、「捲き毛のリケ」、「眠れる森の美女」、「青髯」、「親指太郎」、「驢馬の皮」となっています。澁澤龍彦氏の翻訳というのも興味深いです!
年齢を重ねるごとに味変する澁澤ワンダーランド
2021/12/25 11:27
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投稿者:Emico - この投稿者のレビュー一覧を見る
買ったのは昭和。中学生でした。本当は童話の原書は怖いと聞きかじって、読みたいと思っていた時、この文庫本と出会いました。
表紙の猫にも心惹かれました。他の話の挿絵も、アングラな怪しさ。馴染みの童話のはずが、いけない、危ない大人の本を読んでいるような気持ちになりました。
高校生の時読み返して、翻訳ものとは思えない、澁澤龍彦先生の文章力に惹かれました。
澁澤ワンダーランドへの落とし穴に落ちて行きました。
大人になって、読み返して、今までこの本がわかっていなかったなと思いました。大人な意味があったんだなと。。
今、子供達が思春期。読んでいて、この本の教訓を伝えたい気持ちになるのです。
自分が成長すると、読み味がどんどん変わる不思議な文庫本です。
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澁澤龍彦訳なので子供の頃読んだ童話のイメージを覆された。もともと民話はセクシャルで残酷なのだと知り少なからずショックを受けた。民話は何かしらのメッセージでもあるのだから不思議はないのかもしれないけど。メルヘンの裏に隠された教訓は深い。
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著名な童話も澁澤氏訳になると、軽い耽美な毒素が加味されいいです。さらっと読めるので、秋の昼下がりでの一冊。
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澁澤氏の訳の長靴…が出ていると聞き、早速読んでみました。
……ふっ。さすが澁澤氏。
大人な風味です(いや、こちらが本当なのか)
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澁澤龍彦訳、につられて読んでみた。
ざっくりとした塩味加減が麻みたいで素敵な1冊。
教訓がついているのもとてもよかった。
いちばん好きなのは青髯。
好奇心とはつまらぬ快楽で、…そして、いつも高くつくものなのです。
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[ 内容 ]
「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくて荒々しく、セクシャルで残酷な民話だった。
ペローの童話はその味わいを残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓にみち、童話文学の先駆的作品となった…この残酷で異様なメルヘンの世界を、渋沢龍彦はしなやかな日本語で甦らせた。
独特の魅力あふれる片山健の装画をそえておくる決定版ペロー童話集。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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あまり面白いものではなかったが、有名な童話を澁澤訳でおさらいできただけでもよしとしよう。
挿絵は『長靴を履いた猫』のものはよかったが、それ以外、即ち人を描いたものは性的な面を強調しすぎており、その稚拙ともとれる画風もあいまって下品に過ぎるように思った。
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装画こみ、翻訳こみの、シャルル・ペロー。「教訓」「もう一つの教訓」なんか、いちいち面白い。「大人も子供もともに楽しめる決定版童話集!」とカヴァーにはあるんだけど、こういうのに通じた子供、というのもちょっと可愛くない、かも、なぁ(自戒をこめて)。
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童話から学ぶ教訓。
話の中に、込められた意味。
怖い話、恐ろしい話の中に、現実との対応を考える。
童話の原点ともいう作品群。
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お風呂で読める短編を探して買い求めた。
澁澤訳ということで期待したが、ほぼ原作そのままで全く何のヒネりもないお話ばかりでがっかりした。ひょっとしたら、原作そのままというのが当時としては画期的だったのかもしれませんが。
シンデレラのところで挫折して、東海林さだおのエッセイを買い直した。
挿絵が主で文章が副と考えるとがっかりはしないかも。
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二十年以上ぶりに紐解く。まだ文庫といえば岩波か新潮くらいしか読むものはなく、だんだん文庫化が多くなった時代のころ。澁澤といえば、中学の頃は、なけなしのお小遣をためて、またあの素敵な装丁をなんだかこそこそ買っていたのを思い出す。
本に何も書かないほうなのに1989の一月の日付をスタンプしている(笑)
引っ越す度にでも古本にだしていないのは、文庫だからかしらん。
挿絵もよく、女の子だった私には馴染みの多いものでしたが、これを読んだときは、教訓が面白かったのを思い出します。 まさか刺繍を再開しはじめてまた手にとるとは思わなかったけれど…。
近々またお墓参り行こうっと。
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教訓、もうひとつの教訓、なんてのが載ってるのが面白い。
ペローの童話集は他にも読みましたが、これは、挿絵がすごいね。
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おなじみの昔話の、自分が知っていた内容から少しひねられた作品群。かえって面白い。
挿絵が、金子国義を彷彿させる感じでなかなか魅力的。
澁澤氏が指名しただけあると思う。
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伝承・口承で語り継がれていた物語が本来持っていたセクシャルで残酷な血生臭さ、荒々しさの味わいを多分に残しながら、一方では風刺や教訓に満ちた『ペロー童話集』を、澁澤龍彦の柔らかな文章に独特の画風を持つ片山健の装画を添えてみるとメルヘンを越えて幻想譚になる──。
岩波文庫から出ている『完訳 ペロー童話集』が学術的な視点から忠実に翻訳されているのに対して、こちらはやはり芸術家肌と言うか審美的な訳し方がされていると思います。
物語の空気感が違います。表題作『猫の親分あるいは長靴をはいた猫』のほか、裸になっておばあさん(狼)のベッドに入ってしまう『赤頭巾ちゃん』、『捲き毛のリケ』などを収録。
『完訳 ペロー童話集』のほうには収録されている、韻文体で書かれた3作「グルゼリディス」「滑稽な願いごと」は割愛、「驢馬の皮」が散文体で翻訳されてます。これが澁澤テイストがよく出ていて、文体の違いを気にせず充分面白く読めると思います。