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武家の棟梁の条件 中世武士を見なおす
著者 野口実 (著)
現代の日本人がイメージする高潔で忠義を重んじる武士像は、近世に概念化され、明治以降、国家主義的教育の中で作られたものであり、本来、武士とは「政治史的にはこの上もなく」暴力...
武家の棟梁の条件 中世武士を見なおす
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商品説明
現代の日本人がイメージする高潔で忠義を重んじる武士像は、近世に概念化され、明治以降、国家主義的教育の中で作られたものであり、本来、武士とは「政治史的にはこの上もなく」暴力的性格の社会集団で、「職業的な殺し屋」的存在だった。この集団を束ねた「棟梁」とはなにか。その条件は。なぜ武家政権がかくも長期にわたって存続し得たのか。武士の本質と肖像を社会史的職能論により捉え、そこに浮かび上がる日本の中世を考える。
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紙の本
武家の棟梁といえど、政治家である
2008/03/08 23:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は武家の棟梁の条件を、肉体的に武力に秀でていることを挙げているが、武家の棟梁の条件に武力に秀でていることが入るとは思えない。
源頼朝が幕府を開き、関東に独立した政権を作ることが出来たのは、石井進氏の述べられているとおり、土地・地位の公平な決裁者としての能力とその血統的な資格があったからであると考えるのが妥当であると考える。
鎌倉幕府に限らず、名将軍と言われる将軍は武力よりも政治力に秀でている将軍ばかりであるように思えることからも、その考えは間違っていないと考える。
紙の本
主人
2019/08/24 06:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世に武家のトップがどのように決められてきたのかを解説。なんとなく理解されてきたことを分析し実態に迫ろうとしている。
紙の本
武家−野蛮から文明へ?
2004/11/01 05:29
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:renqing - この投稿者のレビュー一覧を見る
武士は、野蛮で、人殺し、暴力団と同じようなもの、というのは、著者の野口さんだけでなく、ある程度中世史家の間では共通した認識であるようです。創文社刊PR誌「創文」2004.09.No.468東島誠「義経の結婚」p.7-11参照。
ただ、どんなに野蛮で、品性下劣でも、むき出しの暴力や武力だけでは
長期にわたる「統治」は不可能なわけです。(梁石日「血と骨」幻冬社1998における、金俊平の晩年を見よ。)
そうすると、この列島の歴史においては徳川300年は、遅々たる歩みであったとしても、武家の「文明化の過程」といえるのでしょう。この点に関する著者の見解があれば、より納得がいったと思います。