紙の本
この小説、短編にだけついていえば確実に★五つ。でもレーチが出てくると一気に通俗長編になってしまう。ついこの間まで、夢水のシリーズを楽しんでいた娘達もそろそろ卒業気分
2004/02/18 22:17
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「虹北学園に伝わる四つの伝説。壊れたはずの時計塔の鐘が突然鳴り、校庭に不思議が起こる」夢水清志郎事件ノート第2作。今回から、このシリーズに欠かせない人物となるレーチという少年が仲間入り。若い少年探偵が見せる推理と清志郎の競演が始まる。
話は、メインの事件談を、二つの小編が挟み込む形式で、このスタイルは、はやみねのお気に入りなのか、その後の作品にも受け継がれていくけれど、その短編がどれも小粒ながら言い味を出している。今回は、ミステリ・サークルといっても推理小説研究会ではない、あの田圃や畑などに突如現れる巨大な円だが、その謎が心地よく解き明かされる。
そして本編「亡霊は夜歩く」となる。亜衣・真衣・美衣の三つ子の姉妹が通う虹北学園、その傍の工場で起きた電磁石の盗難事件に駆り出された自称名探偵夢水清志郎。その捜査も始まらぬうちに起きた学園の怪事件。ピサの斜塔のように傾いてしまった学校の時計塔の鐘が、何年ぶりに突然時を告げ始めた。
そして、学園祭を前に実行委員のアシスタントを命じられた岩崎亜衣、彼女をこき使う委員長中井麗一ことレーチ。二人が籍をおく文芸部のワープロに浮かび上がる「亡霊からのメッセージ」。思い出される学校の4つの伝説「時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ」「夕暮れときの大イチョウは人を喰う」「校庭の魔法円に人がふる」「幽霊坂に霧がかかると、亡霊がよみがえる」。
それをなぞるかのような事件が起きる。自称詩人で、一作も作品を作ろうとしないレーチの推理。学園に現れた名探偵・夢水清志郎に敬意をはらう麗一少年。そして相変わらず、大食漢ぶりをみせながら事件は解決したと早々に現場から消えてしまう清志郎。
今回登場したレーチと亜衣の淡い想いなどを織り交ぜながら事件は終結する。正直、犯人は簡単に予想がつくけれど、鍵となる動機があまりに弱い。なぜ今なのか、という説得力が無いから、小説全体の印象も弱くなってしまう。いや、じつは今後のシリーズでも思うのだけれど、レーチの存在理由がわからない。三姉妹に適当な相手を、という安直さが気にかかる。
ラストの小編、本編では殆ど活躍しなかった二人の妹、真衣と美衣、そして教授が見せ始めた突然の好意。その背景にあるもの。これは楽しい。やはり江戸川乱歩がそうであったように、はやみねは本質的に短編の作家であるのかもしれない。心地よい作品である。村田四郎の挿絵も、この本から自然体になってきて以降のシリーズのスタイルを確立した。
読み終わった長女に言わせるとシリーズ中、もっともポテンシャルが低い作品、というが、それはメインの部分。前後の短編は立派。本格短編と、通俗長編、この組み合わせ、ある年代以上になると評価が分かれ始めるけれど、小学生には格好のシリーズだろう。ちなみに、図書館にあるこのシリーズは、戻るとすぐに借り出されると言う。隠れたベストセラーではないだろうか。
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亜衣・真衣・美衣が通う虹北学園には、四つの伝説がある―「時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ。」「夕暮れどきの大イチョウは人を喰う。」「校庭の魔法円に人がふる。」「幽霊坂に霧がかかると、亡霊がよみがえる。」そしてある日、こわれているはずの時計塔の鐘が鳴りひびき、『亡霊』事件のはじまりを告げた…。
この話しの中でレーチは、亜衣にィィところを見せるために学園祭の実行委員になって頑張る!!なんかやっと恋の発展ってかんじで読んでて幸せな気分になれるから好き♪(。-_-。)
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名探偵・夢水清志郎シリーズ。
元小学校の先生の著者が、読書嫌いの生徒達に本を手にとって貰いたくてペンをとったという。
この本が出た頃は、まだ、先生と作家の二足の草鞋だったはずです。
シリーズで初めて読んで、一番お気に入りの物語。
ライトノベル全盛期の今と違って
大人の隠れファンが多かった印象があります。
これも10年前から読んでるシリーズですねぇ…
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相変わらず上手。読んでて楽しくなってくる。まあその前に読んだのが妖鳥ってのもあったんだろうけど。相変わらず不思議な状況の設定とそれを解く大きなトリックは魅力的。何よりキャラが巧く立っている。
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「名探偵夢水清志郎事件ノート」の第二弾。
第2弾だけどぶっちゃけこれが初めて読んだはやみねさんの本。笑
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レーチ初登場!!亜衣、真衣、美衣の通う学園に4つの伝説がある。この事件を名(迷)探偵夢水清志郎が解く?
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初めて読んだときは亡霊の最後の仕上げにショックを受けた覚えがある。亡霊の考えも共感できる。ここでレーチが初登場。亜衣とレーチが初々しいよ!笑
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前回に引き続き大人も楽しめる児童書だと・・・。特に『仲井戸麗一』で反応できる人とか、バルタン笑いをしたことがある人とか(笑)
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だれか、知ってる人いるかな?
小説でなく、児童書ですぐ読み終わってしまうんだけど、
なかなかおもしろいよ。
人が死ぬことはない、ミステリーだよ。
謎やトリックが実に独創的で、かつそれを解く探偵もとてもいいキャラクターを持っていて、けっこうおもしろいよ。
よかったら、読んでみて〜☆ (はまひで)
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学園祭を目前に控えた虹北学園で、古くから伝わる伝説が甦る…学園祭の準備が着々と進んでいく中、ずっと音が鳴らないままだった時計台の鐘が突然鳴り響き、校庭には謎の巨大な魔法円が出現した。校内放送による亡霊からのメッセージ、「わたしをとめることは、だれにもできない―」果たして亡霊の正体とは?! そして、悲しい結末…久々に読んだ、はやみねかおる作品。児童書なんだけど、児童じゃなくても十分楽しめる本です。
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シリーズの第一作『そして五人がいなくなる』より、この第二作で夢水さんが好きになった…!実はちゃんと大人なんだというイメージがよりはっきりしたというか。面白かった!
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亜衣・真衣・美衣が通う虹北学園には、4つの伝説がある――「時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ。」「夕暮れどきの大イチョウは人を喰う。」「校庭の魔法円に人がふる。「幽霊坂に霧がかかると、亡霊がよみがえる。」そしてある日、こわれているはずの時計塔の鐘が鳴りひびき、『亡霊(ゴースト)』事件のはじまりを告げた……。名探偵夢水清志郎事件ノートの第2作。
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名探偵夢水清志郎事件ノート第二弾。
レーチ初登場の巻。
小学校の教師であった、はやみねさんの学校への考え方がよくわかる話だった。
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パスワードシリーズと同時に読み進めたのが、このシリーズ。
名探偵だからこそできる謎解きの仕方や文章表現、あと知識がつまっているからおもしろいんだなと
小学生ながら、中学生ながらおもった作品です。
ちなみにこのパスーワドと夢水シリーズがコラボした本ももってました。
クイーンがでてくる話もすきだな。
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作者さんは当時教師を続けながら執筆なさっておられた方でこの巻は「校則」というものが大きくテーマにかかわってきます。
中学生ぐらいの時にも読んだのですがやはり良いです。
雰囲気もトリックも面白いと思いました。