大丈夫、相場は明日もある
2008/11/01 13:20
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投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近のアメリカに端を発する株式市場の暴落で、はしゃいでいる馬鹿がいる。もう資本主義は終わりだと30年前から繰り返してきた壊れたマルクス主義レコードをかけ直している大バカ者たちだ。しかし、ばかにも二種類あって、額面通り資本主義の終わり、株式市場の終わりを信じきっている「真正馬鹿」と、こっそり自分だけは密かに株を買いあさっている「なんちゃって馬鹿」に分かれるところがお笑いなのだが。
そういう中にあって、微動だにしないのが澤上さんだ。澤上さんは同じことを繰り返している。「競争力のあるグローバル展開をしている日本企業の株を買って買って買いまくれ」「目先の上下にあくせくせず10年単位で相場を考えろ」と。
最近の日本市場の急落の原因ははっきりしている。日本株のメインプレーヤーだった外国人投資家たちがパニックに陥り、投げ売りしたことが暴落の原因だ。日本企業の根幹が痛んだわけでもなんでもない。
アメリカは早晩立ち直ることだろう。なんといってもあの国は世界中からアメリカに救いを求めて押し寄せる移民の追い風を受けて人口が成長を続け、2050年には(もっと前かな)、人口が5億人を超えるとされている。それにあの国では「カネを貸した奴が馬鹿」という発想があって、銀行が日本のように過度に保護されていない。借金を日本に比べ遥かに踏み倒しやすい社会だ。と、いうことは債務者救済が非常に速く進むということだ。立ち直りが早いのである。
問題はインドと中国である。インドの高成長を支えたIT産業は米国の金融機関への依存度が6割を超えており、これに英国の金融機関を加えると7割をこえるアメリカべったり経済だったからだ。中国もしかり。貧乏人が7%のスピードで増加する「貧乏人の子だくさん国家」がなぜ成長できたかというと、事実上アメリカの奴隷としてアメリカの指図通りにちゃかぽこちゃかぽこ深夜労働を提供する奴隷国家に甘んじていたからだ。だからアメリカの景気が後退すると中国経済はストップする可能性がある。そうなったら悲劇だ。だって上から下まで腐りきった拝金国家に成り下がった奴隷国家は、経済成長なしには体制を維持することはできないからだ。さあ、腐敗と汚辱にまみれた「アジアの大国」がそのシステムを維持できるのか、それとも遠心分離を起こすのか、これからが見ものである。
欧州もボロボロだ。日本には「アメリカは拝金主義でさきがない。それに比べ欧州は」などと欧州を無条件に礼賛し美化する知ったかぶりの無知な輩が多い。しかし、事実は、欧州こそこの10年というものユーロバブルで踊りまくり不動産バブルで浮かれまくった拝金主義者どもでその病状はアメリカよりも国によっては深いのである。アメリカはだめで救いは欧州に求めようなんて発想は世間知らずの愚か者がすることなのである。
その中で、日本は相対的に一番健全で強い。何よりも日本企業のバランスシートは健全で美しい。
今後とも世界はアメリカを中心に」回り続けることになる。ならざるを得ない。他に選択肢はないのだ。だから世界の「お父さん」たるアメリカ様がその傷を癒している間、日本企業の業績も低迷を続けるかもしれない。しかし、そういう状態が永遠に続くわけではない。いずれ立ち直る。その時もっとも雄々しく力強く上昇することが期待されるのが日本株であろう。
最後に、なぜ相場はなくならないし、株式市場は長期的に見て上昇を続けることになるのか、その種明かしをしてあげよう。それは「福祉国家」と直接的な原因があるのである。我々人類は長生きをするようになった。しかも「福祉国家」のおかげで膨大な額の年金を先進国の住民は毎月国家に支払うことになった。この金額たるや莫大なものである。日本の国家予算(歳出)は約80兆円だが、そのうち20兆円超がこの年金支払いである。そして日本の年金積立金は150兆円を超えている。同じことはノルウェー、フランス、ドイツ、アメリカ、英国などもやっている。これらをどこかで運用しなければならない。それはまるで水が高いところから低い所に流れるように移動する。そう、ちょうどこんこんとあふれる水が風呂桶にたまるような調子で、世界中の年金資金が株式市場に流れ込み続けているのである。
「新自由主義は終わった」などと叫ぶのは勝手だ。私は止めない。新自由主義が何を意味するのか、まだおわかりでないようだし、自分で分かっていないことを他人に説明するのはもっと難しいだろうが、それが株式市場を中心とする市場経済ということを指すのなら「終わった」という思い込みはお見込みに終わるであろう。
