紙の本
テレビ局の裏側のごく一部だが,格差問題などをかいまみることができる
2010/06/12 09:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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テレビ局の裏側にはさまざまな話題があるはずだが,この本の焦点はおもにテレビ局の正社員とそのまわりにいるひとびととの格差にあてられている. 正社員はろくな仕事をしなくても他の業界よりはるかにたかい給料をもらっているが,そのまわりにいる多数の零細企業のひとはその数分の一しかもらっていない.
有名タレントを起用すると制作費の半分をギャラとしてもっていかれるような環境では,この格差はそれほどめだたないということなのかもしれない. テレビ局の裏側のごく一部だとはおもうが,この本でそれをかいまみることができる.
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著者の中川氏はフリーのテレビディレクター。
ゆえに下請け制作会社がいかに虐げられているかを、暗に訴えているかのような印象も受ける。給料の差、拘束時間の差、やらせや捏造をせざるをえない状況を強いられる構造etc.
その他番組制作費や、スポンサーの圧力の話、そして今後の放送局の行方にまで言及する。
テレビは冬の時代に突入した、とあるが、まさに殿様気分で仕事ができる時代は終わり、DVDや映画、オンデマンド等放送外での収入を増やしていかなければならなくなっってきた。制作費削減という厳しい状況の中で、金持ちNHKに負けないコンテンツを作ることを目指さなければならない。
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タイトルどおりの内容を、
実際、制作マンとして働いてきた人が書いた本。
ああ、やっぱそんな感じなんだーという、
確認にはなりました。
この仕組みの一端に広告会社がいて、
そこから多くのお金をもらっているという実態を、
把握しておく必要はあるでしょうね。
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mixiニュースによくありそうなテレビ局の内容紹介。わざわざ新書にする必要もないのでは。だけど視聴率の計測に±2.5%も誤差が出てしまうというのは初耳だった。
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知らないことがいっぱいでびっくりしました。
自分の将来、テレビの将来を考えるとパンクしそーー
けど、せっかくなら、どきっとさせるようなこと、したいな!!!
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テレビ局の実情を赤裸々に語っている。が、どちらかというとメディアサイドの人間なので、既知のことも多かった。これからは、ディレクタの時代だと言いたいのだと思うが、それにはディレクタの性質も現状から変わらなければならないのだと思う。
テレビ番組に限らず、マルチチャンネル化、マルチデバイス化の中で、コンテンツの制作本数は多くなるはずだが、見る側にワンパターンを感じさせない興味のあるものを提供できる者のみが生き残れるのだと思う。コンシューマがコンテンツ製作者にいつでもなれる時代になり、いっそう競争が激化するので、大変だろう。
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三宅先生(情報)のおすすめ。「僕の話をきくより10倍おもしろい」といっていたが、先生の話のほうが面白いと思う。
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広告収入の減少から、番組出演者のギャラが制作費を圧迫しているとのこと。SMAPxSMAPなんて どうなってるのやら、心配になるくらいです。SMAP5人分のギャラだけでも相当でしょうに、彼ら以上の大物ゲストも出演してたり。流石にフジ以外SMAP5人を使うのはSP番組位、やっぱりTV局の懐事情に関係あるでしょう。
嵐が最近各局から引っ張りだこなのも この辺が理由なんでしょう。
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テレビ局をミーハーに志望してた学生時代。
テレビ局とは制作サイドではなく、広告営業さんとお付き合いのある現在。
こちらの本は主には番組を作っている制作サイドの裏側です。
プロデューサー、ディレクター、放送作家といった職種にフォーカスされてお話は進みます。
局側の人間と、制作プロダクション間の大きな所得格差だったり。
でも、番組に携わるスタッフ中、局の人間は1人だったり。
局からのプロダクションへの強い圧力だったり。
一番の収益源をである広告費を支払っていただいてる広告主からも制作への圧力があったり。
そういった所謂 大人の事情 的な部分が中心です。
学生時代、広告営業という機能すら知らず受けてた自分に読んで欲しい本ですね。
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現役ディレクターが書いた現場の本。
テレビ業界に少しでも興味のある人は、難しい本でもないので読んで損がないとおもう。
裏側ってやつはどの業界にもあるけれど、テレビ業界の問題点が端的に示されており、その理由などに真実味があって面白い。
テレビってCM跨ぎなど視聴者をイライラさせるような演出が多くなり、内容も80年代に比べたらすごくつまらなくなったと思うけど、この本を見るとさもありなんと思う。
だからと言って、信頼できないメディアはやっぱり積極的に見ようとは思わないけど。
テレビ以外のニュース映像配信会社があればいいのになぁ。
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自分のいる業界に詳しくなった!笑
的確なことが書かれていて、納得納得の連続。テレビで働きたいと思っている学生さんにはオススメです。
最近は、単にテレビを悪く言う本が目立つ中、身を置く業界を冷静に見つめた本です。
テレビの現場が、夢だけじゃ働けない場所だと分かると思います。
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[ 内容 ]
明るい画面のすぐ裏で、スタッフは余ったロケ弁当で空腹をしのぎ、人気出演者は降板宣告に怯え、経営陣はタメ息をつく。
広告費の激減、視聴率の恒常的低下…テレビという巨大産業が、もがき苦しんでいる。
なぜ新聞を読み上げるだけの「情報番組」が横行するのか?
