- 販売開始日: 2013/03/08
- 出版社: 講談社
- ISBN:978-4-06-376326-3
電子書籍
将国のアルタイル(10)
著者 カトウコトノ(著)
マフムートの交渉により、ウラド王国との同盟がついに締結! だがその矢先、帝国はスコグリオ公国に進軍を開始! ついにルメリアナ大戦が開戦した!! これに対抗するべく、大トル...
将国のアルタイル(10)
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商品説明
マフムートの交渉により、ウラド王国との同盟がついに締結! だがその矢先、帝国はスコグリオ公国に進軍を開始! ついにルメリアナ大戦が開戦した!! これに対抗するべく、大トルキエ五将国と海の都(ヴェネディック)、ウラド王国は対帝国同盟を結成!! 一刻の猶予もない中、マフムートはさらなる協力国を求めて“ルメリアナの心臓”地方へ向かう――。激動の覇権を握れ、マフムート!!
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ただきれいなだけではない、物語展開に寄与する服飾描写
2017/10/16 01:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻までで、反帝国同盟を作ることに成功したマフムート。
これからは、さらに帝国に近い、クオーレ地方の国を引き込まねばなりません。帝国に近いということは、前線になりうる国々であるということ、またそれらの国々は文化的に見てトルキエよりも帝国に近いということを意味します。
というよりも、この大陸においてはマフムートたちトルキエが異民族であり、かつての侵略者なのです。前巻まででヴェネディック・ウラドの二国を反帝国同盟に引き入れたマフムート。ただしこの二国は、等しくどの国にも肩入れしないか、あるいはどの国とも関わらない国でした。
本巻マフムートが交渉しなくてはならないのはトルキエを蛮族とみなし警戒・蔑視している相手です。特に文化の先進性でもって諸国と渡り合っているフローレンス共和国の大統領は交渉上手、そしてトルキエとはまったく違う文化の中にいます。
フローレンスのモデルはフィレンツェだと思われますが、彼らの衣装には中世ヨーロッパ服飾の知見がよく生かしてあります。トルキエとフローレンスの人々のお茶の飲み方、服のまとい方、一つ一つ比べてみてもしっかり描き分けられています。
こうした細やかな生活文化の描写があるからこそ、本巻で描かれたような文化の違いと、それを乗り越えていく過程に説得力が出てくるのでしょう。
しかし、ここで文化の違いを乗り越えてトルキエと大陸の国々が結び、また文化的に近いはずの帝国に大陸の国々が刃を向けることは、逆に言うと、古代ポイニキア帝国のもっていた文化的な同質性が崩れていくということでもあります。
物語の大きな、新しい時代へのうねりが、徐々に徐々に見え始めてくるころです。