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投稿者:sas - この投稿者のレビュー一覧を見る
長期投資は「国語」である。
「数字」を追いかけたりの無機質のものではなく、人がどう生きていくか、どのような社会を築いていくかといった、人間としての意思や思いや価値観が長期投資にはあるとのこと。
そこまでの境地にまだ達していませんが、近づきたいと思います。
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短期的な利益を追わず、応援したい企業に投資。
不況の時にたくさん買うことで、民間の手で景気を刺激。
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2008/4
長期投資というものはどのようなものか、そのメリットについて丁寧に書かれている。ただ、丁寧さが過ぎるためか、あまりにも同じような内容を繰り返しかかれて内容が上げ底となっている感じも否めない。
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難易度:2
不自然さを感じない投資
「株への投資は自分が応援したい企業、自分が思い描く世界を実現してくれる会社を選んで行うだけで良い」
という言葉が心に染みます。株というとどうしても儲けることばかりを考えがちですが、本来はこうして
どこかの会社を応援するためのことだと思います。そして長期投資を薦めていることも共感できます。
ただ、あとがきで2008年の夏が盛夏(買い時)と言ってしまっていることは、1年後の2009年に見たら残念です。
長期投資を薦めている以上、直近の予測は控えるべきだと思いました。
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澤上さんの話は常に金儲けではなく社会作りに貢献するための投資といった印象を受けます。
投資を単なる金儲けの延長とするのではなく、投資を通じて将来有望な芯のある会社を買う。
それによってカッコいいお金の働かせ方を実現することの大事さを教えられます。
長期投資のコツは聞いてみれば誰にでも実践できることです。一番の障害はすぐに儲けたいという欲望です。これに打ち勝てれば誰にでも長期投資はできると思いました。
将来を見据えた投資や社会のためになる投資を望んでいる人は是非読んで欲しい一冊です。
単なる金儲けの投資しかしらない人にとっては目から鱗の話だと思います。
また著書では投信に対する考え方、良い投信悪い投信の見分け方も記載されています。
是非参考にして欲しいです。
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長期投資の基本的な考え方、スタンスが分かります。
長期投資を説明するための、対極の概念として、
相場追いかけ型の投資のデメリットも説明されています。
たとえば、投資には興味はあるけれど、○○ファンドや
デイトレーダーなどを思い浮かべて、つい尻ごみして
しまってきた人に対して、投資の別の側面を知る良い
機会になると思います。
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メンタル的な話中心でメソッドについては触れられていない。が、デイトレやチャートがだめなことは良くわかる。
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すこしアクティブについてわかった。ただFOFを薦めているのはちょっと考えてしまう。
☆いい企業の見分け方(付加価値分析)
※付加価値=経常利益+経費(人件費、賃借料、減価償却費、支払利子、事業所税、租税公課など)
いい企業:付加価値が3,5年継続的に増加&経費の比率が減少
5~10年の分析を2,30社で行う。。。。骨が折れるけどなるほど、と思う。
基本は景気の波を利用して、底でいい企業だけ買って加熱中のときに一部売りぬけ、とのこと。
買い時:暴落時(2,3回/年)、不況真っ最中、夏休みの夏枯れ相場時
売り時:景気回復期の過熱気味の時、相場で買い人気が出始めた時、世の中が景気づいていると自分が実感した時
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「長期投資は国語」である。という言葉に投資というものの深さを感じました。(実際まだ、なにも分かっていませんが・・・)
高度成長期⇒預貯金 成熟社会(現在)⇒投資
筆者は上記の図式を掲げ、これからの日本における投資の重要性を説いている。
高度成長期においては私達の家計から預貯金の形で集めたお金は企業に注入され、産業資金と使われてきたが、成熟社会において、企業も投資意欲が縮小され資金需要がへり預貯金が「財産づくりの柱」ではなくなるのは時間の問題としている。