なぜあの看板キャスターが交代したのか?
スポンサーの地雷はどこにあるのか?
ベテランディレクターが非難覚悟で業界の問題点と未来を実況中継。
[ 目次 ]
第1章 決して放送しない話
第2章 なぜ必ず徹夜になるのか
第3章 捏造してでも叶えたかった
第4章 「決定的瞬間」はつくりもの
第5章 人気番組ほどつらい
第6章 お詫びの対象になります
第7章 視聴者が変わる、テレビが変わる
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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最近は薄々気づいていたのですが、テレビで報道されている内容は、送り手の意識がかなり入った編集がなされていて、真実を伝えるというよりは、「送り手の伝えたいことを伝える・スポンサーに気を遣って視聴率が高くなるようにする」になっていると思っていました。
この数年でテレビを観るのが急につまらなくなり、テレビをつける回数が減ってきて平日などは全く見ないで過ごす日も増えてきました。来年には完全地デジになりますが、慌ててテレビを買い換える必要もないと思っている次第です。
この本は現役のディレクターがテレビ局の真実の姿を伝えてくれていて興味深い本でした。この20年の間にインターネットや種々の技術革新のために、番組制作者もかなり苦労をしているようですが、良心のある方に頑張っていただいて少しでも良質の番組をつくり続けていただきたいと思いました。
一番驚いたのは視聴率の測定方法を示した箇所とその誤差(p149)についてで、10%の視聴率の場合の誤差に、打ち切り検討のケース(マイナスケース:10-2.4と、表彰されるケース:10+2.4)が含まれている点でした。
以下は気になったポイントです。
・最近は番組製作会社が殆を作っているが、それでも80年頃までは、報道番組とスポーツ番組は局の聖域であり、テレビ局と直接子会社で制作されていた(p18)
・テレビ業界は、ほぼ同じ仕事、職場、キャリアで、3倍以上も給与格差が存在する、TBSのテレビ局社員の平均給料は1472万円(p23)
・ワイドショー、ニュース番組では、スタジオで使うフリップの原稿、リポーターのための台本、司会者のための台本等、放送作家が書くことがある(p50)
・あるキー局は、書類選考(1万人程度)から始まって、一次面接、講習会・カメラテスト、二次面接、最終面接で、3名程度に絞られる、その後に準キー局えある大阪局、名古屋局が続いて、そしてローカル局となる(p58)
・最近では最終面接で残った学生の殆が、各局のスクール出身である(p60)
・「あるある大辞典」の制作は、タレントが出演するスタジオ部分と、実験等を行うVTR部分があり、その部分は、関西テレビの東京支社から発注を受けた大手制作会社から、制作会社9社に孫請けしている(p76)
・70年頃迄は、番組分類は、「報道・教養・スポーツ・娯楽」であったが、現在では、「報道・情報・スポーツ・ドキュメンタリー・バラエティ・ドラマ」であるが、実際には各種の要素がミックスされた番組が増加している(p87)
・VTRを編集して時系列を入れ替えることは、当たり前に行われる、2日目の出来事を最終日で起こったように報道する、2組のタレントが対決する様子を時系列をずらすことで競い合っているように見せる等(p96)
・報道や情報番組における演出とは、視聴者にわかりやすく、かつ面白く伝えるための工夫と解釈すべきであるが、その演出と「仕込み」「やらせ」は紙一重(p102)
・日本テレビの氏家発言により、テレビ局は、バラエティ番組と銘打っていれば、視聴者に黙って仕込みをして良いと判断した(p112)
・スポンサー料金(スポンサーがテレビ局に払うお金)の3割程度しか、番組制作に回らない(p131)
・地上波テレビ局は報道機関であり、災害などの緊急時にはその役割をはたすために、公共電波の使用権を独占的に認可されているビジネス(p135)
・テレビ東京は、民放キー局中で、唯一報道体制を他局並に充実されることを放棄している(p136)
・新聞紹介やパネルを使ったコーナーが多いワイドショー系番組は、予算に苦しんでいる(p139)
・視聴率の三冠王とは、1)全日(6~24)、2)ゴールデン(19~22),3)プライム(19~23)の平均視聴率のこと(p143)
・週間のコマーシャルの総量は、全放送時間の18%以内と決められている(p145)
・視聴率は関東地区には600世帯、全国で6600世帯に設置された測定機で測られる、関東地区は1700万世帯において600世帯のみ、統計上の誤差は10%でプラマイ2.4%、20%でプラマイ3.3%(p149)
