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電子書籍
絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか
著者 絲山秋子 (著)
真冬に冷やし中華に挑戦して惨敗し、締切と格闘しながら、満腹になれる丼を5連発で作る。さらにはあまり食べないエスニック料理の食材を集めて悪戦苦闘、そしてオリジナルの豚キムチ...
絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか
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絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか (講談社文庫)
商品説明
真冬に冷やし中華に挑戦して惨敗し、締切と格闘しながら、満腹になれる丼を5連発で作る。さらにはあまり食べないエスニック料理の食材を集めて悪戦苦闘、そしてオリジナルの豚キムチに舌鼓を打つ。群馬県高崎市在住、一人暮らしの著者による試作に試作を重ねた毎日。時に切なく時に笑える傑作料理エッセイ。(講談社文庫)
目次
- 力パスタ
- 冬の冷やし中華
- 大根一本勝負
- すき焼き実況中継
- GoGoお買い物
- 丼五連発
- 蕎麦屋で飲む酒
- デパ地下チャーハン
- 豚キムチにジンクスはあるのか
- 春の日記
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紙の本
わはははは。Hanako編集部、結構やりますね。
2017/12/24 20:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
Hanakoに一年間連載された絲山さんの料理記録。
最初、エッセーの依頼をしたところ、絲山さんから自炊というテーマの
申し出があったらしい。料理研究家でもないくせに、Hanakoの
読者層を考えると、まことに大胆不敵。
それにOKを出すあたりで、編集部のフトコロの広さを感じる。
かくいう私も、Hanakoを読んだことがないので、あくまでもイメージの
話であるが。
Hanakoは隔週発行なので、2本/月×12カ月=24レシピ。
いや、レシピというより挑戦の記録。スーパー、デパート、産直で
食材をどさどさ買ってきては、料理に挑んでいる。
しかも読者サービスで、毎回、新開発メニューに挑んでいる。
第一回目はちからパスタ。ちからうどんではなく、パスタなのである。
普通のメニューで普通においしく、というのは求めていないらしい。
しかも、失敗もそのまま掲載だ。
もう、どうにも笑いがとまらなくなって、アホだなあと親近感を
感じるのである。
ひょっとしてだけど、この本はかなり男くさい気がする。
むんむんである。酒のつまみか夕飯なのか、微妙な
メニューを作っている。
時には、群馬人のお友だちA、B、Cだの、編集者だのと、
困った人たちがご相伴にあずかる。
群馬女子Cが、ちょっとお酒が足りないかもと絲山さんに言われ、
ワイン二本、日本酒二本、古酒一本をかついでくる。
誰かこの人に限度ってものを教えてあげて下さい、なんて書いて
いるけれど、限度を知らないのは絲山さんだから。
相手は、明らかに合わせているだけだから。
そんなアホ爆裂の炊事記録なのである。
なんだかんだで、おいしそうなメニューもあったりする。
抱腹絶倒、ためになるようなならないような、何とも微妙な
料理記録である。
しかし、いくらレシピ開発のためとはいえ、
独身女子が丼もの五連発とか、デパ地下食材で作る
チャーハン攻勢に爆沈とか、なんでそこまでやるのかしらん。
ネタを作るお笑い芸人そのものである。
究極はたまごとトラバターの回。冒頭を引用する。
>「今回の絲的炊事記、バカ丸出しなので、バカ女が
> 嫌いな人はここで読むのをやめてください。お願いします」
こんなことを書かれて、読むのをやめることができる人が
いるのだろうか。しかも、途中で妄想爆走モードつき。
作家っちゅう職業は、どうも想像力の特大キノコが生えていて、
頭の上はいつもこの木なんの木の状態みたいである。
残念ながら、絲的炊事記は一年の連載で終了。
反響が大きく、続投の要請があったようだが、絲山さんが
ギブアップしたらしい。当たり前だ。体当たりしすぎだから。
いずれにしろ、ちょっとでも料理をする人は、この上なく楽しい
一冊であることは間違いない。
最後に情報を一つ。
あとがきにあったのだが、炊事記連載のあと、セネガルに
二カ月滞在し、その時の記録をもとに一冊書いたらしい。
題名は「北緯14度」。
ここでも、スペシャルレシピでアフリカンチャーハンを開発
しまくっていたらしい。まったく、何をやっているんだか。
電子書籍
面白いぞ絲山秋子
2021/06/05 23:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
豚キムチのフレーズに引っかかって電子書籍で立ち読み→おもしれーと購入。雑誌の企画とはいえ、考えられないの作ったり食ったりしてるのがとてつもなくくだらなくて面白い!また文面も材料を包丁でザクザク切って鍋の中にドサっと放り込むような感じなのがまたいい。絲山秋子を知るきっかけになりました、どーしよう、すっかりハマってしまったではないか・・・、他のもいってみよう!