筆者は投資は投資でも情報や経済情勢、相場動向により
左右されない(筆者曰く、全て無視)長期投資の重要性をといている。
⇒短期的な投資(投機)ではなく、将来の社会のニーズを読み込み、長期投資する企業を選ぶ。
長期投資による資金がやがて、良きスパイラルを生み、豊かな社会を築いていく方向へと向かっていくとしている。
また欧米において「投資」といえば短期投資ではなく、長期投資を連想する人が多く、日本は、お金の運用そして投資に対する考え方について強制はしていないが見直す必要性があるのではないかと問いかけている。
短期的?投機的な株式の取引で一喜一憂していた自分が恥ずかしくなりつつも、企業の社会性や将来的な方向性に投資するというスタイルに今後変更しようと思わされた1冊。
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さわかみ投信の代表、澤上篤人さんの著書です。
さわかみ投信といえば、長期投資で有名な直売形式の投資信託、銀行や証券会社では販売していません。
澤上氏の投資方法は、10年先をみて、社会に貢献していそうな会社を応援するつもりで暴落した時期に株を買って長期に保有すること。
今回のこの「10年先を読む長期投資」では澤上氏の投資方法の入門編的な位置づけのようです。
考え方はシンプルです。
暴落したときにお気に入りの会社の株を購入して長期に保有して値上がりを待つ。
買い時、売り時のタイミングがポイントになるのですが、長期投資でそんなにあわてずに待っていればいつかチャンスがおとづれるというのがこの投資法のいいところですね。
目次は、
1.投資で暮らしを守る時代
2.長期投資は難しく考えない
3.長期投資を実践しよう-株式投資の巻
4.長期投資を実践しよう-投資信託の巻
5.長期投資の先に広がる世界
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バブルの仕組みp25
企業と経済全体の発展を下支えする意識、「ゼロサム」ではなく完全に「プラスサム」意識を持って行動するので、リスクとは無縁にのんびりかまえることができる。p77
1. 五年先、十年先に社会はどんなものを必要としているだろうか、それを供給しようとしていて、ずっと応援したい企業はどこか、を、徹底的に考えて選び出しておく。
2. そういった企業の株式を、暴落相場のときなどに思い切り買いに入る。
3. あとは、のんびり五年、十年と待つ。
4. 景気が上昇段階に入って、株価が上がってきたら、保有株の一部を売る。
5. ステップ四で得た現金をもとに、一のステップからふたたび長期投資を実践する。この流れでリズムよく投資をしていけば、いつしか長期の財産づくりにつながる。
【買い時】
•株式相場が暴落したとき。一年に二、三回は必ず暴落相場がある。
•不況の最中。
•夏休みシーズン中の「夏枯れ相場」のとき。
【売り時】
•景気が回復段階に入って過熱気味になってきたころ。
•相場で買い人気が沸騰しはじめたころ。
•目先の景気や相場の動向ではなく、世の中や人の様子に対する自分の直感を頼りに、早め早めに売りを出す。
【投資信託で長期投資をはじめるときの5ステップ】
1. 十万円ほどの資金を用意する。
2. 新聞やインターネットなどで投信をいくつかチェックして、販売手数料の高い投信は候補から外す。
3. 投資の条件として運用期間を限定していたり、継続投資がてきなかったりする、つねにフル投資ポジションにしておかなければならないような運用方針の投信も外す。
4. 運用している純資産額が安定的に増えている投信を中心にチェックして、そのなかから「これは」と思うものを一万円ずつ、十本ほど個別に購入してみる。
5. そのなかで、長期投資を基本的な運用方針に据え、真に投資家顧客層の財産づくりをお手伝いしようという姿勢のところがみつかれば、けい
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さわかみファンドの方針と同様に、暴落時にかうという、長期投資の基本が、かかれてます。付加価値分析の紹介もあり、これは、良い指標かと思います。すぐに読めちゃいます。
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自分にとっての「いい会社」を見つけ、不況や夏枯れ相場のときに仕込み、景気が上向いたら売る。株式の長期投資方法。
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商売の基本は安く買って高く売ることである。著者のやり方は長いスパンでこれらを行う事であるが、その中で「自分との対話」というものを考慮しているところが興味深く読ませていただいた。