電子書籍
失敗学の法則
2012/11/08 22:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いのぜい - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変有益で教えられる本である。人間は失敗をするものである、ということから出発する、その内容は大変説得力があり、重要なことを教えてくれる本である。
紙の本
失敗を転じて企業体質の改善へ結びつける失敗学
2007/07/29 21:32
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近自然災害も多いが、人為的な事故、人災も多く、その原因を追究していくと、呆れるほどずさんな管理が表ざたになる例が多いような気がする。回転ドア然り、エレベータ然り、鉄道事故然りである。
本書では、機械工学の学者である畑村先生が失敗に関わる経験則などをもとに、法則を書き記した。法則といっても32もあるので、すべてを同列に並べることはできないが、いずれも畑村先生が独自の目をもって抽出したもので、実例も豊富に出されているので、説得力がある。
私がこの本を読もうという気になったのは、NHKのテレビ放映で畑村氏がリーダーとなってこの失敗学の説明をしていた番組を見たからである。失敗を単なる原因追及だけに終わらせず、それを経営や行政に生かそうという意志を強く感じさせられたからであった。
失敗から学ぼうとする試みは、過去にもあった。本書の解説で柳田邦男氏が述べているが、四半世紀前に野中郁夫氏等が『失敗の本質』という書を著した。これは旧軍における幾つかの作戦を分析したものであった。気鋭の学者達が戦略、戦術的な見地から作戦を評価したものであった。
畑村先生のこの書では法則の基礎編で、失敗が発生する仕組み等、失敗とは何かを解明している。理工系の学者らしいロジックで解説しているので、きわめて分かりやすい。それに続いて、失敗に関する知識、失敗から身を守る方法、失敗から創造する方法など、失敗してもただでは起きない世渡りの方法が述べられている。失敗から身を守る方法の中では、組織運営論や組織における個人の立場などに関してもアドバイスがあり、単に理工系に偏ることのない筋立てとなっている。
テレビ放映でも事故や失敗の実例とともに、理工系学者にしては方法論にまで大胆に提言が行われているところに惹かれたのであるが、今後さらに失敗学を創造に生かす道を開発して欲しいものだと思った。
最後には企業に赴いて「畑村塾」を実践しているとのことである。人材育成も多様な立場から行われているのが現実である。単なる失敗を教訓にして、失敗を繰り返さないというだけでは経営者の心を捉えることはできないかも知れないが、未来を向いた失敗学なら大いにうける時代になってきたような気がする。畑村先生も経営者のニーズをうまく取り上げた起業家のようだ。
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会社員だったときは、失敗について、何となくこの本の内容のような意識はしていた。でも、こうやって失敗という観点でまとめてみると、それをもとに別の発見があるのだなぁと再認識です。DVを理解するのに役立ちそうです。
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組織論なども絡めながら、とても読みやすく、わかりやすく失敗論について語っている。誰の責任かというのも大事だが、どんな原因(要因)で失敗が起こったのかという事が重要であり、その点をはっきりさせないとまた同じ失敗が起こってしまう。至極もっともな事だが大切な事を判りやすく説いている。
星3.5
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読めば読むほど自分の顔が真っ青になっていくのが、手に取るように分かる本。
如何に自分が、『失敗』に対して無頓着で、というより、無関心で幼稚な捉え方をしていたのか、というのがよく分かりました。
だから、いつまで経っても同じ間違いを繰り返して、反省もせず次回にも活かすことをせず、また繰り返してしまうんだよな……
正直僕は何も取得も無いし、これといった特技も無いので、「失敗」というものに必要以上に敏感です。
だって失敗したら誰も相手にしなくなるかもしれないから。
それが逆に、無駄な動きとなって、ずれた解釈をし結果的にずれた行動をとってしまうこともままならず。
メンタル的な部分もありますが、結局「失敗をしないよう努力する」というのが抜け落ちていたんでしょう。
この本は、僕にとって戒めの一つです。お守り代わりにいいかもしれません。
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ビジネスよりの本かなぁと思って読んでみたら、ちょっと工学色が強かったな。
もうちょっとビジネスよりの話が聴きたかった。
ただ、「要因」→「からくり」→「結果」の仕組みは勉強になった。
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昔から、この失敗学には、注目していて、読んでみたかった本だが、当たり前の内容にがっかりした。失敗を学問として研究するのなら、このような形になってしまうのだろけど、一般人としては失敗を枠にはめて考える必要もないので、かえって難しくしているだけで、目新しいことは特になかった。
