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いかずち切り
著者 山本一力 (著)
5万両は誰の手に!? 江戸の裏金融界を舞台に、騙し騙され、大勝負!――巨大な騙(かた)りにまんまと引っかかった札差に泣きつかれ5万両の奪還に乗りだしたのは、江戸の裏金融界...
いかずち切り
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いかずち切り (文春文庫)
商品説明
5万両は誰の手に!? 江戸の裏金融界を舞台に、騙し騙され、大勝負!――巨大な騙(かた)りにまんまと引っかかった札差に泣きつかれ5万両の奪還に乗りだしたのは、江戸の裏金融界でその名を知られた「いかずちの弦蔵」。「一番大事なことは、カネをどう受け取るかの段取りだ」――江戸と大坂を股にかけ、弦蔵と騙りの一味が丁々発止の頭脳戦を繰り広げる! 迫力と興奮のノンストップ傑作時代小説。
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紙の本
江戸版コンゲームの面白さ
2014/04/21 11:15
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
「信用詐欺」や「取り込み詐欺」などをテーマに、悪いやつらが何とか金をだまし取ろうとする、コンゲーム。善悪が二転三転したり、はらはらどきどき物が多いけれど。これを江戸の世界でやってみようというのがこの作品で、当時の言葉では「騙り」となる。江戸の札差(金貸し)の大店に、詐欺の集団が目を付けた。魔法のような錬金術で目をくらまし、なんと5万両もの騙りを成功させようとする。ところがそこに立ち上がった、5人衆。人呼んで「稲妻屋の5人衆」。巨躯に禿頭、みるだに恐ろしい人相の5人は、所謂「証文売り」を生業にした物たち。焦げ付いた証文(貸付証書)を安く買い取り、それを額面通りに回収すると言った物。今回も「仕事」として騙りにあった金を取り戻そうとするが・・・。
この時代の面白いところは、「情報が遅い」という事。どんな大きな情報でも瞬間的に世界中を駆け回る現代では考えられないけど、江戸から大坂まで、ほんのわずかな言葉を伝えるだけでも1週間とかかるこの時代。だからこそ、面白い物語が生まれたりもする。「知恵を絞り何かを為す」時間的猶予があったりするからだ。今回も巨額の切手を持って大坂に出立した飛脚に、どう追いつくのかというのが一つの見せどころになっていた。
そしてやはり二転三転する物語が面白い。善なのか悪なのか、本当の悪党は誰なのか。そしてやはり、悪党は成敗されるのが山本作品の気持ち良いところでもある。はらはらと読み進められながらも、「天晴れ」ま最後がちゃんと待っていると安心して読めるのが、毎度嬉しい。