- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2013/06/25
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-208501-1
ボヴァリー夫人
著者 フローベール (著) , 生島遼一 (訳)
田舎医者ボヴァリーの美しい妻エマが、凡庸な夫との単調な生活に死ぬほど退屈し、生れつきの恋を恋する空想癖から、情熱にかられて虚栄と不倫を重ね、ついに身を滅ぼすにいたる悲劇。...
ボヴァリー夫人
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商品説明
田舎医者ボヴァリーの美しい妻エマが、凡庸な夫との単調な生活に死ぬほど退屈し、生れつきの恋を恋する空想癖から、情熱にかられて虚栄と不倫を重ね、ついに身を滅ぼすにいたる悲劇。厳正な客観描写をもって分析表現し、リアリズム文学の旗印となった名作である。本書が風俗壊乱のかどで起訴され、法廷に立った作者が「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったのは、あまりにも有名である。
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戦慄をもたらす自意識描写
2001/08/24 01:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:R4DIOHE4DZ - この投稿者のレビュー一覧を見る
敬愛する福田恒存が,評論においてしばしば触れていたフローベールの本作品.古い作品を読む習慣は私にはなかったが,ふと読んでみる事にした.ところが,ものすごい体験をする羽目に.
初めの数ページを読み始めて,私はその描写力にただただ圧倒されていた.フローベールの筆致が,こともなげに登場人物らの心理を言葉のメスで暴きだす.そのさまは「暴力性」すら感じさせるほどで,ひたすら震撼させられる.
私はかつて,花村萬月の『ゲルマニウムの夜』において出てくる「意識操作」の描写のリアリティに強く動かされたクチであるが,フローベールの圧倒的なリアリズム的手法を体験してしまった後では,はっきり言って霞んでみえる.それほどまでに,本書の自意識描写のリアリティは凄まじいものがある.そうした生々しい描写を可能にした,物語の舞台設定も見事というほかない.
訳文の方も,緩急を絶妙に使い分ける巧みな文体で,よくある訳文の固さは皆無の名訳.訳者による原著の評論も,福田恒存の評論と同じくらい内容の濃いもので,非常に興味深く読めるだろう.
空想と妄想
2018/05/30 01:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
フローベールの代表作で、リアリズムの傑作とされている本作。といってもゾラとかバルザックのような執拗にディティールを強調したりしない。むしろさらりとした描写で、はっとするフレーズがある。エマは容姿端麗だが世間知らずで空想好きな人間。彼女は町の平凡な医者シャルルと結婚する。その生活の退屈なこと、耐えがたいこと。やがてエマは本当の意味での恋を知る。不倫小説の典型とは言えないがその場面の鮮やかな描写の数々。そしてその空想癖がやがてそのツケを払うことになる。追い詰められたエマは砒素を飲んで苦しみながら死ぬ。その克明なこととエマの苦しみは目を覆いたくなるほど。シャルルもしばらくして後を追う。その後を継いだ医者も町の俗物オメーに追われた。「彼は最近れじおん・ドヌール勲章をもらった」。この世には救いはなく、あるのはただ様々な妄想の果てに待つ絶望だけ。この暗さは前人未到。それが平凡な人間の他愛無い空想の結果であるだけに、読むのがつらい。美しいが退屈、なものの代名詞。お見事だが私には近よりがたい。
ボヴァリー夫人
2001/03/02 18:52
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:7777777 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ボヴァリー夫人は郊外に住み読書が楽しみである。しかし、郊外では本に載っているような刺激的なことは起こらない。
やがて、快楽に溺れ、借金を作ってしまい、自らの命を絶つ夫人。ボヴァリー裁判までおきた名作。
フローベルはいう「ボヴァリー夫人は私だ」。