電子書籍
遊動論 柳田国男と山人
著者 柄谷行人 (著)
「私は柳田論を仕上げることをずっと待ち望んでいた」(「あとがき」より)既成の柳田論を刷新する衝撃の論考が出現! 柳田国男は「山人」の研究を放棄し、「常民」=定住農民を中心...
遊動論 柳田国男と山人
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遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)
商品説明
「私は柳田論を仕上げることをずっと待ち望んでいた」(「あとがき」より)
既成の柳田論を刷新する衝撃の論考が出現! 柳田国男は「山人」の研究を放棄し、「常民」=定住農民を中心とした「民俗学」の探求に向かった――。柳田は長らくそのように批判されてきた。本書はその「通説」を鮮やかに覆し、柳田が「山人」「一国民俗学」「固有信仰」など、対象を変えながらも、一貫して国家と資本を乗り越える社会変革の可能性を探求していたことを示す。読み進めるうちに柳田の「可能性の中心」がくっきりした像を結ぶ、知的興奮に満ちた一冊。
著者紹介
柄谷行人 (著)
- 略歴
- 1941年兵庫県生まれ。哲学者。群像新人文学賞(評論部門)を受賞しデビュー。著書に「内省と遡行」「世界史の構造」「哲学の起源」など。
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紙の本
難しいけど,おもしろい
2015/08/17 14:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐藤優氏の著書に取り上げられていたので興味を持ち,読んでみました。これまでの柳田国男についていわれていた言説が,根底から考え直してみるとそうではない,ということが示唆されており,なかなか難しかったものの,面白い本でした。特に「戦争で亡くなった英霊に養子縁組して,その御霊を祭ろう」という思想は新鮮でした。
紙の本
世界史の構造における交換様式に遊動論を補助線として引くと…。
2014/03/10 20:09
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やびー - この投稿者のレビュー一覧を見る
大著「世界史の構造」の著者が、柳田国雄の「遊動性」を概念に新たな思想を展開する待望の一冊。民俗学者、柳田国雄は「山人」を通して国家と資本を乗り越えるべき社会を追い求めたと、著者は説明する。
著者の作品を読んでいれば柳田国雄の思想を通して自らの思想を保管しうる、いわば「補助線」を引いて新たな側面からの視点を提供していると理解出来る。
初めて著者の作品をよんだと仮定すれば、著者の文章は柳田氏の文章を引用しながらも内容といては幽玄であり本質を理解できるか不安である。(…書く言う私も、理解者なのか不安であるが)特に第三章の実験の史学に関しては、腑に落ちないまま文章を読み進めてしまった。付論にて、遊動性を四つの交換様式に当て嵌めて持論を展開する。詳しくは作品を読んで欲しいが交換様式DにおけるXを明らかにしないまま論を終える。Xの説明をすると別著に触れればならないので割愛するが、飽くまで読まれる諸兄が著者の愛読者であると仮定したい。
日本における交換様式Dは既存のアソシエーションを越えるもの(信仰心やネット社会を代表する新たな共同帯)と仮定したいが、ふと日本人の底辺にある思想を考えてみた。祟りや怨霊、コトダマに顕す日本人を操る見えない力を考えた場合、古代から続く祭やハレとケガレ。行動に力点を加える作用を日本人は持っているのでは無いか?分配、贈与、返礼、交換、日常生活を遡及的に見れば氏の提案は人間を動かす原動となる力点である。
しかし、著者はあえて、様式Dを提示する事により多様性を持たせる。著者は遊動性を提示した。古代の日本人を読み解いていくと私は、祟りや言魂、怨霊や鎮魂の思想を軽くみたくない。
紙の本
結論の部分が駆け足のような気がする
2016/09/08 23:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
柄谷行人にしては読みやすい文章である。でも何か物足りない感じがする。結論の部分が駆け足のような気がするからだ。約200ページという枚数では、柳田国男を論じきれないのか?それならもっと枚数を費やしてじっくり書いて欲しかった。今一度更に大部の本を望む。