電子書籍
阿修羅ガール
著者 舞城王太郎 (著)
やべー泣きそうだ。泣きかけだ。半泣きだ。ううう、目が熱い――。アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的(ガーリッシュ)に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪! グルグル魔...
商品説明
やべー泣きそうだ。泣きかけだ。半泣きだ。ううう、目が熱い――。アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的(ガーリッシュ)に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪! グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう? 東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは――。三島由紀夫賞受賞作。
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電子書籍
2003年三島賞受賞作
2016/12/20 11:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
町を暴れまわる殺人鬼や、炸裂する爆弾はおそろしい。しかしどこまでも純粋な女子高生の愛が、すべてを吹き飛ばしていく様子は実に爽快だ。
紙の本
疾走する現代社会の闇に戸惑う
2010/11/13 10:33
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:analog純 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、少し前に、こんな小説を読みました。
『君が代は千代に八千代に』高橋源一郎(文春文庫)
この作家は我がフェイバレットですので、いろいろと面白かったんですが、今回私がちょっと「うーむ」と考え込んだのは、「肉体のアブノーマルな改造」についてであります。
少し前に、蛇を踏んだり、背中蹴ったりという小説が流行りましたよね。
……えー、すみません。混乱いたしておりました。
『蛇を踏む』は川上弘美の芥川賞受賞作で、これはちょっと前ではなくて、だいぶ前の作品です。『蹴りたい背中』というのは綿矢りさの芥川賞受賞作で、私の言いたかったのは、この綿矢りさと同時受賞した小説のことが言いたかったんです。金原ひとみの『蛇にピアス』ですね。
この作品にも、「肉体のアブノーマルな改造」が描かれ、少し流行りましたよね。
って、別に、舌の先を二股に分けてそれにピアスするのが流行ったわけではありません(と、思うんですがー)。
確か、この小説の書評の一つに、「現代日本の若者は、とうとう自らの肉体からの自由を手に入れようとしている」うんぬんとあったのを読んだように記憶します。実はこの小説を読んだ読後感と、同種のものがあるように感じるんですねー。
上記に、高橋源一郎の作品に触れましたが、この作家は十数年前(前世紀末頃ですね)AV界にかなりのめり込んだ小説・評論等を書いているんですね。
この世界は、かなり強烈なものであるようで、そもそもセックスを人前でさらすわけだから、もう、隠すべきもの、控えるべきものが何もなくなってしまうんですね。
そうなると何が起こるか。
そこに残ってくるのは、果てしのない理性の拡散、理性の溶解。具体的に言えば、吐き気を催すような鬼畜ドラマ(排泄物の摂取・肉体の改造・倒錯・暴力・フリークスへの好奇等)なわけです。
……うーむ。
さて、冒頭の舞城王太郎の小説にやっと戻ります。
まず女子高生一人称文体。これについては、かつて太宰治あり、橋本治ありで、違和感はありません。むしろ、長編小説のほとんどをこの文体で書ききっているところからも、作者はかなり自信があったのだろうと思え、なるほど納得できる出来映えだと思います。少なくとも、文章は、手練れであります。
次にストーリー。冒頭、好きでもない男とのセックスが描かれ、続いて女子高生同士のケンカ(「シメる」「ボコる」)が描かれます。この辺は前述の文体とも相まって非常に生き生きと書かれるのですが、その後、ちょうどこれも以前流行った『バトルロワイヤル』みたいな、中高生のゲーム的殺戮に話は移っていきます。この辺からなんですね、読んでいて私にはつらくなってきたのは。
村上春樹の『海辺のカフカ』の中に、ジョニーウォーカーという、いわゆる世界の中の「悪意」を代表したような人物が出てきて、生きたままの猫の心臓を食べるというシーンがあったりします。
(これも閑話ですが、あれこれ考えてみると、猫に対する「狂気的」行為って、いろんな小説に描かれていたことが思い出されます。松浦理英子の『親指Pの…』にもそんなビデオの話しがありましたし、三島由紀夫の『午後の曳航』にも猫殺しの場面がありましたし、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』にも猫の残酷エピソードが触れられていました。猫と残酷さって、何か引き合うものがありそうな気がしますね。)
実はそんな、得体の知れない「悪意」の固まりが、現代文学の中のいろんなシーンに点在していて、そしてどうもそれを描くことに一種の新しさがあると評価されているようであることに、私は、ちょっとつらさを感じるんですねー。
もちろん、実際にあるものを書いてみるところから始めなければ話にならないことは分かるんですが、ちょうど「肉体のアブノーマルな改造」が同様な感じなんですね。
例えば、サドの作品を通して自由の意味を探る、というのは分からないではないですよね。精神の自由は文学の重要なテーマであります。
本作も同じなんでしょうか。
現代社会の闇は、そんな大変なところまで来ているのだと、紋切り型にまとめてしまうこともできるのでしょうが、しかし、本当に、こんな風に書かねばならないのでしょうか。
……うーむ。
紙の本
初読了
2019/08/05 19:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TORA - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポップですごく読みやすい。
初めて舞城さんの作品読み通したかも
じぶんとは何か、というのを
センチメンタルな側面ではなく
フィジカルに考えた作品かなあ、という印象
空飛ぶシーンとかすっきり爽やかで
舞城さんてきっとロマンチストだなあ!とか
バイオレンスもあってバランスがとれている
悔しいけれどこの作品には必要な要素か。
紙の本
文学へ一石投じる舞城王太郎
2005/12/24 16:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
メフィスト賞上がりで、エンターテイメントを書いてきた舞城王太郎さんですが、その表現スタイルは、エンターテイメントにとどまるだけのものでは、ないことは、ずーっと言われ続けてきました。 その証明とも、なる一冊です。
メフィスト賞は、取り合えず、殺人事件でさえありさえすれば、
後は、なにも、制限無く、作品を集めている気がするので、
逆に作家には自由度が、高いかもしれません。
プロットは、
アイコが、佐野君と、ラブホで愛のないセックスをしたところから、
始まり、その後、トイレでの同級生とのファイトと、
佐野君の失踪と、話は、展開していきます。
文体を自由に操れる、言葉使いとして、存分にその能力を発揮しています。
「文学賞メッタ斬り」でも、エンターテイメント界に数多く居る
文体を屈指して、表現できる作家の中でも、一味違うと、
大絶賛でした。
ただ、男性作家が、多感な女子高生に成り代わりその文体で、作品を描くというのは
太宰治の作品などにも、あり、もう文学の一つの定番スタイルで、少しあざとい気もしましたが、まぁ、ストレートの純文学の王道中の王道です。
がしかし、本書の凄いところは、この文体とともに、
中盤より、はちゃめちゃになっていくメタな展開にあるかもしれません。
で、このメタな展開を、どう着地させるのか、と
思っていると、、、、、
そこは、読んでみてください。
殺人鬼のぐるぐるのパートが、
(ウンコの歌がたぶんだめだったのでは)
恐らく、逆鱗に触れて保守系の評論家からの、評価が得られず、
主要な文学賞からもれたのでは、と思っていますが、
その辺はどうなのでしょう?
まぁ、逆に突破してしまった、表現ということで、
箔がついて、良かったのでは、!?。
電子書籍
どうなんでしょう
2021/10/29 05:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
女子高生の一人称で、書かれているのに、その女子高生の心理が、読み手に違和感与えてしまってます。いきなり、愛のない行為だし……、暴力シーンが始まるし……。自分的には……ちょっと……の作品でした