紙の本
読んでから料理観が変わりました
2016/08/24 18:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もとよも - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも作っている料理がマンネリ気味な方に、じわじわとスパイスになる本です。
料理エッセイのなかでは異色の本です。小説家・絲山秋子がみつけた食材やひとつのジャンルを、手を変え品を変えて果敢に挑戦していくのですが・・・
絲山さんはなにぶん料理研究家は本業ではないので、失敗ばっかりしています。試行錯誤してうまくいくこともあります。でもやっぱり料理法に苦しむ日々。
いわゆるレシピ本ではなくて、攻略していくさまを実況していく本といえばいいでしょう。
その人間味あふれる絲山的語り口や工程が、一般に言う料理研究家本と一線を画しています。
レシピに使えそうなものも紹介されているけれど、要は「あなたも絲的炊事を」。好きなようにいつでも料理することに興味を持つ、これなんですね。
これまで同じ調理法で同じものしか作らなかった私自身、これを読んでから台所に立つと意識が変わりました。「失敗を恐れてはいけない、ここを変えればもっと美味くなるかも」と。
紙の本
なぜにここまでっ?!身体を張りまくったお料理エッセイ。
2011/04/13 13:23
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
※すいません、恋は盲目絲山信者的記事です。
エッセイはあまり読まない。というか、苦手である。ひと様の生活にあまり興味がそそられないので、読んでも「ふーん」、「あ、そう」で終わってしまい、読む意味や価値を見出せないのだ。
しかししかし、大好きな絲山さんのエッセイは別バラだ。しかも炊事(ニアリーイコール料理)記ときた。夜中に読んだら、お腹が空いてしまった。
本書では、絲山さんの食に対する飽くなき挑戦が記されている…と書くと聞こえはいいのだが、その挑戦の内容がちと一般的ではない。
たとえば、真冬に冷やし中華を食べてみる。なぜそんなことをするのか。理由は簡単。
私はあまのじゃくです。人がやらないことをやりたがります。(p.13)
しかも身体はりすぎ。件の真冬の冷やし中華の場合、二日で四食の冷やし中華を手を変え品を変え試してみる。しかもすべて惨敗。
これ、自分で作ったからいいけれど、もし自分が旦那さんで奥さんがこんなもん作ったら、「その皿持って実家に帰れ」くらい言うよ。友達が作ったら「もう、こいつの料理は食べまい」と思うよ。(p.15)
他にも、丼がテーマならばボリュームのある丼を五食続けてトライし、エスニック料理を食べに東京行脚した日には、半日でランチが二回にディナー一回という鬼のような行程を決行してしまったり。
ランチが二回にディナー一回。ひとによっては大したことはないかもしれない。しかしわたしも同じだからよーっくわかるのだけれど、絲山さんは出されたものは完食します主義。そしてもっとひどいことに、この鬼行程の頃の絲山さんは、一日一食という食生活。もう、なんていう恐ろしいスケジュールなのっ!!!
でも売られたケンカは必ず買う絲山さん。きちんと食べきりました。お腹がツンツンのパンパンになりながら。えらすぎです。
やっぱり絲山さんは真面目。
いや、真摯だ。だって、ここまで身体はる必要性は何ひとつないもの。
でもって絲山さんは可愛い。
だって、恋のトラバタしちゃった相手に卵をもらったその日にゃ、卵を見ただけできゅんきゅんして、思考が停止しちゃうのだもの。
酒も煙草も車も男前でかっこいい。
けれど、絲山さんは乙女。
ぎゅっとしちゃいたいくらいかわゆい。
このギャップが魅力なのだろうな。