・最近はテレビ局主導の映画が増えている、「三丁目の夕日」のROBOT、及び「スタジオジブリ」は例外中の例外(p191)
・2008年度、地上波ラジオ・テレビ局の合計195社中、107社が純損失、合計212億円で、1975年から統計を取り始めて以来、初めて(p195)
2010/12/5作成
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本書はフリーのテレビディレクターである著者の経験に基づき、徐々に世間の信頼を失いつつあるテレビ局の世間には余り知られていない側面を紹介している本です。
冒頭のテレビ局の正社員と下請け、孫請けにあたる制作会社の社員の待遇格差に触れた内容から始まり、
・人手不足の制作現場の状況、
・女子アナ定年30歳説、
・「あるある大事典」ねつ造のプロセスとその背景、
・テレビ番組の「決定的瞬間」におけるやらせと仕込みの境界線、
・番組制作費ダウンの背景とそれが引き起こす事態、
・視聴率とCM収益の関係、
・スポンサーとテレビ局の力関係、
・スポンサーの逆鱗
・スポンサーに対する謝り方
・放送外収入確保に走るテレビ局、
・デジタル放送とテレビ局の関係
等について書かれていました。
本書によれば、CM料金の基準となるGRP(Gross Rating Point)は以下の計算式で導かれ、
GRP = 視聴率(%)× CM本数(15秒を1本と見なす)
例えば、視聴率が10%の番組で300本のCMを流した時のGRPは
10 × 300 = 3000GRP
となり、1GRPあたりのCM料金はおおよそ10万円前後なので、この番組のCM収入は
3000GRP × 10万円 = 3億円
となる。
また、民放連の取り決めによりCMを流す時間は「総放送時間の18%以内」と定められているので、必然的にCM収入にも上限があり、その中で出来るだけ収益を上げようとすると視聴率にこだわらざるを得ないとの事。
この様に視聴率にこだわる事情を抱えた民放各社。
本書の解説によれば、これら民放各局がやらせやスポンサーに都合が悪い事は一切報道しない等、様々な世間の不信感を買うに至った歴史的経緯は以下の様な物らしいです。
視聴率を追求していく過程で、1960年代半ばから登場してきたワイドショーを切っ掛けに、報道番組や情報番組、バラエティ等と言った番組の垣根を越えてそれぞれをミックスした新しい番組が登場。
その結果、報道番組にバラエティ的(正確な内容よりも面白さを重視)な内容が増え、やらせ等で世間の信頼を失いつつある。
また、娯楽番組でも長く続く人気番組になればタレントのギャラも増える。
しかし、番組制作予算は増えない為、制作会社に支払われる番組制作資金がその分減り、苦しい資金で追い詰められた制作会社がやらせ等が起こす。
加えて、広告市場が減少に転じた1992年から(テレビ局に対する)スポンサーの力が強くなり、この流れは福岡放送、北陸放送、静岡第一テレビ等のCM間引きの発覚により更に加速。
この様な経緯を経て今ではスポンサーにとって都合が悪い事の放送自粛が当たり前になっている。
そして、厳しい状況下で放送外収入の拡大に生きる道を求めるテレビ局は、赤坂不動産と言う異名を取ったTBSやコンテンツを利用した放送外収入開拓の豊富な経験を持つフジテレビ等、各局様々な生き残り策を模索中との事。
本書を読んでみると、(本書の内容はフリーのテレビディレクターと��う著者自身の視点からの主張ではありますが)何と言うか・・・
放送外収益の拡大も大事でしょうが、根本的にテレビ局は人件費も含めた全ての経費を見直して自社を余り維持費がかからない組織に変えていかないと、制作資金不足によりつまらなくなった番組内容が世間の興味を引かなくなり、それでも強引に世間の関心を引こうとやらせ等を連発。
結果、スポンサーにはますます頭が上がらなくなり、その事が更なる世間の不信感、そして視聴率ダウンを招くじり貧状態にから抜け出せなくなりそうにも見えます。
#と言っても、人件費カットはとても難しい事ですが・・・
まあ、昨年には日本テレビが人件費カットと言うニュースもあり、今後、その他の各局も人件費カットに取り組んでいく可能性は大きいのではないかなと思います。
しかし、この人件費カットにテレビ局が自分たちの取り分を少なくし、その分、下請けにまわすと言う側面がなければ、今後もテレビ番組おける不祥事は続々と続いていくのでしょうねえ。。。
どうなる事やら。
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もう2年近く前の本になってしまうので、裏側感はそんなになかったですが、業界に入りたいと思っている大学生くらいにはちょうどいい現状を理解する本かも。今年、震災後、デジタル後に書かれたようなこういう本を次は探します。