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寺内貫太郎一家
著者 向田邦子 (著)
〈貫太郎のモデルは、私の父向田敏雄である。よくどなり、よく殴り、5年前に亡くなった。お線香代りに、ちょっぴり「立派な男」に仕立て直してお目にかけた……〉。口下手で怒りっぽ...
寺内貫太郎一家
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寺内貫太郎一家 (新潮文庫)
商品説明
〈貫太郎のモデルは、私の父向田敏雄である。よくどなり、よく殴り、5年前に亡くなった。お線香代りに、ちょっぴり「立派な男」に仕立て直してお目にかけた……〉。口下手で怒りっぽいくせに涙もろい、日本の愛すべき“お父さん”とその家族をユーモアとペーソスで捉え、きめ細かな筆致で下町の人情を刻み、東京・谷中に暮す庶民の真情溢れる生活を描いた幻の処女長編小説。
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紙の本
大黒柱があった時代
2004/01/24 23:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミケ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわずと知れた、向田邦子の処女長編小説。
昭和49年にTVドラマ化されて、お茶の間で大人気になった。
当時私はまだ小学校3、4年生だったが、なんとなくこのドラマのことを
覚えている。でも詳細はあまり覚えていない。
最近、「阿修羅のごとく」の映画化で向田邦子ブームが起きているようだ。
今迄一度も向田作品を気に留めたことがなかったが、ここにきて
私も世間に感化され、ちょっと手に取ってみた。
エッセイ集「父の詫び状」と、この「寺内貫太郎一家」。
さて、この「寺内貫太郎一家」を書いた向田邦子はこんな言葉を残している。
<貫太郎のモデルは、私の父向田敏雄である。
よくどなり、よく殴り、5年前に亡くなった。
お線香代わりに、ちょっぴり「立派な男」に仕立て直して
お目にかけた…>
東京の下町を舞台に、人情味溢れる人間模様を描いている。
この作品が発表された当時でさえ、多分貫太郎一家のような家庭は
既に「古きよき時代」の家族像になりかけていたのだろうと思う。
あの目まぐるしく世の中が変わっていった高度成長期にこのドラマが
世間の支持を得たというのが、今思うとなんとも切ない。
前に進むことしか出来ない、留まることや後戻りすることができない
そんな哀しい性を背負いながら、私たちは昔を懐かしむのだ。
当時の日本の縮図を貫太郎一家に見るようだが、
今ならドメスティック・バイオレンスだの子どもの虐待だの、
人権無視だのと、色んなところで槍玉にあがりそうなことだらけだ。
それでも、何度も何度も目頭を押さえながら読んだ。
何故って、そこには確かに愛があるからである。
紙の本
通勤電車乗り過ごした
2023/02/17 20:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白山風木 - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞の短編よりもやはり面白い。
当時、テレビドラマを見たことはなかったが、もし見ていても居心地悪くて(妙に身近過ぎて身につまされて)面白いとは思わなかったと思う。40年以上経て、冷静に俯瞰できるようになった二度と戻らない遠い家族の風景。
読書で、電車を乗り過ごしたのは、サリンジャー以来、これも40年ぶり。
紙の本
寺内貫太郎
2019/11/15 19:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
向田邦子さんのお父様を、「ちょっと立派に」したという寺内貫太郎。今だったらDVだのなんだのと問題になりそうですが、昭和のおおらかさを感じられます。