ガッカリだった。
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この本の後に出版された「畑村式「わかる」技術」や、「技術の伝え方」を先に読んでいたので、本書は内容が少し俗っぽい気がしましたが、畑村氏の失敗学への入門書としてはちょうど良いのかも。
昔ながらの日本の製造業をベースとした解説が多いので、昨今のIT・ソフトウェア業界にはそのまま当てはまらないと思われる対処方法も若干みられますが、失敗の本質はいつの時代も同じであるということを考えさせられます。
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【失敗】失敗学のすすめのライト版といったところか。著者がこれまでに書いてきた失敗学関連の本のエッセンスを簡単に集約させたものが本書である。法則といっているからには、簡潔にまとめなくてはいけないということもあるのかもしれないが、この本を読む前に失敗学の本を何冊か読んでしまうと目新しさは特にないかもしれない。失敗学とはどんな学問なのかをざっくりと把握したいのであれば、この本を読んでみて、はまったら失敗学のすすめを読むのが良いかもしれない。
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私の働いている現場でも、起こるべくして起こるべくヒューマンエラーはやはりある。人と人とのつながりが生むノイズが原因?でも、結果を分析し、反映させるのは本当に大事。もちろん、授業でも。
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実践感がない。論理をこねくり回していて、すぐに会社を辞めるべき、何もことを起こすな、と共感できないワードが多数出てきて、途中で挫折した。
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失敗の多い人生を振り返り、読みやすそうな本から手にとって見た次第。失敗とは何か、どう活かすかについての学問のエッセンスを紹介するような本。恐らく学問的なものを、卑近な例をとって説明しているため、分かりやすいが浅くも、散在的にも感じてしまう。でも実は深々と書いてあったりもする、スルメのような本。
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著者の畑村先生は事故原因究明のスペシャリスト。失敗学の創始者?としても有名。定年前は東大の教授だったから、もし私が東大に入っていたらこの人の授業を受けられたかもしれないと考えると、返す返すも残念。余談はここまでにして、ここからは本題。失敗を単に失敗と捕らえると進歩がありません。これを改善、進歩の機会と捕らえて未来の行動をどう変えるか。それが重要なのです。最近、リコールや告知騒ぎが頻発していますが、製造業各社にはこの失敗を次へのステップと生かしほしいものです。非製造業の人にも、新しい知見が得られると思いますので、ぜひ一読を。
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#図書館
#評価の背景
20代、30代の方にぜひ読んでいただきたい。
新しくリーダーになった方にもオススメしたい。人生にも組織運営にも失敗はつきものだけれど、どう向き合っていくかのヒントになると思う。
失敗を活かすってどういうことなのか、が非常に実践的で綺麗事だけでないことも記されている。多くは知っている情報であるけれども、わかりやすく整理されている。わかっているけれども出来ないことが多く、失敗と向き合えていないことを痛感する。
「実践的失敗学のためのQ&A」のコーナーでは、東大名誉教授でいらっしゃる畑村先生のキレのある回答にぐうの音も出ないこともあれば、一方で20年近く前のエリートの考えですもんね、て感じた箇所もあり、いずれにせよ、本音で回答されているので、本質を明かそうとする人間味のある方なんだろうな、と興味が湧きました。
生の講義を拝聴したいな、と感じました。
#本から受け取ったメッセージ
経営学の専門家に経営学って何を学ぶもの?て聞いたら「ざっくり、組織のリスクマネジメントだよ」って教えてもらったことがある。
本書(失敗学をたちあげた畑村先生の実践的ビジネス書)を読んで、上記の言葉を思い出している。
・失敗から学ぶと、人も組織もより成長できる。
・原因追求と責任追及は分けなくてはいけない。
・「挑戦した上での失敗」はよいが、「不作為による失敗」を許してはいけない
#心に残った文章(抜粋)
P20 失敗学における逆演算を正確に記せば、「<結果>から<要因>と<からくり>という見えない二つのものを逆に辿って探っていく」ということ
P165 組織の中に(中略)軋轢や摩擦が起こるような状態が健全なのだと認識して、組織運営をすることです。(以下は要約)組織のトップがそれをきちんと収める役を担うべき。
P247 暗黙知を表出して”表出知”として共有する。(中略)それが失敗を生かす、ということ。
#Action
失敗を無駄にしないために、失敗から学ばねば。