- 販売開始日: 2013/12/06
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-116817-3
吉里吉里人(中)
著者 井上ひさし (著)
吉里吉里国の独立に日本国政府は仰天、自衛隊が出動し、国民の眼はテレビに釘付けとなった。防衛同好会が陸と空から不法侵入者を監視する吉里吉里国では、木炭バスを改造した「国会議...
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商品説明
吉里吉里国の独立に日本国政府は仰天、自衛隊が出動し、国民の眼はテレビに釘付けとなった。防衛同好会が陸と空から不法侵入者を監視する吉里吉里国では、木炭バスを改造した「国会議事堂車」が国内を巡回、人々は吉里吉里語を話し、経済は金本位制にして完全な自給自足体制。独立を認めない日本国政府の妨害に対し、彼らは奇想天外な切札を駆使して次々に難局を切り抜けていく。
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荒唐無稽に社会問題を切る
2020/11/24 17:33
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投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
中巻に入って、話のテンポが上がり、俄然面白くなってきた。
言葉遊びの散りばめられた、荒唐無稽のストーリー展開の中に、国にまつわる様々な社会問題が提起され、その本質が描かれていく。
民族の独立問題、国家防衛(自衛隊の存在)と日米同盟、憲法9条、経済と性的産業、農政問題、医療や看護の問題と福祉の問題。日本と吉里吉里国を対比し、日本の社会問題を抉り、吉里吉里国での対策が描かれる構成で、社会問題を解決する理想形を紡いで行く。
どれも重たい課題なのに、冗長過ぎる様な馬鹿馬鹿しいストーリーと、吉里吉里語の言い回しで、易しく、所々で吹き出しながら、読み進められる。
エログロナンセンスだけど、実はテーマは重いのかも。
吉里吉里中年百姓合唱団の歌の中で、『百姓は土を耕す。耕すとは文化と同じ語源でカルチャーだから、百姓は文化人だ』と高らかに吉里吉里語で歌うシーンが圧巻。