紙の本
連続ピストル射殺事件で死刑囚となった人物による獄中で綴られた書です!
2020/05/29 10:01
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1968年から69年にかけて連続ピストル射殺事件で逮捕され死刑囚となった永山則夫が獄中に綴ったものが書籍化されたものです。永山は、学問には無縁で、親の愛情もほとんどなく育ったということで、不幸な境遇の下で生まれ育ったと言えますが、それでも彼が犯した罪を許すことはできません。彼は、獄中で本を読み漁り、字を学びながら、生まれて初めてノートに自分の気持ちを綴ったようです。最初は、彼が思いつくままに綴ったのでしょうか、なかなか理解に苦しみましたが、読み進めていくにつれて、徐々に内容が理解できるようになりました。自らを徹底的に問いつめつつ、世界と自己へ目を開いていった書とは言えなくもなく、同書そのものは一定の評価ができるのですが、それを実際の永山死刑囚と結びつけると、気持ちはとても複雑です!
紙の本
一気に読むのはしんどい
2024/02/29 22:49
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
永山則夫の獄中日記のようなもの。詩のようなものも多く収められている。最初の方は詩が多い。後半は、長い文章が多くなる。はっきり言ってなぜこの本が騒がれたのかよく分からない。特に後半の長い文章には辟易した。意味不明な個所も多い。まあ心の中の葛藤はよく分かるが。一気に読むにはしんどすぎます。
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無知は罪です。貧しさも罪です。貧しさを作り出す社会も罪です。しかし、殺人を転嫁する事も罪です。著者に対する怒りが込み上げてきます。でもそれは、私が恵まれているからに過ぎません。文学作品とは読めませんでした。
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殺人を貧しさや環境のせいにしちゃうあたり、どうよ?あほくさ〜といつも思う。でも、面白かったです。すごいです。ここまで徹底した勘違いぶりは。うーん・・・それだけでもないなぁ・・・。なんなんだろ。よくわからない・・・。
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共産主義ってことなんでしょうか?
犯罪犯してそれをどこかのせいにしようとしちゃだめだと思うんだけど。
私にはよくわかりません。
ばかでごめんね。
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貧困が犯罪を生むことも、無知ゆえの犯罪も、もしかしたらあるのかもしれない。けれど、同じ環境に生まれ育った兄弟達は犯罪者にはならなかった。4人もの命を奪ったことを貧困や無知のせいにできるものではない。
それを大前提とした上でいえば、著者が独房内で発揮した学習欲・知識欲・表現欲は凄いと思う。“無知”な人が書いたとはとても思えなかった。
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連続射殺事件の犯人が牢獄の中で綴ったノート。
授業中、先生が教育の大切さを仰ったときにこの本に言及されたので読んでみました。
分かったのは、たぶんその先生がむかし、多感で繊細な感性を持っていた若者だったのであろうこと。(今は・・・笑)
私にはあまり得るものがなかった気がします。
読んでいて、
筆者のおふざけが恥ずかしい。
筆者のプライドの高さばっかり目について、かたはらいたい。
無知・貧困が悲惨な犯罪を招くのだと、筆者は日本の社会主義化を主張するが、どうなのだろう。
確かに私は筆者は無知であったし、このノートを書いた当時も無知である、と思う。
彼のノートを読む限り、自分以外の人間に思考、感情があることを認めていないように感じられるから。
自分以外の人間に対して理解がないことが、一番の無知、じゃないでしょうか。
と、偉そうに書きましたが、
私には掬えなかったエッセンスがこの本にはあったのかもわかりません。
ただ、感じられたのは
結局この著者があまりにも中学生的思春期的イタサを暴露していることだったのですよ。
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未成年時に米軍から盗んだ拳銃で四人殺した凶悪犯が書いた手記。
詩に関しては読むべき価値は十分あると思う。
文学的もそれなりに評価されたのも頷ける出来となっている。
ただ後半に占める政治的・哲学的考察はどうも好きになれなかった。
古臭さとともに幼いような気がした。
多分彼がこういう思想に走ったのも取り巻きの影響が大きかったのではなかろうか。
中途半端に知識を得た人間がよく陥る典型というのだろうか。
また自己愛も随分強いな、と。
まあ獄中結婚したくらいだし、なんだかんだと言いながらもこの人は俗物だったのだろう。
それでも読み書きも満足にできない人間が刑務所で独学し、ここまでのものを書き、その印税で遺族に賠償したという点では素晴らしいと思う。
個人的には詩だけをピックアップして欲しかったかな。
中立的な誰かが書いたノンフィクションを読めば十分なような気もする。
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NHK ETV特集「死刑囚 永山則夫~獄中28年間の対話」を見た。
いい番組作るな~。
永山が殺人を犯してしまった、主な原因は、貧困がいけないんだということだったけども。
例えば世界中の人が最低限のご飯を食べられるようになったとしても、弱い者が捨てられて更に社会から無視されるという構造が無くならない限り、このような殺人動機もなくならないのではと思いました。
絶対的な「貧困」よりも、相対的な「格差」が生む絶望感のほうが、闇が深いのでは。
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河出文庫版はかなり内容が追加されているらしい。
よく言われているように、著者は確かに詩才があり、知識欲やその吸収力も凄い。でも、本書で書かれているのはいわば延々と、自分が殺人を犯したことは社会のせいであるという開き直りである。殺された4人の遺族に印税を寄贈したらしいけど、これじゃ、受け取りを拒否した遺族がいたのも無理はない。殺された側にとっては、なぜ自分が・父が・息子が、ということが最大の問題だが、永山はそこに対しては語りかける言葉を持っていないようである。
この本を読んでいるときに、取手駅前でリストラされた男がバスの中で刃物を振り回す事件が起きた。これも社会のせいなのだろうか。いや、社会のせいだけど、決して正当化は出来ないだろう。
この本を手にする気分では無くなり、ちょうど半分読んだところで読むのを止めた。
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烏兎の庭 第一部 雑記 12.13.03
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/diary/d0312.html#1213
烏兎の庭 第四部 書評 6.15.13
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/diary/d1306.html#0615
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2011.04.07 読了
後半の左翼的主張一辺倒にやや辟易するも、ノートを記していく中で自己を見つけ出していくさまは感動的。
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まずは日記形式でつらつら書かれていて、非常に読みづらかった。
永山には確かに芸術的才能があるのかもしれないけど、「死刑囚」という肩書があって初めて認められる、というレベルなのでは。
読み物的にも専門家の分析や年表、周囲の証言などもうちょっと工夫がほしい。
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冒頭の詩には深く感じ入る部分があれど、後半永山がさまざまな人間(活動家であったり、人権弁護士であったり)とかかわればかかわるほど、鼻持ちならない文章になっていくのがきつかった。彼が死刑囚として服役しているということは、いっさいの労働をせずに、1日のすべての時間を思想に費やせたということであり、だからこそ希有な思想家、作家としてペンクラブに入れるべきだったとは思うけれど、それと作品に同調できるかどうかはちがう。やはり、共産主義を芯から信じている人間は永山のような特殊な人間であり、ほぼすべての日本人には共感さるべきものではなく、悲しいかな一般人として労働しながらかの主義を叫ぶ日本人には、カフカやドフトエフスキーの著者をこねくり回して言葉あそびをしているだけとしか思えない。
いま現在と、当時の社会の熱の差額をかんがみても、私はつまらなかった。死刑囚はやはり死刑囚。差別ではなく、これは現実。彼に陶酔する人種は、理想を叫びつつ自身は労働せざるを得ないいわゆる一般階級にいざるを得ないジレンマでぐだぐだ言っているにすぎない。
彼の貴重性、特殊性は尊重されていいと思う。ただ、命より大切なものはこの世にない、この意味がわかるには、彼は若すぎた。読み物としてはたいへん読みごたえはあるけどね。
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1960年代に連続射殺事件を起こし、有名な「永山基準」を作り出した死刑囚は獄中にて初めて文学に触れ、しだいに共産主義思想に傾倒していく。
自らの青年時代を思い起こして綴った随筆・一字一字搾り出すように書いた詩・・・。
深淵に触れるかのような一冊。